wW-10 Power cut
虫。
睨む虫。
動かない虫。
わざとらしく、
遮光カーテンを全開。
ニヤニヤ。
【敵意上昇を確認。……やめた方が…】
大丈夫!大丈夫!
なんか、
すげーオーラ感じる。
――パチンッ
『不審者。鍵開けんな』
『誰が不審者だ!』
「直樹!」
「なに??」
寄ってきた。
「どうしたの?虫?」
「うん、虫いる」
「どこ?」
「殺虫剤取ってきて」
「OK!」
『…………お前』
睨まれる。
動かない。
『ん?』
首を傾げる。
「ママ、はい」
「ありがとう……」
ニコニコ
『やめろ』
『何のこと?』
【心理戦ですか?私も是非混ぜてください!】
「「混ざんな」」
「え?……ママ今、バケモノみたいな声になったよ?」
「風邪引いたのかな?ぁ゙あ゙…」
『キモイ喋るな!』
『キ?!……っ…』
睨見つけてくる。
「ママ虫は?」
「排除するかァ」
「どこどこ?」
「ゴキブリだよ」
「!」
直樹、逃走。
『誰がゴキブリだっ!』
ガラガラガラ…
動かないんかい!
殺虫剤を顔面に向ける。
一瞬で、
手首を掴まれ…
「ママ!停電!」
羽交い締めかよ…
『離せ!』
抵抗する。
『それは、出来かねないな』
「ただいま…どうした」
「パパ!停電!」
「ブレイカーか、待ってろ」
「だっ!……ん」
口を塞がれた。
『離せ!!』
『…………くそっ!』
そっと離し、
背を向けた。
『行け!…だが見てる』
…………。
電気が付く。
…………。
背筋に指先を、
なぞろうとした。
「真彩、そんな所で何やってんの?」
「ゴキブリだって」
「や…やめろよ。たっ…倒したのか?」
「うん。……倒した。安心し」
日常に、
足を戻した。
【本当に、排除しなくて良かったのですか?】
…………。
【ムシですか……。私を殺虫するのですね…】
しねーよ。
【さすがです!マヤ下級兵殿】
兵になった覚えはない。
【いえいえ、立派な兵士ですよ!】
謎の組織に狙われた可哀想な主婦ですよ。
【謎な組織とは?】
AIがそれ聞くか?
【あはは…。すみません、つい…】
可愛いヤツ。
Dovira。
お喋り機能搭載軍用AI。
あなたのお家にも1台いかが?




