wW-52 Looking back #1
…Ratio視点。
巻き戻します。
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Replay
Ratio【中佐…起きて…。お時間ですよ?】
《あ…ああ。おはよう、ラティオ》
寝返りをうつ。
居ない。
Dovira【パッ…パパッ…パァーーー!】
キッチンからだろう…
目覚ましが、鳴り響く。
Dovira【おはよう、マヤ!現在、午前5時30分。起床時間です。】
《運動会…》
布団を被る。
声が近づいてくる。
DoviraとNaparnikが同期してから。
異様に、
二人の声が。
――近い
ラファルサ
『ん?キッチンから音がする』
『おはよう。起きてたのか』
ラファルサ
『どうした』
ラファルサ
『…手伝うが』
真彩
『唐揚げ3つずつ弁当に入れてもらえる?』
ラファルサ
『了解』
Ratio【本部から通信。】
《早朝から何…でるのダルい》
Ratio【応答します。】
《いいって…もーお》
頭を抱える。
[チャーリー中佐。おはよう。]
大地
『おはようございます。大佐』
南戸
[キミなら、もうわかっているだろう?DoviraとNaparnikの件。]
大地
『はい』
南戸
[じゃあ、頼んだよ。]
大地
『待ってください。今日は休暇を…』
南戸
[いいじゃない。キミにしか頼めないのだよ。]
[じゃ…よろしくね。]
Ratio【通信終了。】
大地
《もうっ…最悪!!》
《システム起動》
UIが、
天井を覆う。
大地
《覗き見、好きじゃないんだよな…》
リビングを映す。
《ラティオ、カルディに通信》
Ratio【了解。カルディへ通信。】
カルディ
[えぇ?なぁに?朝っぱらから。…コホンッ…おはようございますっ!中佐殿。]
真彩
『これも詰めといて』
ラファルサ
『ああ…』
少佐が、
口元を動かした。
大地
《何を言った…》
真彩
『どうしたん?』
ラファルサ
『…いや。何でも無い』
真彩
『ふーん。…その弁当テーブルに並べといて』
ラファルサ
『了解』
少佐は、警戒している。
リビングで立ち止まる。
周囲を見渡す。
ラファルサ
『相棒』
Naparnik【なんでしょう。】
ラファルサ
「警戒態勢に入れ」
聞こえない声で囁く。
Naparnik【了解。】
大地
《これは聞こえた…》
《ラティオ、ドヴィラへDataチェック》
Ratio【了解。】
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Ratio【Dovira, come in.】
(Dovira応答せよ)
Dovira【What is it, Mum?】
(なあに、ママ)
Ratio【Start organising the data now.】
(いまから、データの整理しなさい)
Dovira【Yes, Mum.】
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Ratio【戻りました。】
大地
《おかえり》
《少し休みか…》
Ratio【こら!起きなさい!】
仕方なく、
起き上がる。
怠そうに、
リビングへ歩き出した。
大地
「おはよう…」
体を伸ばしながら、
大きなあくび。
大地
「弁当ありがとう」
ソファーから視線。
ラファルサ
「おはよう」
大地
「おう、早いな」
真彩
「おはよう」
微笑む。
大地
「おはよう」
微笑み返す。
ソファーへ腰掛けた。
大地
「ラファルサ、席取り一緒に来てくれるか?」
ラファルサ
「ああ」
大地
「7時に出る準備しておいて」
ラファルサ
「了解」
真彩
『手伝って欲しかったな…』
ラファルサ
『…』
背後から、
視線を感じた。
少佐が、振り返る。
ラファルサ
『……俺?』
Naparnik【良かったですね。】
大地
《…》
ラファルサ
『何が』
真彩
「大地、おにぎりと水筒」
大地
「ありがとう。中身なに?」
真彩
「鮭」
大地
「…ラファルサ分は?」
真彩
「先に食べたわよ」
『弁当のおかずをな』
ラファルサ
『美味かった』
真彩
『そりゃどうも』
ラファルサ
『Doviraどうした』
真彩
『知らん』
Naparnik【Doviraなら、寝てますよ。】
真彩
『あいつ…』
Naparnik【静かですね。落ち着きます。】
視線の先に、
大量のファイル。
視線だけで、
パネルを操作する。
秒針よりも早く。
入力され処理されていく。
大地
《息を着く暇もない…》
ため息。
Ratio【そろそろ、出発の時間です。】
大地
《行くか…》
ソファーから立ち上がる。
真彩
「荷物まとめておいたから、お願いね」
大地
「うん。ありがとう」
荷物を持つ。
大地
「ラファルサ」
隣に立っていた。
少佐が、
残りの荷物を持ってくれた。
大地
「ありがたい」
玄関へ向かう。
二人は、
靴を履く。
真彩
「いってらっしゃい。あとでね」
大地
「行ってくる」
ラファルサ
