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寝ているだけで代理人が世界征服してしまった話  作者: ルリア
第2章 ペイガン科動物圖鑑編
51/195

〇〇では明らかに情熱や趣味であったものは✖️✖️においては経験であった

「滅びをさける方法ですか」

と、レムが悩んでいる。


「彼らが私たちのように全くの別物同士であれば、

話は簡単なのですが」


「そうですね、ペイガンは初期設定敏感性を完全に排除されている、

驚くべき造物ですから」


「なるほど。このまま放置すれば、僕と節子は15万年後のマンハッタンらしき街中にいる、

ガイアスとナンバーナインと同じ立場というわけだ」


「主さまが眠られてからの作品でしたが、

もう、ご覧になられましたか」


「ああ、原作(オリジナル)が好きでね、子供の頃に」


「金髪に染めましょうか?」

と、節子。


「うーん、あの2人の身長差は悪くないね」


僕は節子を見上げた。


「問題なのは、ナンバーナインの言うような複雑系的解決は、

ペイガンにはあり得ない、ということですな」

と、BGさんが話を本筋に戻した。


「せめて、主さま方のように全員が別々の種であれば、

救いようもあるのですが」

と、レムが話しかけだ時、

ノーラが戻ってきた。


レムが心配して声をかけようとしたが、

「大丈夫」

と、ノーラは力強い声でこたえた。


椅子に腰掛けた彼女に、

節子が紅茶を淹れにいった。


「別々の種って、どういうこと?」


僕たちは躊躇したが、

四人分の紅茶とコーヒー持って戻ってきた節子がいった。


「説明してあげて」


「さっき席を外したのは気持ちが悪くなったからじゃないの。どう思ったかと言うと、またか、ってことよ。私の母親は知っているでしょ」


「元国連事務総長」


「ええ、そうよ。マムは若い頃から紛争調停官をしていて、世界中の紛争地帯で暮らしてきたわ。あちこちで赤ん坊を利用した爆弾(テロ)や、集団レイプ(みんぞくじょうか)があった。だから、またか、と思ったの。とても悔しかった。マムが生涯をかけてやってきたことは無駄だったのかってね。でも、もう大丈夫。今度は私が戦う番なのね」


節子がノーラに語りかけた。


「私が最初のペイガンだというのは、前にも話したわね。ペイガンとしての私の名前は<Ruru>。私から14人の娘が造られ、7人が男を生み、7人が女を生んだの。それがペイガンの始まり」


「単体生殖だから、

ペイガンはみんな同じってこと?」


「ちょっと違うのよ。私たちの構造は新しい情報を次世代に伝えられないの。ペイガンの女性が生んだ子供は、常に私の娘たちが生んだ男女と、常に同じということ。勿論、外見は環境に適応するわ。見た目でも多様性はあるの。皮膚の色だって数百年で黒から白へ、白から黄へと簡単に変化する。けれど、本質の変化はできないようになっているの」


「私たちがどんなに努力しても、世代を超えられない。ペイガンはペイガンのままです。その反動で単一起源への執着と、進歩や進化への欲求が異常に強い」

とBGさんが補足した。


「それでさっき話してた、

全く別物っていうのは、

どういう意味?」


僕はノーラに向かっていった。


「人間はね、

個々がそれぞれ別々の種なんだ」







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