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主婦から“平和な”転職できますか?Season 1 〜主婦をスカウトしたはずが、俺がスカウトされていた〜  作者: しろ兎
Season 1 〜主婦をスカウトしたはずが、俺がスカウトされていた〜
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46/81

wW-45 The battle for seats

やっと!

運動会、当日ですよ〜!!

パッ…


『…』


パパッ…

パァーーー!


『…』


Dovira【おはよう、マヤ!現在、午前5時30分。起床時間です。】


ラファルサ

『ん?キッチンから音がする』

『おはよう。起きてたのか』


真彩

『…』


ラファルサ

『どうした』


真彩

「眠い…」


ふっ

と笑われた。


ラファルサ

『…手伝うが』


真彩

『唐揚げ3つずつ弁当に入れてもらえる?』


ラファルサ

『了解』


他人からは黙々と、

脳内では何気ないやり取り。

そんな後ろ姿を、

静かに見つめる一人が居た。


ラファルサは、振り向く。


そこには、

誰も居ない。


確かに、

誰かの気配があった。


あったはずだった。

だが、Naparnikが反応しなかった。


Doviraも感知しなかった。


ラファルサ

『…』


真彩

『これも詰めといて』


ラファルサ

『ああ…』


視線を感じた。

誰も居ない空間へ、

口元を動かし、呟く。


そんな姿を、

真彩は、

横から見ていた。


真彩

『どうしたん?』


ラファルサ

『…いや。何でも無い』


真彩

『ふーん。…その弁当テーブルに並べといて』


ラファルサ

『了解』


警戒しながら、リビングへ。

やはり、誰も居ない。


『相棒』


Naparnik【なんでしょう。】


『…』


休暇で気が緩みすぎたか。


気のせいで、

片付けていいのか、

不審に思った。


ラファルサ

「警戒態勢に入れ」

聞こえない声で囁く。


Naparnik【了解。】


---

---

One hour has passed...


大地

「おはよう…」


体を伸ばしながら、

大きなあくび。


大地

「弁当ありがとう」


ソファーから視線を送る。


ラファルサ

「おはよう」


大地

「おう、早いな」


真彩

「おはよう」


微笑む。


大地

「おはよう」


ソファーへ腰掛けた。


大地

「ラファルサ、席取り一緒に来てくれるか?」


ラファルサ

「ああ」


大地

「7時に出る準備しておいて」


ラファルサ

「了解」


真彩

『手伝って欲しかったな…』


ラファルサ

『…』


背後から、

視線を感じた。


振り返る。


真彩が、

見つめていた。


ラファルサ

『……俺?』


Naparnik【良かったですね。】


ラファルサ

『何が』


真彩

「大地、おにぎりと水筒」


大地

「ありがとう。中身なに?」


真彩

「鮭」


大地

「…ラファルサ分は?」


真彩

「先に食べたわよ」

『弁当のおかずをな』


ラファルサ

『美味かった』


真彩

『そりゃどうも』


ラファルサ

『Doviraどうした』


真彩

『知らん』


Naparnik【Doviraなら、寝てますよ。】


真彩

『あいつ…』


Naparnik【静かですね。落ち着きます。】


---

---

15 minutes later…


真彩

「いってらっしゃい。あとでね」


大地

「行ってくる」


ラファルサ

『一人で大丈夫か?』


真彩

『今更感…大丈夫。いってらっしゃい』


ラファルサ

「……行ってくる」


二人を見送る。

その後ろで、小さな影。


直樹

「おはよう…」


真彩

「おはよう。顔洗ってご飯食べちゃいな」


《さてと…ドヴィラ??》


Dovira【はい。】


《終わった?》


Dovira【まだです。】


《早く終わるといいわね》


Dovira【…】


《チャーリー中佐って、どんな人なんだろうね》


Dovira【情報でしか知りません。】


『…』


真彩

「直樹。本当にうちわに“こっち見て”って書いたの?」


直樹

「そう!」


真彩

「ラファにぃに見つけてもらうために?」


直樹

「それもあるけど…ママとパパも見つけやすいでしょ?」


真彩

「うん、助かる」


エプロンを脱ぐ。


真彩

「着替えたら出発しようか」


直樹

「OK!」


---

---

Passing the baton to Rafalsa.

Are you ready?


