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EP03. そのスクロールはどうやって手に入れるのですか? - #5 それをよこせ

#5 それをよこせ


ジヒョは女神を見た瞬間、腹の底から熱がこみ上げた。

だが、こらえた。

今は争っている場合ではなかった。


ジヒョはすぐに尋ねた。


「《インスクリプション》スキルってあるんだよな?」


女神は目を瞬いた。


「あるよ」


「それ、グランドマスターならすべてのスクロールを作れるんだよな?」


「そうだね」


答えは早かった。


ジヒョは心の中で拳を握った。

道は合っていた。

少なくとも、完全に見当外れではなかった。


女神は答えてから、少し目を細めた。


「ちょっと待って」


「なんで」


「君、どうして私に敬語を使わないの?」


ジヒョは女神をじっと見た。


女神は見た目だけなら、自分より幼く見えた。

もちろん本当の年齢を考えれば話にならないのだろうが、外見だけならそうだった。


「どう見ても俺より若く見えるのに、どうやって敬語を使えっていうんだ?」


女神の表情が固まった。


「え?」


「それに、俺たちの初対面を考えると、俺は君を敬いたいとは思わない」


「君、今それを女神に言ってるの?」


「そうだ」


「君、私が誰かわかってないの?」


「わかってる」


ジヒョは指を一本ずつ折った。


「俺をあの世から連れていって」


一本。


「待機室に放り込んで」


二本。


「勇者の体を逃して」


三本。


「ゴールド一枚だけ渡してここに送って」


四本。


「来た瞬間に強盗に殺される羽目にした女神」


女神はしばらく口を閉じた。

まったく反論できない顔だった。


ジヒョは今が機会だと思った。


問い詰めるのはここまで。

これ以上長引けば、また別の方向に飛びかねない。


ジヒョはすぐに本題へ戻った。


「とにかく、約束したよな?」


「何を?」


「スキルを一つ、グランドマスターにしてくれるって」


女神は少し不満そうな顔で腕を組んだ。


「言ったね」


「じゃあ、《インスクリプション》スキルにしてくれ」


女神は少し不思議そうにした。


「《インスクリプション》スキル?」


「そうだ」


「《ソード》スキルとか《マジック》スキルじゃなくて?」


「インスクリプション」


「《ソード》スキルをもらえば、少なくとも死ににくくなるんじゃない?」


「今すぐ俺に必要なのは《ソード》スキルじゃなくて、〈リザレクション〉スクロールだ」


「それは8サークルだよ」


「だから?」


「作るには条件が多い」


「その話はあとで聞く」


「あとで後悔するかもしれないよ」


「もう後悔することは山ほどある」


「君が言うことじゃないでしょ」


女神は視線をそらした。


ジヒョが目を細めた。


「今、逃げただろ」


「逃げてない」


「逃げた」


「逃げてないってば」


「じゃあ、俺の目を見て言え」


女神はジヒョの目を見た。


ほんの一拍遅かった。


ジヒョはうなずいた。


「逃げたな」


女神は唇を尖らせた。


「それで、本当に《インスクリプション》スキルにするの?」


「そうだ」


「《ソード》スキルじゃなくて?」


「違う」


「《マジック》スキルでもなくて?」


「違うって」


「インスクリプション?」


「ああ、インスクリプション」


「あとで変えてくれって言っても無理だからね」


「変えない」


「本当に?」


「本当に」


女神はジヒョをじっと見た。

ジヒョも退かずに女神を見た。


部屋の中が静かになった。

扉の下から、下の階の音だけがかすかに漏れていた。


今、この部屋の中にいるのはジヒョと女神だけだった。


女神は結局、ため息をついた。


「わかった」


ジヒョの指が、ごく小さくぴくりと動いた。


「やってくれるんだな?」


「約束は約束だから」


女神が手を掲げた。

小さな光が指先に集まった。


ジヒョは息を止めた。


目の前には女神がいた。

そしてその指先には光があった。


ジヒョは帳簿を思い出した。


〈リザレクション〉スクロール。

スクライブ。

《インスクリプション》スキル。


すべてが一本の線でつながった。


女神の指先から光が落ちた。

その光がジヒョの体の上へ降りた。


ジヒョは息を止めた。


体の内側へ、見知らぬ感覚が染み込んできた。


文字。

文様。

インク。

スクロールの紙目。


習ったことのないものが、頭の中に居場所を作っていく。

誰かに本を一冊まるごと押し込まれたようだった。


けれど、不思議と馴染まないわけでもなかった。


最初から知っていたように。

最初から手に馴染んでいたように。


ジヒョはゆっくり瞬きをした。


そして、目の前に文字が浮かび上がった。


インスクリプションスキルが100.0になりました。]

[グランドマスター・スクライブ(Grandmaster Scribe)の称号を獲得しました。]


