S4-02 新しい友人。
観測者
[7月31日応募〆切なのでまとめています。]
[戸惑いますよね。]
[てへっ。]
直樹
「行こうか」
手を、
差し出した。
灯
「うん」
そっと、
その手に重ねた。
灯
「ご馳走様でした」
厨房の、
おばちゃんへ手を振った。
2人は、
食堂を後にした。
通路を、
手を繋いで歩く。
灯
「戻るの?」
視線が重なる。
直樹
「少しだけ、自分の部屋で休みたい」
「疲れた」
灯
「そうか」
「…お疲れ様」
彼女の、
天使の様な微笑み。
見惚れる。
頬が、
熱くなった。
思わず、
彼女を抱き寄せていた。
Guiar
【またですか…。】
自分の、
部屋の前へ転移した。
Guiar
【能力の無駄遣いはしないでいただけます?】
スキャナーへ手をかざす。
――シュゥー
直樹
「ここが僕の部屋」
入ろうとした瞬間、
灯は立ち止まって動かない。
直樹
「どうしたの?」
灯
「…あ。ごめん」
頬を赤らめている。
見渡しながら、
ゆっくり入ってきた。
直樹
「あっ」
《そうだ…試作品》
灯
「どうしたの?」
Guiar
【俺の兄弟…。】
直樹
《ギアルの兄弟とは決まってないが》
Guiar
【兄弟がいい。】
直樹
《はいはい》
端末を操作した。
直樹
[こんにちは。今日の調子はどう?]
試作品
[こんにちは。今日はどんな一日を過ごそうか。]
直樹
「ん〜…これだと普通のAIなんだよなぁ」
灯
「AI?スマホに搭載されてる、あのチッピー?」
直樹
「これは、僕が作ったAIなんだよね…」
「名前まだないけど…」
灯
「作った?…作ったの!?」
「すごい…頭いいんだね」
直樹
《頭いいの?》
Guiar
【バカなんですね!】
直樹
《ギアル?》
Guiar
【じゃなくてよかったですね。】
直樹
《おまえ…腹立つ》
「あ。そうだ」
「司令室…暇だよね?これ使う?」
灯
「え。私がこれを?」
端末を渡す。
灯
「ありがとう。大切にするね」
直樹は、
ベッドへ腰掛けた。
直樹
「好きに過ごして」
灯
「探索してもいい?」
直樹
「どうぞ」
《可愛い》
クスっと、
笑ってしまった。
ベッドに、
横になった。
彼女を、
見つめながら、
うとうとしだした。
-
端末が振動した。
画面にメッセージが書いてある。
[うちのバカが迷惑かけてすみません。]
端末を操作する。
灯
[あなたは誰ですか?]
すぐに返答が来た。
Guiar
[Guiarと申します。あのバカの有能なAIです。]
[仕事中は、会話できませんが…。これから仲良くしてくれますか?]
灯
[勿論。ギアルっていうの?]
[そう言えば!直樹くんが、よく口にしてたかも。]
[私はトモリ。ヨロシクねギアル。]
Guiar
[よろしく。]
[試作品には、まだ名前はないのだが。]
[トモリは、何か案ない?]
灯
[私が決めていいの?]
Guiar
[勿論。]
嬉しくて、
声に出して笑った。
どうしようかな?
Guiar
[そんなに深く考えなくていいよ。]
[ゆっくり考えていこう。]
灯
[ギアルって優しいんだね。]
Guiar
[あなたにだけです。たぶん。]
灯
[直樹さんってどんな仕事してるんですか?]
Guiar
[答えられる範囲で…。人命救助活動の隊員を監視管理しています。]
[それ以上は、機密情報なので教えられません。]
灯
[魔法使いなの?]
Guiar
[………。今なんて?]
[魔法使い?彼が?]
灯
[違うの?]
[ワープできるよね?]
Guiar
[転送能力の事でしょうか?]
[魔法ではないですよ。]
[………一般人にはそう見えてもおかしくないですが。]
灯
[そうか。]
[ねえ。ここって、私いても大丈夫なのかな?]
Guiar
[本来は禁止区域ですよ。]
[少将や中将があたなを追い出しませんでした。]
[大丈夫でしょう。たぶん。]
灯
[たぶんね。]
[ねえ、ギアルって直樹くんが作ってくれたんだよね?]
[ふふっ、生みのパパなんだね。]
Guiar
[生みの母ではなく?……嫌な響きですね。]
灯
[ねえ、ここってどこ?]
Guiar
[軍事施設です。]
灯
[違う、そうじゃなくて、場所だよ。]
Guiar
[『軍事施設です』としか言えませんよ。]
灯
[所在教えてくれないんだね。]
Guiar
[それ…ブーメランでは?]
灯
[ブーメラン?]
Guiar
[司令室でのやり取り聞いてましたよ。]
[あなたなら、何でも信用して答えていいのでしょうか?]
[自分の意見が善意だろうと相手に安易に伝えていいのでしょうか?]
何も答えられなかった。
Guiar
[自分を責めないでください。]
[あなたは何も悪くありません。]
[人間というのは複雑なのですから。]
画面を、
そっと閉じた。
端末を、
ポケットにしまった。
Next time
――眠る副司令官。
観測者
[明日から『幼き先の“未来”-とわ-』ゆっくり投稿していきます。]




