wW-55 As I had feared
屈んで、葉っぱをツンツンしてます
――Pardon?
可愛い…
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Replay
直樹
「ご馳走様でした!」
ふぅ…と息をつく。
「美味しかった!」
大地
「はやっ」
《満足そうな顔》
ふっ
と笑う。
直樹
「だってぇー」
真彩
「ほれ、お菓子」
大地
「恒例のアレか」
直樹は、
小袋のお菓子が入ったバッグを抱える。
直樹
「行ってくるね」
去って行く。
大地
「おう、気をつけて」
Dovira【何です?アレ…。】
真彩
《恒例のお菓子交換だよ》
Dovira【…へぇー。】
周囲を見渡す。
Naparnik【おはようございます。相棒。】
大地
「おっ」
《起きたか》
少佐を
覗き込む。
大地
「おはよう!」
微笑む。
ラファルサ
「おはようございます」
真顔。
大地
《硬いな》
Dovira【記憶リセットされました?】
Naparnik【寝ぼけてるだけかと…。】
真彩
『大丈夫??』
ラファルサ
『…何が?』
Dovira【ねぇ…マヤ。寝起きの少佐、仔犬ですよね…。】
大地は、
思わず、手で口元を隠す。
Ratio【その…目は笑ってますよ。】
大地
《Shut Up》
ラファルサ
『丸聞こえだ…。ドヴィラ、後で体育館裏に…』
遮るように、
肩に手が乗る。
大地
「おーい、飯食わないのか?休憩15分ぐらいしかないぞ」
視線が重なる。
《こいつ、固まってる》
真彩
「えー?食べてくれないの??」
小さく首を傾げる。
わざとらしく言った。
Naparnik【完全に挑発でしたね。】
Dovira【じゃあ、食べないの?】
パカッ
黙々と食べだす。
大地と真彩が顔を合わせる。
大地
《食ったな》
真彩
「ソーラン節、最初だから急がないと」
スマホの写真を見ながら。
大地
「ああ…。失敗は許されないな」
肩を回しほぐす。
Dovira【マヤ、そうめん忘れてるよ。】
真彩
「あ…」
保冷バックから取り出す。
「これ…。おにぎりの代わり」
渡した。
ラファルサ
「ん…」
自然と受け取る。
水筒から、
そうめんへめんつゆを注いだ。
少佐の、
食事風景に
カメラを向けて収める。
真彩
「キンキンの内にどうぞ」
ラファルサ
「あ…ありがとう」
真彩
「おっ…戻ってきた」
カメラを
直樹へ向ける。
大地
《速い…ブレる》
お菓子を、
落とさないように、走ってくる。
直樹
「ラファにぃーーー!!」
撮るのを諦める。
大地
「転ぶなよ」
食べながら視線を向ける。
太陽で照らされ、
ホクホクになった、
笑窪が近づいてくる。
靴を脱ぎ…。
――ズサッ
お菓子をシートに広げる。
直樹
「いっぱい交換できた」
大地
「よかったな」
微笑みながらカメラを向ける。
真彩
「これ貰い!」
クッキーを手に取る。
直樹
「あっ!ズルい!」
前のめりになる。
直樹と、
視線が重なった。
直樹
「ラファにぃ、これあげる!」
ラファルサ
「ありがとう」
Naparnik【うまい棒ですか。】
大地
《それ俺狙ってたやつ…》
少佐を見つめる。
視線が重なった。
ふっと笑った。
大地
《俺には何を選んでくれるかな》
《…》
《…》
「パパには?」
直樹へ、
声をかけた。
Naparnik【嫉妬ですね。】
Dovira【これが男の嫉妬!】
放送
「後半戦、そろそろ再開します」
直樹
「んと…これ!はいっ!」
急いで靴を履く。
「ソーラン節見てね!」
手を振って駆けて行った。
大地
《…》
《適当…》
忙しなく渡された、
キャンディを見て悲しくなった。
Dovira【可哀想…。】
Naparnik【何も貰えない、我々がここに居ますよ。】
Ratio【あなた達いい加減にしなさい!】
Dovira【ひぃ…。ズミマゼン!】
Naparnik【ごめんなさい…。】
大地
「さてと、観に行くぞ」
カメラを持って、
校庭へ降りていった。
少佐が駆け寄ってきた。
大地
「おう相棒。真彩は?」
ラファルサ
「先に行っててと」
大地は、
席付近を見渡す。
大地
「トイレか?」
《Ratio、感知できるか?》
Ratio【体育館裏からDoviraのPing確認。】
大地
《何をやってるんだ?》
《Doviraへ通信》
Dovira【Message received. Yes, this is Dovira. What’s the matter?】
(通信を受理。はい、こちらDovira。どうしました?)
