wW-62 Reaction
…。
え…。
カルディ
「んまあ!すんごい数値!!」
大佐へ、
視線を向ける。
カルディ
「んもう、おじーいちゃん。南戸大佐のお孫さんじゃないだから…」
南戸
『しー。だって…寝顔が可愛くて、可愛くて…』
優しく、
直樹の頭を撫でる。
カルディ
『そっとしておきましょう…』
少し呆れる。
大佐は、
カルディへ近づく。
南戸
『ここが危ないようなら、直樹くんを連れて避難するように』
カルディ
『大佐は』
険しい、
表情で大佐を見る。
南戸
『最後まで見届ける』
演習場を、
見つめて言う
カルディ
『…』
『未知の領域です。気をつけてください』
UIの、
数値を見つめつつ。
彼らを、
見守った。
---
槍を、
構えて突進してくる。
Naparnik【Dovira、そいつを止めろ!】
Dovira【先輩を黙らせます。】
Naparnik【わからず屋!】
Ratio【Doviraによる妨害により、制御システムへの侵入はできません。】
チャーリー
「くそっ…」
《…》
《想像以上だ…》
少佐は
真彩の攻撃を、
回避しつつ近づいてきた。
ラファルサ
「まだか!」
チャーリー
「ごめん…」
複数の、
槍の影が床を覆った。
Naparnik【来る!】
Ratio【範囲攻撃です!】
ラファルサ
「相棒!!」
Naparnik【ラジャ!!】
二人の、
頭上から、
槍の雨が降り注ぐ。
Ratio【展開まで…2秒】
チャーリー
「間に合うか」
Naparnik【シールド展開!!】
空気を、
切るように、
静かに、
透明のフィルターが張られる。
槍は、
貫通することなく、
触れた瞬間に消えた。
Dovira【先輩、やりますね。次はないですよ。】
真彩
「出てこい、ラファルサ」
ラファルサ
「…」
チャーリー
『相棒』
ラファルサ
『何だ』
チャーリー
『俺等も融合しよう』
ラファルサ
『!?…だが』
チャーリー
『大丈夫』
少佐の、
肩に手を触れた。
チャーリー
『俺は後方で指示を出す。相棒は指示通りに』
真彩は、
天井高く飛び上がる。
ラファルサ
「来るぞ!!」
槍を掲げて、
降りおりてくる。
チャーリー
「それ以上は、させない!!」
少佐の前へ、
立ちはだかる。
Ratio【危険です!回避を!】
ラファルサは、
中佐を、
押しのけライフルを構える。
――パーン カチャ…
遅れて、
薬莢が跳ねる。
真彩の、
頬をかすめ血が滲む。
それでも、
速度は変わらない。
――パーン カチャ…
止まることもなく攻めてくる。
チャーリー
「無茶だ!!」
ライフルの縁で、
槍を受け止める。
――キィーーーン!!
キリキリキリ…
金属同士が、
軋む音が耳に刺さる。
中佐は、
真彩の表情が、
一瞬、変わったのを逃さなかった。
チャーリー
《痛覚か!!》
『相棒!痛覚が弱点だ!』
ラファルサ
『痛覚…だが』
チャーリー
『わかる…傷つけたくないのは俺もだ』
少佐は、
真彩を振り払った。
真彩は、
後ろ側へ、跳び退ける。
手を、
痛そうに擦っている。
ラファルサ
『…援護を頼む』
チャーリー
『了解』
ラファルサ
《相棒…まだ行けるか?》
Naparnik【任せろ!】
銃を、
構える。
標準を、
肩へ合わせ。
打ち込む。
――パーン カチャ…
案の定、
姿を消した。
チャーリー
『反時計回り、9時方向、方位…』
言い終わる前に動いていた。
真彩が、
振り向くよりも早く。
首の後ろを、
ライフルの柄で殴った。
Ratio【Dovira停止。】
Naparnik【Dovira再起動。】
真彩
「いっっっ!!たああーーーい!!」
空中から落下する。
「ひぃー!!」
背後から、
抱き抱える。
真彩
「またあ!?」
ため息。
少佐と、
共に空中から降りてきた。
真彩
「飛べるの?」
ラファルサ
「飛ぼうと思えば」
《お前も飛んでいただろう》
真彩
「驚愕の事実!!」
不安そうに、
中佐が見つめてくる。
チャーリー
「真彩…」
真彩
「大地…」
駆け寄る。
強く抱き合った。
真彩
「怖かった…」
チャーリー
「ああ」
Dovira【…あれ?私何してたっけ?】
Naparnik【…よく壊れませんでしたね。】
ラファルサ
『そこまで強くやっていない…はずだ』
大佐が、
観覧室から降りてきた。
南戸
「終わったのかな?」
チャーリー
「はい」
カルディ
『中佐〜。データなら取れたわよ〜!』
観覧室から、
手を振るカルディ。
チャーリー
『ありがたい』
ラファルサ
「あれが、融合なのか」
チャーリー
「そう。想像を遥かに越えたけどね」
真彩
「ん?ん?」
二人を、
交互に見る。
真彩
「何が?」
Naparnik【記憶喪失、Doviraだけじゃなかったですよ。良かったですね。】
Dovira【え?…はて?】
Naparnik【…あの。お母様、別の意味でDoviraが怖くなってきました。】
Ratio【特に異常は見当たらないわよ。】
チャーリー
「休憩にしよう」
《真彩の怪我手当しないと》
ラファルサ
「助かる」
《疲れた気がする…》
南戸
「食事にするかね?」
チャーリー
「そうですね」
南戸
「食堂へ案内しよう」
「その前に、直樹くんを起こさねばな」
大佐は、
観覧室へ歩き出す。
真彩
「寝てるんですか?」
後を、
追うように歩き出す。
南戸
「最初は観ていたんだけどね」
「いつの間にか寝ていたよ」
チャーリー
「運動会の疲れがまだあるのかもな」
後ろを、
振り返ると少佐と視線が合った。
ラファルサ
『何だ』
真彩
『別に』
---
チャーリー
「ヨダレ…」
カルディ
「ヨダレよ」
大佐
「垂れてるね」
真彩
「垂らしすぎだろ」
直樹の、
寝顔を見ながら次々と呟いた。
チャーリー
「直樹。起きろ」
真彩
「おーい。ご飯食べようよ」
直樹
「ぅう…ん…」
Naparnik【寝ぼけてますね。】
Dovira【可愛い…。】
Naparnik【やっぱり、Dovira変ですよ!】
真彩
「はいはい」
Ratio【…中佐、Doviraを点検しますか?】
チャーリー
「もう少し様子見で」
カルディ
「Doviraちゃん調子悪いの?」
チャーリー
「衝撃与えた反動だと思うが」
《……はんどう》
真彩へ、
視線を向ける。
チャーリー
「すまない。先に食堂行ってて貰えます?」
南戸
「ああ。わかった」
カルディ
「わかったわ。どちらへ?」
チャーリー
「医務室」
少佐へ、
振り向く。
チャーリー
「相棒は、怪我してないか?」
ラファルサ
「大丈夫だ」
チャーリー
「先行っててくれ」
ラファルサ
「了解」
チャーリー
「真彩…手当するから付いて来て」
真彩
「わかった」
観覧室を後にした。
Next time
――Missile