ジヒョはその文字をぼんやり眺めた。


女神が言った。


「できたよ」


ジヒョはすぐに顔を上げた。


「できたのか?」


「うん」


「本当に?」


「うん。これで君はグランドマスター・スクライブだよ」


ジヒョは自分の手を見下ろした。


手はそのままだった。

外見は何も変わっていなかった。


だが、頭の中は違った。


紙に線を引く方法。

インクを含ませる方法。

魔法文様が崩れないよう固定する方法。

スクロールが魔力を受け入れる瞬間。


そのすべてが感覚として入っていた。


ジヒョは小さく息を吐いた。


「じゃあ」


女神がジヒョを見た。


「うん?」


ジヒョはためらわなかった。


「〈リザレクション〉スクロールはどうやって作る?」


女神は目を瞬いた。


「どうして急にそれを聞くの?」


ジヒョは少しの間、女神を見た。


「俺、死んだんだ」


女神の表情が止まった。


「ここに来た瞬間、強盗に殺されたんだよ」


「でも、今は生きてるじゃない」


「食堂の店主が〈リザレクション〉スクロールを使ったんだ」


女神は言葉に詰まったようにジヒョを見つめた。


「食堂の店主がそんなものを持っていたの?」


「そうらしい」


「それで、君に使ったの?」


「うん」


「どうして?」


「俺が助けてくれって言ったから」


女神は口を閉じた。


ジヒョはすぐに言葉を続けた。


「それで今、借金ができた」


「借金?」


「ああ。とんでもなく大きな借金だ」


女神はゆっくりとうなずいた。


「そうなんだ」


返事はしたが、目はもうジヒョを見ていなかった。

女神は指先に残った光を払うようにして、そっと体を向けた。


まるで用事は終わったから、もう帰りたいという顔だった。


ジヒョはその顔を見た瞬間、目を細めた。


「君、俺の話を一つも聞いてなかっただろ?」


女神の瞳がわずかに揺れた。


ジヒョはそれを見逃さなかった。


もっと問い詰めたかった。

だが、ひとまずこらえた。


今大事なのは責任追及ではない。


借金だった。

その借金を返す方法が先だった。


「それで、それを作るつもり?」


女神が尋ねた。


「そうだ」


「君、本当にすぐお金のことを考えるんだね」


「死んで生き返ると、人間の考えは単純になる」


「それは……特殊な状況だから」


「だから説明しろ」


女神は少しの間ジヒョを見て、結局ため息をついた。


「わかった。説明するよ」


女神が手を広げた。


光が手のひらの上に集まった。

しばらくして、その光が薄い紙の形に変わった。


普通の紙ではなかった。

表面がほのかに輝き、端にはとても小さな文様が刻まれていた。


「一つ目」


女神が言った。


「8サークル・ブランク・スクロール」


ジヒョはその紙を見た。


「ブランク・スクロール?」


「うん。8サークル魔法を込められるブランク・スクロール」


「普通の紙じゃ駄目なのか?」


女神はジヒョを呆れたように見た。


「死んだ人を生き返らせる魔法を、そこらの紙に適当に書くのはちょっと違うでしょ?」


「まあ、それは違うな。低い等級のブランク・スクロールは?」


「耐えられない。破れたり、燃えたり、魔力が漏れたり、ただ失敗したりする」


「いい結果が一つもないな」


「8サークルは遊びじゃないから」


ジヒョはうなずいた。


一つ目。

8サークル・ブランク・スクロール。


もうこの時点で手に入りにくそうだった。


「次」


女神の指先から小さな薬草が浮かび上がった。

花、葉、草、根、アザミが宙にきれいに並んだ。


「二つ目は、薬草を溶かして作った触媒」


女神は一つずつ指差した。


「8等級の白鐘花。8等級の霧糸草。8等級の月露葉。8等級のマンドレイクの根。8等級の王冠アザミ」