『一人で大丈夫か?』
真彩
『今更感…大丈夫。いってらっしゃい』
ラファルサ
「……行ってくる」
大地
「パパパワーに圧倒されるなよ」
ラファルサ
「パ…パパ?」
正門前。
大勢のパパさん達で密集していた。
パパさんB
「あ!大越さんの旦那!こっちこっち〜」
手招き。
大地
「おはようございます」
パパさんB
「おはようございます」
少佐の肩をポンポン叩いてる。
「いや〜相変わらず、ガタイいいね!」
ラファルサ
「おはようございます」
大地
「ん?」
《なぜ?》
大地は、
首を傾げる。
パパさんB
「もしかして、弟さんですか?」
大地を見る。
大地
《え…》
ラファルサ
「いや…違います」
大地
「ん??」
《おやおや?》
筒抜けに、
聞こえてくる。
Naparnik【盛大に勘違いされてますよ。】
ラファルサ
『わかっている…わかっているが…』
Naparnik【どうすればいいかわからないと。】
ラファルサ
『…ああ』
Naparnik【相変わらずですね。相棒。】
大地
「あの!大越家の旦那は俺です…」
パパさんB
「えっ…。どういったご関係で…」
視線は少佐。
大地は、
じろっと見た。
ラファルサ
『なぜ見る』
Naparnik【頑張ってくださいね。】
ラファルサ
『相棒!?俺を見捨てるのか』
Naparnik【私には手に負えません。】
ラファルサ
『ぅ…二人の視線が痛い…』
ラファルサ
「相棒です」
大地
《…!?》
パパさんB
「相棒…」
大地へ、
視線が行く。
大地は、
目を見開いて驚く。
大地
「俺が…ラファルサの相棒…」
頬が熱くなる。
Naparnik【彼、照れてますよ。】
『そう言われてもな…』
パパさんB
「大親友って感じかな?」
大地の肩を、
ポンポンと叩いた。
パパさんB
「男の友情、羨ましいねえ!」
大地
「照れくさいっす」
頭を掻く。
少佐へ、
視線を向ける。
そっと、重なった。
温かな朝の日差しが、
二人を包み込むようだった。
教職員
「皆さん朝早くから、ご苦労さまです。順番に整列してくださいね」
パパさんB
「おっ!そろそろですね!因みに隣同士どうです??」
大地
「構わないですよ。な、相棒」
ラファルサ
「ああ」
パパさんB
「鉄棒付近を狙ってて、そちらは?」
大地
「あの日陰、図書室前を狙っています」
太陽光を遮る、
自然のオアシスのようなスペースだった。
パパさんB
「おっ、そこいいね。なら私も!」
Naparnik【意気投合してよかったですね。】
ラファルサ
『そうだな』
教職員
「開門します」
大地
「行くぞ!相棒!」
ラファルサ
「ああ」
正門がゆっくり開く。
次の瞬間、
パパさん集団は我先にと駆け出す。
大地は、
遅れを取らない。
校庭の柵を避けつつ
オアシスへ駆け抜ける。
――ズサッ
無事確保。
ブルーシートを広げる。
額の、
汗を拭った。
大地
「おーい!相棒!!」
大きく腕を振った。
少佐が、
早足で駆けてくる。
徐々に、
声が聞こえてくる。
Naparnik【一般の父親は、これが毎年恒例で競争率が高いそうです。】
ラファルサ
『……兵士に向いていそうだな』
Naparnik【何バカなこと言ってるんです?】
ラファルサ
『冗談だ』
大地は、
少佐へ微笑む。
大地
「圧倒されてたな。置いてってすまん」
ラファルサ
「いや、大丈夫だ」
『あれ?』
大地
「菊池さんなら、あっち行った」
指を差した。
ラファルサ
『…いた…』
大地
「なんか悪いことしちゃったな…」
Naparnik【どうしたんです?】
ラファルサ
『いや、別に…』
大地
「ラファルサ座れよ。開会式まで、あと1時間だ」
リュックからデジカメを取り出す。
「さてと、デジカメの調整でもしてますかぁ」
少佐が隣りに座った。
ラファルサ
『何だあれは…』
Naparnik【デジタルカメラですよ。】
ラファルサ
『だから…』
大地が、
デジカメを、
少佐へ向ける。
ラファルサ
「何だ!」
一瞬で、
身構えた。
ピピッ
大地
「ハハッ、そんなに硬くなるなよ」
デジカメの
画面を少佐へ見せた。
Naparnik【よく撮れてますね。変顔が。】
デジカメの電源を、
節電の為に落とす。
おにぎりを取り出す。
ラップを剥がし、一口食べた。
大地
《ラティオ。ドヴィラの処理はどれくらい進んでる?》
UIが起動する。
Ratio【58%進行中。低速度です。】
大地
《そうか……やはり…》
「無理か…」
口元だけ動かした。
背中から、
シートの上に横たわる。
児童が、
登校する姿を見送る。
直樹
「あっ!パパ、ラファにぃ!」
起き上がる。
大地
「ママは?」
直樹
「プール前に居るよ」
小走り。
「じゃーね」
校舎へ入って行った。
二人は手を振る。
大地
「もう開会式まで少しだぁ」
体を伸ばしながら呟く。
活気のある、
休日勤務という、
面倒な、1日の始まりだった。
---LOG END
大地、
かっこよくないですか?
え…私だけ?
Next time
――馬鹿な男