Ratio【What happened?】
(何があった?)
Dovira【Something happened, though...】
(何かありましたけど…)
Ratio【What are you doing?】
(何しているの?)
Dovira【He’s crouching down, poking at the leaves】
(屈んで、葉っぱをツンツンしてます)
Ratio【Pardon?】
(はい?)
大地
《はい?何だって?》
《葉っぱツンツンってなんだよ》
「相棒、ここを頼む。すぐ戻る」
旧校舎へ、
駆けて行く。
ラファルサ
「ああ…」
大地
《何があった》
Dovira【1人、こちらへ接近中。】
大地
《察知したか》
呼吸を整える。
静かに、
真彩の背後に立つ。
真彩はそっと、
立ち上がり振り向く。
真彩
「何…」
大地
「何じゃない…どうしたの?」
真彩
「いや…別に…」
大地
「…」
ゆっくり、
近づく。
真彩
「こ…来ないで!」
大地
《……っ…》
真彩は、
一瞬、大地を見た。
すぐに、
視線を落とした。
大地
「なぜ!?」
大地は、
静かに俯く。
真彩
「付いて来ないで…」
そう言い放ち、
裏門へ駆けて行った。
その場で、
俯いたまま立ち尽くす。
大地
《恐れていたことが…起きたな》
Ratio【後を追いますか?】
大地
《怖がらせるだけだ》
Ratio【もう隠しきれませんね。】
大地
《そうだな。どう説明すれば》
『お困りの様子で』
突然、
目の前に姿を現す。
大地
『お前、まだ居たのか』
カルディ
『だって、面白かったのですもの』
大地
『何が…』
カルディは、
クスクス笑う。
大地
『ちっ…』
カルディ
『代わりにあの子の様子を見てきます』
大地
『…余計なこと話すなよ』
カルディ
『任せて』
胸に手を添え、お辞儀した。
音もなく、
空気を震わせ消えた。
太鼓と曲が鳴り響く。
大地
「戻ろう」
校庭裏で
独り言が淋しく落ちた。
Naparnik【大地さん戻ってきましたよ。】
大地
「すまん、遅れた…」
デジカメを、
構えて直樹を探した。
ラファルサ
「位置わかります?」
大地
「ああ…」
《大体だが》
ラファルサ
「真彩さんは…」
大地
「ほっとけば戻ってくるでしょうよ…」
《嘘だがな…》
ラファルサ
「そうですか…」
大地
《こいつ……》
「硬いぞ」
ラファルサ
「え…」
大地
「俺等は相棒。大越家の家族だろ?」
少佐の、
視線がこちらへ向いた。
Naparnik【そんなに驚くことでした?】
大地
『これからも、頼むよ。なっ相棒』
少佐へ視線を合わせた。
彼は、目を見開いていた。
太鼓が、
鳴り響く。
曲が、
活気良く流れる。
ラファルサ
「…はい」
小さく、
遅れて、
返事をした。
大地
『俺…怖かったんだ』
ラファルサ
『隠していたことがですか?』
大地
『硬いって』
ラファルサ
『ですが…』
大地
『まあいいや。家族にこの仕事を隠していた』
『ずっと…何年も』
『いつかバレるのわかっておきながら』
ラファルサ
『…』
Naparnik【それは、お辛いですね。】
大地
『AIに慰められるのかよ』
『…』
『真彩に拒絶されるだろうとは思っていた』
ラファルサ
『Doviraを受け入れているなら大丈夫では…』
大地
『それで上手く行っていれば…こうはならない』
ラファルサ
『すみません。話が…』
Ratio【あの中佐?少佐は何も知りませんよ。】
Naparnik【相棒は鈍感なので、これが正常です。】
ラファルサ
『余計なお世話だ!』
大地
『…真彩に警戒された。近寄るなって言われた』
ラファルサ
『え…放っておいて大丈夫何ですか?』
大地
『カルディが……補佐が様子を見に行った』
ラファルサ
『カルディ…どこかで聞いた覚えがある』
大地
『俺の秘書のようなものだ』
ラファルサ
『…』
大地
『ここから動けない。直樹が見ているからな』
『お前も…ここにいてくれるか?相棒』
少佐は、
大地へ視線を向ける。
ラファルサ
『俺で良ければ』
太鼓が鳴り響く。
退場して行く児童。
それを眺める二人。
大地は、
デジカメの録画を停止して。
直樹へ、
手を振った。
Next time
――頼れるオネエさん