ジヒョは薬草を見てから、目を細めた。


「ちょっと待て。死んだ人を生き返らせるのにアザミが入るのか?」


「王冠アザミ」


「名前に王冠がついたら急に神聖になるのか?」


「薬草の名前だよ」


「マンドレイクの根っていうのはまた何だよ」


「生命力の強い薬草」


「この世界の魔法は、思ったより薬草の匂いがするな」


「名前に騙されちゃ駄目。ただの草じゃなくて、マナ反応を持つ触媒だよ」


女神は宙に浮かぶ薬草を順に指差した。


「白鐘花は神聖。霧糸草は魂。月露葉は水。マンドレイクの根は自然。王冠アザミは忠誠」


「それが何なんだ?」


「うーん……今は知らなくてもいい」


ジヒョは指で薬草を一つずつ指した。


「人を一人生き返らせるのに、けっこう草が入るんだな」


「死んだ人を戻すことだから」


その言葉は軽くなかった。


ジヒョは宙に浮かぶ薬草をもう一度見た。

ついさっきまではただ変わった植物に見えたが、今は違って見えた。


「それに、ただの触媒じゃ駄目」


ジヒョの目が細くなった。


「また何があるんだ?」


「等級」


「等級?」


「8サークルスクロールには、8等級の触媒が基本だよ。低い等級を入れることはできるけど、成功率が大きく落ちる」


「どれくらい?」


女神は少し考えた。


「失敗したと思ったほうが早いくらい」


ジヒョは口を閉じた。


「じゃあ、8等級の触媒はどこで手に入れるんだ?」


「普通の採集では出ない」


「まったく?」


「うん。最高級の錬金術師が精製するか、高い等級の宝箱から出るものを手に入れるしかない」


「どっちも金の匂いがするな」


「正確」


「俺の運とは合わないな」


女神は答えなかった。


ジヒョはその沈黙がさらに気に入らなかった。


「触媒の等級はどうやって確認する?」


「鑑定所」


「鑑定所?」


「村や町ごとにあるよ。アイテムを載せれば、本物かどうか、等級がどれくらいか、どの程度の価値があるか確認できる」


「それも金を取るんだろ?」


「当然でしょ」


ジヒョは短く息を吐いた。


「この世界は息をするだけでも帳簿に書かれそうだな」


「次」


女神は指で宙に文字を描いた。

光でできた文字が浮かび上がった。


「アニマ・コルプス・ヴィタ(Anima Corpus Vita)」


「三つ目。呪文語」


ジヒョはゆっくり読んだ。


「アニマ・コルプス・ヴィタ(Anima Corpus Vita)」


「〈リザレクション〉魔法の呪文語だよ」


「食堂の店主もそれを言っていた。どういう意味だ?」


「魂、肉体、生命」


ジヒョは宙の文字を見つめた。


ロレンツォがジヒョを助けた時に唱えた呪文だった。

短い言葉だった。

だが軽くはなかった。


ジヒョは低くつぶやいた。


「アニマ・コルプス・ヴィタ(Anima Corpus Vita)」


女神はうなずいた。


「四つ目はスペルブック」


「魔法書?」


「うん。〈リザレクション〉魔法が記録されたスペルブックが必要」


「呪文語だけ知っていれば駄目なのか?」


「呪文語は取っ手で、スペルブックは扉の構造」


「取っ手だけ握っても扉は開かない?」


「うん。そんな感じ」


ジヒョは短く息を吐いた。


必要なものがどんどん増えていく。


「次。まだあるのか?」


「五つ目は《マジック》スキル」


ジヒョの顔が止まった。


「《マジック》スキル?」


「うん。スクロールを描くのは《インスクリプション》スキルだけど、その中に魔法を押し込むのは《マジック》スキルだよ」


「俺、それ低いよな?」


「低いどころじゃない」


「どれくらい?」


「0」


「いいな」


「いいの?」


「いや。言葉がそう出ただけだ」


