wW-68 Allegations
本当に…、
今日は語れないんだ。
Naparnik【遠隔操作により、Doviraの修復速度上昇。】
ラファルサ
『遠隔…』
カルディ
『中佐よ。私が頼んだのよ』
『私だけじゃ、時間がかかるから…』
指先で、
UIを操作する。
ラファルサ
『なぜ、遠隔』
真彩を、
見下ろす。
カルディ
『事情があるのよ。アナタのせいじゃない』
『そこだけ…』
手を、
止めた。
視線が向いた。
カルディ
『私は、少佐を信じてるわ』
険しい、
表情に変わる
カルディ
『ここにいるということは…』
『知ってるんでしょう?』
俺の、
手を取る。
カルディ
『渋谷の…』
そっと、
頬へ手が添えられた。
ラファルサ
『大使館』
思わず、
言葉が漏れた。
ラファルサ
『許せない』
俯く。
カルディ
『アナタは犯人じゃない』
頬の、
涙を拭われた。
カルディ
『…怖くない』
『私がサポートするわ』
優しく、
覗き込んでくる。
Dovira【…先輩。…先輩どこ。】
Naparnik【Dovira!俺はここだ!】
Dovira【先輩…怖かったよ。】
Naparnik【もう大丈夫だ。】
その、
やり取りに、
目頭が熱くなる。
涙を拭き、
真彩へ体を寄せた。
ラファルサ
『真彩…聞こえるか?』
薄目を開けた。
真彩
『ここは…』
「近い…」
視線を逸らし。
瞬時に、
身を離した。
タタタタッ
リビングから、小さな駆け足。
直樹は、
真彩へ屈み込む。
直樹
「ママ!!!」
真彩
「直樹」
真彩は、
直樹の涙を拭う。
突然、
大声で泣き出す。
直樹は、
真彩へ抱きつく。
真彩は、
息子の背を撫でる
真彩
「直樹、頑張ったね」
俺は背けた。
胸が、
軋むように痛んだ。
直樹
「ママも…」
「…頑張ったもん」
真彩
「くすぐったい」
小さく、
笑う声が、
聞こえてくる。
真彩が、
体を起こす。
真彩
「よいっしょ…」
「直樹大きくなったなぁ」
直樹
「ママ…」
頭を、
撫でる手は優しい。
ラファルサ
『起き上がって、大丈夫なのか?』
真彩
『わからないけど、痛いわけじゃないし』
カルディ
「あら……」
直樹を、
覗き込むように見つめる。
泣き疲れ、
寝てしまった様子だった。
その姿を、
3人は静かに見つめた。
ラファルサ
「俺が抱える。お前はもう少し休んどけ」
直樹を、
そっと抱き上げ、
隣の布団へ寝かせた。
カルディ
『少佐。ここへ座って』
カルディの、
視線は鋭かった。
指定された場所へ座った。
ラファルサ
『何だ』
カルディ
『じっとしてて』
Naparnik【アップデート完了。】
カルディ
『Doviraちゃんのもしてあるから』
ラファルサ
『これは…』
カルディ
『…犯人追うのでしょ?』
ラファルサ
『……っ…!』
言葉が、
詰まった。
ラファルサ
『……野放しにはできない』
握る拳に、
力が入る。
真彩
『許せない』
隣から、
腕を掴まれた。
真彩
『絶対許さない!』
決意の、
眼差しだった。
カルディ
『直樹くん、基地で預からせてもらうわ』
『中佐、いま…』
言葉に詰まる。
『監視対象で外に出られないのよ』
思考は、
疑惑へ向いた。
ラファルサ
『中佐の部屋の異常は、それと関連あるのか?』
静かに、
カルディへ、
視線を合わせる。
真彩
『…いきなり電気が消えて』
『そしたら、ドヴィラがおかしくなった』
『……』
『大地がするわけない』
真彩は、
俯いている。
カルディ
『中佐じゃないわよ。安心して』
『上層部の誰かがやったとしか…』
俯く。
カルディ
『直樹くんが起きる前に…』
『連れ出さないと…』
カルディは、
直樹へ、
ゆっくり歩み寄る。
直樹へ、
触れる前に、一言。
カルディ
「負けないで」
強い、
眼差しだった。
直樹をそっと、
起こさないように抱き上げた。
カルディ
『隙を見て、補助するわ』
『気をつけて』
そう言い、
音もなく、
姿を消した。
ラファルサ
「……」
俯く、
真彩を静かに見守る。
涙が、
布団を濡らす。
すすり泣く。
居ても、
立ってもいられず、
そっと抱き寄せていた。
ラファルサ
《こいつを……》
笑顔を。
この涙を。
温もりを。
世界を。
平和を。
――決意した瞬間だった。
Next time
――Contact
7月7日で完結となります。
――膝を抱えて、俯いている。




