13.「狩り」
リスプと共にローサーたちが山を降りる。山はリスプとエンベリラが争った跡で酷い有り様になっているが、まぁ、自然竜たちががなんとかしてくれるだろう。
自然竜とは、簡単に言えば自然的な能力を持つドラゴン種のことだ。
炎や水、大地や草木などを操ることができるという。その力を使い、魔物が荒らした地を元の姿へと戻すといわれている。
山を降りた頃には、もう日が沈みかけていた。エンベリラたちのお腹がキューと空腹を訴えるように鳴く。
「そろそろ夕飯にしようか。獲物を狩るぞ」
そう言ってローサーが森の中に入っていく。その後をついていくリスプたち。
しばらく進むと、視界に入る距離に、大きなイノシシのような牙と鼻、オオカミのような爪を持った生き物がいた。
「ボアウルフっていう魔物だ。気性が荒く、ちょっと厄介なやつだが、新鮮なやつは刺身でもいける」
ローサーがペロリと舌舐めずりをする。その顔は狩人のそれだった。
「リスプとドラパはやつの気を引いてくれ。エンベリラと僕で止めを刺す」
「「了解」」
ローサーの合図を受け、ドラパがボアウルフの背後に、リスプが正面に位置する。ボアウルフがリスプとドラパに威嚇するように鼻息を荒くする。
「てやぁっ!」
リスプが地面を穿ち、音の衝撃波でボアウルフを攻撃する。ボアウルフが避けるであろう位置にドラパが移動し、手を振り回してエンベリラたちのいる位置に誘導する。
「今だ!」
バッとエンベリラとローサーが飛び出し、エンベリラがボアウルフの手足を、ローサーが頭を切り落とす。
「ブォフッ!」
ボアウルフは小さく悲鳴を上げて痙攣し、やがて動かなくなった。
「やったな!これで晩飯が食える!」
エンベリラがぴょんぴょんと飛びはね、喜びを体で表す。そのエンベリラを見て、ドラパが真似をするように跳ねる。