女神は最後に小さな光を浮かべた。


「六つ目はマナ」


ジヒョはもう驚きもしなかった。


「まだあるのか? 当然だろうけど、それも足りないんだろ?」


「うん。マナも足りないし、INTも足りない」


「いいな。実に公平に全部足りない」


「それに《インテリジェンス》スキルも足りない」


ジヒョは女神を見た。


「それはまた何で必要なんだ?」


「ある程度、知能が鍛えられていないと、スクロールが認めてくれない」


「認める?」


「うん。認める」


「スクロールが人を選ぶのか?」


「高いサークルのスクロールはそうだよ。インテリジェンスが低い人が無理に開くと、スクロールが耐えられずに燃える」


「それは何なんだ?」


女神は少し考えた。


「スクロール側からすると、こういう感じかな。あんなやつに発動されるくらいなら、死んだほうがましだ」


ジヒョはしばらく女神を見た。


「誰がそんな例え方をするんだよ」


「いや、まあ。そういうこと」


「自分でうまく汲み取れってことだな?」


「うん」


今回は驚きもしなかった。


ジヒョは指を一本ずつ折った。


「整理しよう」


「うん」


「俺は今、グランドマスター・スクライブ(Grandmaster Scribe)だ」


「うん」


「でも8サークル・ブランク・スクロールがない」


「うん」


「8等級の白鐘花、8等級の霧糸草、8等級の月露葉、8等級のマンドレイクの根、8等級の王冠アザミもない」


「うん」


「正確に言うと、それらを混ぜた8等級の復活触媒もない」


「うん」


「〈リザレクション〉魔法が記録されたスペルブックもない」


「うん」


「《マジック》スキルは0で」


「うん」


「マナも足りない」


「うん」


「うわ、見た目と違って記憶力はいいんだな? 足りないものはまだあるよ」


「君が作ったんだろ。元はこんな見た目じゃなかった。それで、他に何が必要なんだ?」


「INTも足りないし、《インテリジェンス》スキルも足りない」


ジヒョは女神を見た。


「わかった。じゃあ今、俺がすぐにできることは?」


女神は少し考えた。


「文字をものすごく上手に書ける」


ジヒョは笑わなかった。

女神もすぐに視線をそらした。


「冗談だよ」


「面白くない」


「そうだと思った」


ジヒョは深く息を吐いた。


それでも完全に無駄ではなかった。


少し前までは何も知らなかった。

今は何が必要なのかを知った。


その差は大きかった。


もちろん、必要なものがそろいもそろって人の神経を逆なでするという問題はあったが。


ジヒョは宙に浮かぶブランク・スクロールを見た。


「作るところを見せてくれ」


女神は目を瞬いた。


「ここで?」


「うん」


「作ることはできるけど、君は持っていけないよ」


「どうして?」


「私が作ったものを人間の世界にそのまま流すことはできないから」


「流せないってどういう意味だ」


「人間が触ったり使ったりできるようにするには、正式な経路を通さないといけない」


「正式な経路?」


「宝箱とか、ダンジョン報酬みたいな形」


ジヒョは女神をじっと見た。


「とりあえず作ってみろ」


「君、今何か変なことを考えてるでしょ?」


「いや」


「考えたね」


「考えてない」


「今、君が逃げたでしょ」


「君から学んだ」


女神は呆れたようにジヒョを見た。


それでも手を広げた。


8サークル・ブランク・スクロールが宙に浮かび上がった。

その横に、小さなガラス瓶が一つ現れた。


瓶の中には黒赤い液体が入っていた。


光を受けると、液体の内側で白い光、灰色の光、透明な光、金色の光、赤い筋がごくかすかに揺れた。


女神が言った。


「じゃあ、始めるよ」


