wW-32 Storage space
いきなり、
かしこまられたら。
そりゃ、
笑うだろう。
水を止める。
視線を外す。
冷蔵庫を開ける。
麦茶を、
取り出す。
コップへ注ぐ。
真彩
「お待たせしました。麦茶で御座います」
フローラルな人へ。
そっと、
差し出した。
ふっ…と
フローラルな人の口元が緩んだ。
真彩
《え…笑った》
コップを、
受け取ってくれた。
フローラルな人が
一気に、
麦茶を、
飲み干した。
真彩
《いい飲みっぷり…》
フローラルな人
「ごちそうさま」
コップが、
返ってきた。
静かに、
受け取る。
真彩
「ラファルサ少佐…」
ラファルサ
「ん?」
真彩
「失礼な態度、取り続けてすみませんでした」
きょとんとした表情。
無言。
見つめ合う。
ラファルサ
「変なやつ」
フローラルと、
かけ離れた、
台詞を置いて去った。
真彩
《なっ……はあ?!》
《ドヴィラ!聞いた?今の》
【聞いちゃいました。】
真彩
《ひどくね?》
【でも、変でしたよ。マヤ。】
真彩
《はあ?!》
静かに、
リビングを覗き込む。
ソファーで、
テレビを見てる。
真彩
《普通のおっさんだな》
【それ、失礼かと…】
エプロンを外す。
ゆっくり、
歩み寄る。
ソファーに、
座った。
テレビを見る。
軽く、
視線を感じた。
真彩
《…》
《この有名人老けたな…》
「うわ…老けたな」
背後から声。
真彩
《大地か…》
大地
「知ってんの?」
真隣り、
頷く。
真彩
《え……》
真隣り、
微笑む。
真彩
《え……》
大地
「真彩さっきの…わかってる?」
真彩
《…》
「はい」
大地
「ん。風呂ってくる」
真彩
「わかった」
大地
「後ほど」
会釈して、
去って行った。
視線を、
テレビへ戻す。
沈黙。
唐突な、
癖のあるCM。
同時に笑った。
真彩
「今のズルいって!」
ラファルサ
「それな!」
沈黙。
顔が熱い。
【今、私。処理が追いつかなくてショートしそう。】
真彩
《どうした。大丈夫か?》
【真彩と少佐。おアツすぎです。】
真彩
「ドヴィラ…いい加減にしろ…」
ラファルサ
「ドヴィラがどうかしたか」
【なっ…。何してるんです?!】
真彩
「ドヴィラが混ざりたいみたいよ」
ラファルサ
「ほう。残念だったな」
【マヤ!私にわざわざ。そんな!…恥ずかしい。】
真彩
「残念だったな」
ラファルサ
「他に何か言ってるか?」
真彩
「照れまくってます」
真彩
《懲りたか?》
【いえ。寧ろ栄養です!】
ラファルサ
「ドヴィラ」
【はい!何でしょうか少佐!】
真彩
「はい!何でしょうか少佐!」
ラファルサ
「こいつのこと頼んだぞ」
【もちろん!任せてください!】
真彩
「もちろん!任せてください!」
微笑みながら、
寄ってくる。
そっと、
首の後ろを撫でられた。
耳が熱くなる。
【きゃああああ~!!】
真彩
《うるさい!うるさい!》
《いい加減にしろ》
「急に何です?」
また、
きょとんとしている。
ラファルサ
「知らないのか?チップが入ってる場所」
真彩
《…》
「教えてくれなかったの誰ですか?」
視線を、
逸らされた。
真彩
「首の後ろにドヴィラが…」
撫でられた場所を触れた。
【くすぐったいですっ!】
真彩
「え…くすぐったい??!」
ラファルサ
「ほう。感覚が感じるのか?」
真彩
「近いっ。触んな」
離れようとする。
真彩
「感覚あるわけ無いだろ。勝手に言ってるだけだ」
ラファルサ
「行くなよ」
手首を掴まれる。
真彩
「は?!」
【マヤーーーー!!】
真彩
《うるさい!》
「何やってんの?」
背後から声。
離れた。
真彩
「晩酌の準備します」
キッチンへ向かう。
ふと、
振り返る。
男同士、
見つめ合っていた。
あーあ。
やっちまったな。




