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寝ているだけで代理人が世界征服してしまった話  作者: ルリア
第4章 創世編
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心中

私は日本人の男子で、

なぜか、

全ての発育が停止した特異な体質の持ち主だ。


外見は、

子供の頃から女の子と間違えられるのが当たり前だった。


そのため、

街を歩いたり、

学校にいるだけで、

変わり者を招き寄せたり、

普通の人を目醒めさせたりしてしまい、

度々、

危険な目にあっていた。


両親はそんな私を愛してくれて、

懸命に守ってくれた。


そう、

私は子供の心で、

そう思っていた。


けれども、

事件は起こり、

私は十年後、

復讐を完了した私は壊れて、

両親は私を入院させた。


そして、

突然、面会に現れたBGと名乗った老人はいった。


「君が君の宇宙を取り戻すために、

自殺してみませんか?」


自殺防止の緩衝材が覆われた部屋で、

彼は全身上品なスーツ姿で立っていた。


「これから君は、

君の中に入っていき、

そこでこれからの人生で決して<しない>と誓うなにかを探してもらいます」


私には反応する理由がなかった。


「君は君の全てを移し替えた<君の世界>で暮らします。

そこでは、

君を傷つけた人たちをやっつけてもいいですし、

何もしなくてもいい」


「壊しても?」

と、初めて喋った声は、

少年の声のままだ。


「自由です」


反射的に喉がなったのに、

私自身が驚いた。

まだ、

自分にそんな反応するだけの感性が残っていたことにだ。


「ただし、誓約をみつけなければ永遠に<君の世界>で暮らすことになりますから、

まあ、

それも最悪の選択肢ではないでしょうが、

君が再び、

明日の自分を望むのならば、

自分が決してしないと誓えるなにかをみつけだすことです」


BGという老人によって、

私をマイナス79度のカプセルに閉じ込められた。


そこは、

暮らしていた街や私の部屋が細部まで再現された霊子の世界だった。


街は何層にも重なり、

上から下へと時間を遡る。

今日の街からエレベーターに乗れば、

一つ下は昨日の街だ。

そして、

最下層までたどり着けば、そこにあるのは私が生まれる前の世界だった。


私が最初に送り込まれたのは、

カビ臭い物置で、

あの女が微笑んで、

私に何か語りかけている瞬間だった。


記憶では、

あの教育実習の女子大生がいっていた言葉は、

ショックで聞き取れなかっのたか、

記憶に残っていない。


だから、

今、

私は初めて、

彼女の言葉をきき、

理解した。


「ねえ、お母さんからきいてるでしょ。

お姉さんと仲良くしなさいって、ね」


反応できないでいる私に心配になったのか、

彼女はいっていけないことを口にした。


「お金も渡したし、なれてるからっていっ」


耳に入って頭で理解できたのは、

この時はそこまでだった。


私は反射的に彼女の口を砕いていた。


10歳の女の子ような姿でも、

精神と経験は20歳の男子だ。


物置にあった角棒を力一杯振り抜いて、

喋り続けようとして中途半端に開いた口の中心に叩き込んでやった。


白い物が飛び散り、

彼女は床に力なく落ちて、

動かない。


そりゃそうさ、

と私は思った。


記憶に残らないくらい、

理解不可能だったはずさ。


だから、

私は一日前に戻り、

再び、

この瞬間に戻るのを繰り返して

少しずつ、

この教育実習生の言葉を最後まで確認した。


結局、

彼女を棒で殴ったり、

家から持ってきた包丁で刺しり、

理科実験室の塩酸をかけたり、

アイスピックで目をくり抜いたりして、

やっと、

誰が私をこんな目にあわせたのかを問い詰められるような、

精神に自分自身を仕上げることができた。


私が落ち着いた返事をしたので、

この哀れな教育実習生はペラペラと全てを話してくれた。


全てを聴き終えてから、

私はいってやった。


お前は将来結婚して子供を産むけれど、

旦那に裏切られ、

母子心中する運命だって。


彼女は顔を歪めて、

目を針のように細くして睨んできた。


「やさしくすませてあげようとおもったけど」


彼女は殴ってきたが、

私はあえてて抵抗しなかった。


そうだ、

これはBGという老人が作った仮想現実だ、

これが真実とは限らない、

と馬鹿馬鹿しい希望にすがりつつ、

断続的にくる痛みと、

それに続いた不愉快さの中、

10歳までのことを思い返していた。


全てを終えて、

勝ち誇った顔で私を見下ろすこの女が、

「大人を馬鹿にするとどうなるのか、

もっと教えてあげる」

と、嘲笑うので、

「先生、やっぱり、殺さない」

と、笑ってやった。


石のような両目で彼女は去っていき、

物置に残された私は不快感と痛みで嘔吐した。


そういえば、

心理学で、

女性の暴力犯罪が少ないのは、

その大半が家庭内暴力だからだ、

という説があったなと、

吐瀉物の酸性臭が鼻孔をつく中、

確か、

家族的共同体だと、

それは社会全体に蔓延するとか、

その中には学校とか会社とかも、

入るんだったけ。


だからかな、

私は家族だから母親に売られ、

生徒だから先生に殴られなきゃならないのか?


その晩から私は一週間、

7回

二人を様々な方法で殺してみた。


エレベーターで今日と昨日を行き来できる便利な世界で過ごした半月は、

そのようにして、

あっと言う間にすぎた。

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