【Accepted】


正門前。

大勢のパパさん達で密集していた。


パパさんB

「あ!大越さんの旦那!こっちこっち〜」


手招きする。


大地

「おはようございます」


パパさんB

「おはようございます」

肩をポンポン叩いてくる。

「いや〜相変わらず、ガタイいいね!」


ラファルサ

「おはようございます」


大地

「ん?」


大地は、

首を傾げる。


パパさんB

「もしかして、弟さんですか?」


大地を見る。


ラファルサ

「いや…違います」


大地

「ん??」


Naparnik【盛大に勘違いされてますよ。】


《わかっている…わかっているが…》


Naparnik【どうすればいいかわからないと。】


《…ああ》


Naparnik【相変わらずですね。相棒。】


《…》


大地

「あの!大越家の旦那は俺です…」


パパさんB

「えっ…。どういったご関係で…」


二人とも、

こちらを見てくる。


《なぜ見る》


Naparnik【頑張ってくださいね。】


《相棒!?俺を見捨てるのか》


Naparnik【私には手に負えません。】


《ぅ…》

《二人の視線が痛い…》


ラファルサ

「相棒です」


パパさんB

「相棒…」


大地へ、

視線が行く。


大地は、

目を見開いて驚いている。


大地

「俺が…ラファルサの相棒…」


Naparnik【彼、照れてますよ。】


《そう言われてもな…》


パパさんB

「大親友って感じかな?」


大地の肩を、

ポンポンと叩いた。


パパさんB

「男の友情、羨ましいねえ!」


大地

「照れくさいっす」


大地と、

視線が合う。


温かな朝の日差しが、

二人を包み込むようだった。


教職員

「皆さん朝早くから、ご苦労さまです。順番に整列してくださいね」


パパさんB

「おっ!そろそろですね!因みに隣同士どうです??」


大地

「構わないですよ。な、相棒」


ラファルサ

「ああ」


パパさんB

「鉄棒付近を狙ってて、そちらは?」


大地

「あの日陰、図書室前を狙っています」


太陽光を遮る、

自然のオアシスのようなスペースだった。


パパさんB

「おっ、そこいいね。なら私も!」


Naparnik【意気投合してよかったですね。】


《そうだな》


教職員

「開門します」


大地

「行くぞ!相棒!」


ラファルサ

「ああ」


正門がゆっくり開く。


次の瞬間、

パパさん集団は我先にと駆け出す。


《戦場?》


Naparnik【運動会という名の戦場です。】


圧倒され出遅れる。


教職員

「校庭には入らないでくださーい!!」


《大地どこだ…》


Naparnik【もう、席確保したみたいですよ。】


声は聞こえないが、

こちらへ手を振っている。


《…早い》


早足で、

向かった。


Naparnik【一般の父親は、これが毎年恒例で競争率が高いそうです。】


《……兵士に向いていそうだな》


Naparnik【何バカなこと言ってるんです?】


《冗談だ》


大地

「圧倒されてたな。置いてってすまん」


ラファルサ

「いや、大丈夫だ」


《あれ?》


大地

「菊池さんなら、あっち行った」


《…いた…》


ジャングルジム付近に、菊池さんが座っている。


大地

「なんか悪いことしちゃったな…」


《…》


Naparnik【どうしたんです?】


《いや、別に…》


大地

「ラファルサ座れよ。開会式まで、あと1時間だ」

リュックから何やら機器を取り出す。

「さてと、デジカメの調整でもしてますかぁ」


隣りに座る。

地面が硬い。


《何だあれは…》


Naparnik【デジタルカメラですよ。】


《だから…》


大地が、

デジカメを、

こちらへ構える。


ラファルサ

「何だ!」


身構えた。


ピピッ


大地

「ハハッ、そんなに硬くなるなよ」


デジカメの画面を見せてきた。


Naparnik【よく撮れてますね。変顔が。】


《…》


自分の姿を、

画面越しに目にして、

思わず、

顔が熱くなった。


---

---

After a while…


直樹

「あっ!パパ、ラファにぃ!」


大地

「ママは?」


直樹

「プール前に居るよ」

小走り。 

「じゃーね」

校舎へ入って行った。


二人は手を振る。


大地

「もう開会式まで少しだぁ」

体を伸ばしながら呟く。


活気のある、

1日の始まりだった。

席取り合戦。

これも、戦場である。

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