ジヒョは瓶を見てから、目を細めた。


「待て。薬草で触媒が必要だって言ったよな」


「うん」


「じゃあ薬草は?」


「もう溶かしたよ」


「もう?」


「薬草をそのまま溶かしてすぐ使うわけじゃないよ。時間がかかるから。だから普通は、魔法ごとに使う触媒をあらかじめ作っておくの」


女神はガラス瓶を軽く揺らした。


「これが〈リザレクション〉用の復活触媒だよ」


ジヒョは瓶を見た。


「じゃあ、もう作ってあったってことか?」


「うん。私は全部作って持っているから」


ジヒョは少しの間、女神を見た。


「ずいぶん楽に生きている女神だな」


「君もあとでやってみればわかるよ」


「何を」


「触媒を作るのが、どれだけ面倒なことか」


ジヒョは答えなかった。


答えたら、なぜか負けた気がした。


女神は別の手で黒いインク瓶を浮かべた。


「これを魔法インクに混ぜる」


女神が復活触媒を一滴だけ落とした。


小さな雫が黒いインクの上に触れた。


その瞬間、インクが金色に広がった。

瓶の中が一瞬だけ黄金色に染まり、すぐにまた黒へ沈んだ。


だが、さっきとは違っていた。


黒いインクの内側で、とても小さな光が星屑のようにきらめいていた。


女神は魔法の筆をインク瓶に近づけた。


すると瓶の中のインクがすべて筆先へ吸い上げられた。

一滴も残さず、黒い光が筆の毛の間へ染み込んだ。


「よし」


女神はブランク・スクロールの上に筆先を置いた。

そしてゆっくり文字を書き始めた。


Anima Corpus Vita


ジヒョはその文字を見てから尋ねた。


「一滴だけでいいのか?」


「うん」


「間違えて二滴入れたら?」


女神は少しの間ジヒョを見た。


「もったいない」


「もったいない?」


「うん。もったいない」


「他の変化はないのか?」


「ないよ。お金を節約したいなら、必ず一滴だけ入れて」


ジヒョはインクを含んだ筆を見た。


復活触媒一滴。


死んだ人を生き返らせる魔法にも節約はあった。


女神は筆先をまたスクロールの上に置いた。


「じゃあ、本当に始めるよ」


そのあと、女神は低く呪文を唱えた。


「アニマ・コルプス・ヴィタ(Anima Corpus Vita)」


魂、肉体、生命。


その瞬間、文字に金色の光が広がった。

黒いインクで書かれた文字が、内側から光を含んだ。


最初はかすかだった。

だがすぐに、文字一つ一つが熱せられた金属のように明るくなった。


ジヒョは息を止めてそれを見た。


金色を含んだ文字が、ゆっくり動き始めた。


紙の上におとなしく置かれていた文字が、互いに向かって滑り、曲がり、重なっていく。


筆画は線になった。

線は円を描き、円はまた枝のように分かれた。


文字はもう文字ではなかった。

スクロールの上を這う金色の軌跡だった。


その軌跡が互いに噛み合い、一つの文様を作った。


絵のようでもあり、地図のようでもあった。

いや、死から戻る道を描いた扉のように見えた。


ジヒョは目を離せなかった。


魔法が紙に閉じ込められていく。

いや、眠っていく。


いつか誰かが広げれば目覚められるように。


しばらくして、金色の光がゆっくり消えた。

明るく燃えていた線が一つ、また一つと冷えていった。


そして最後の光まで消えた時、

スクロールの上には、黒いインクで描かれた復活の文様だけが静かに残っていた。


完成したスクロールは宙でゆっくりと巻かれた。

最後に細い封印紐が巻かれ、小さな印が押された。


〈リザレクション〉スクロールが完成した。


ジヒョの目が光った。


そしてすぐに手を伸ばした。


「それをよこせ」



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