第125話 青赤の狼『後編』
「ミユ!テミス!今すぐこれを羽織れ!」
俺は見覚えのある雪が降ってきた瞬間から半ば確信に近い直感に従って、2人に厚手のコートを投げ渡す。
雪が降り始めてからすぐにコートを渡したためギリギリで2人の肌に種火雪が触れることは無かったが、ジュッと言う音が絶え間なく2人のコートを焦がしていく。
「っ!熱が・・・!ダメです、カイトさん!コートだけじゃすぐに焼けてしまいます!すみません、使います!」
そしてそのまま焼石に水とばかりに2人に渡したコートは余すところがないほど焦げ付き、ついにはその皮さえも破ってしまった。
「クソ!ここまで来たら流石に俺も手を出すぞ!とりあえず俺も出来るだけ雪を操作してみる!!みんなは出来るだけ雪の当たらないところに・・・、そうだ!狼の下へ行け!そこまで走れ!!」
俺は3人にそう伝える。流石にこれ以上テミスの力を使わずしてここを抜けるのは難しいかもしれないが、大まかであれば俺の“魄雷魔法”でも雪の流れを操作できるはず。
ここまでの階層では、何故か自然の風が吹いていたため、俺の魔法では細かく操作が出来なかった。それにこの魔法はどうやら風より雷に比重を重く置いているのか風の操作はあまり複雑には出来ないようだった。
おそらくそれも修練次第なのだろうが、あの時は完全に風を制御下に置き雪を防御するなら、テミスの眼の方が確実だし、何より適用範囲の柔軟さと言う点でもそれは一目瞭然だった。
しかし現在、このエリアには自然の風が吹いていない。それがこのダンジョンの仕様なのかは分からないが、それなら多少なりとも雪の降る流れを変えられるはずだ。
「くっ!さすがに範囲が広すぎるか!」
この部屋は高さ5メートル、全長10メートルの狼が悠々と動けるほどの大きさがある。そんな部屋を埋めるように降ってくる雪を3人の攻撃に影響が出ない場所へ動かす労力は桁違いだった。
そんな雪の処理だけで精一杯で一歩も動けない俺と違って、目の前の狼は水を得た魚のように動きが俊敏になった。そのせいか3人の連携攻撃がうまく決まらず、完全にあしらわれている。
また、俺自身雪をある程度指向性を持って動かしてはいるが、狼が動き回るせいで発生する風により雪が不規則に流される。そのため所々でテミスの眼の力を借りねばならず、テミスもまたあまり動けずにいた。
「ゥゥゥゥゥッ!!」
「まずいっ!何かしてやがる!気を付けろ!全員回避態勢を取れっ!」
狼が動き回ることによって発生した旋風にさらわれ暴れる雪のせいでテミスがその処理に追われたことで、3人の連携に一瞬穴ができる。
それまではかろうじて3人が狼を囲うように位置し、攻撃を与えていたのだが、テミスの動きが止まったことで狼に付け入る隙を与えてしまった。
狼は低い唸り声を上げながら頭を体の内側へと引っ込めるような動きを取る。その動きに俺の“予知”が働いたため、ミユとサニアとテミスに咄嗟に声をかける。
俺の声にすぐさま反応できたミユとサニアは動きを止めた狼の下に潜り込めそうであったが、テミスは初動に少し遅れた。また、俺自身も狼からだいぶ距離が離れているため潜り込むことなど到底不可能。
「くそ!」
俺は今まで空を抱えるように保っていた魔法を解き、テミスの元へと駆ける。テミスもすぐに自身とミユに掛けていた風の鎧を解いて逃げの姿勢を取るが、行動は狼の方が一歩先だった。
「アオッ!!!」
今まで引っ込めていた顔を突き出すとともに可愛げのある咆哮をあげる。そんな声に反して現れたのは大きく開いた口から放たれる青と赤で構成された二色のブレスだった。
狼はソレを薙ぎ払うように端から埋めていく。当然、俺とテミスがいる方向とは逆から、というような甘いことはしてくれず、雪を避けるためそれなりに端にいた俺たちの目前にはそのブレスがもう迫ってきていた。
「くっ!」
俺はテミスを抱えて咄嗟にその場から離れる。魔法で迎え撃とうかとも考えたが、これだけ溜めたブレス相手だと、即席の盾など紙屑同然だろう。
俺はその考えをすぐに捨て去り、テミスを抱えて走る。ジャンプして躱そうにもその極太のブレスは人2人分ほどの直径があり、とてもではないが人一人を抱えて飛ぶには危険すぎる。
「づっ?!」
だが、惜しくもここは先の見えない地平線ではなく、限りある部屋の中。今の俺のステータスで全力で走れば100メートルはありそうなこの部屋の端から端でも、ものの数秒で走りきれてしまう。
さらに先程まで空に貯めていたからか、俺が手放した種火雪がその密度を増して降り注いで来ており、避ける隙間もなくテミスの肌へと落ちてしまう。
「すまない、出来る限り耐えてくれ!」
「は・・いっ!」
さすがのテミスも密度と質量を増した種火雪には抵抗するのがやっとのようで、それでも2、3粒の雪がテミスの風の鎧を突破してテミスを傷つける。
俺はもう視界の半分のところまで迫っているブレスに対抗するため、風と水の属性を混ぜた魔法を組み上げる。風も水も勢いを逸らすことに向いた属性だ。さらにそこに俺の強化された“魄雷魔法”の雷で少しでも反撃できれば、と一縷の望みをかけて編み上げた。
「はぁぁぁ!!!」
実際に聞こえたのか、それとも幻聴なのか、ズドンッという重たい音を立てながら俺の展開した魔法の盾と狼のブレスがぶつかる。
俺の展開する水色と白の盾と狼の放つ青と赤の矛がさまざまな色の光を放って拮抗する。
「ぐっ、くっ!」
だが、狼のブレスの勢いに押され俺の体が盾ごと後ろへ下がっていく。心なしか盾もヒビが入っているようにも思う。一応、盾には勢いを逸らすように組み込んだつもりだが、威力が強すぎるのか全く逸らせている感じがしなかった。
「まずっ?!」
俺の魔法の盾もあと一息で破壊されてしまうという寸前、俺へとベクトルが向いていた重さが突如消える。反射的に見上げると、狼がブレスを解き、暴れ回っていた。
そしてその下ではミユが狼の硬い光毛を斬りつけ、サニアが赤い体の下から氷の弾丸を連射していた。
「テミス!」
俺は2人が狼を引き付けてくれている間に雪に埋れかけているテミスの元へと向かう。一瞬で積もった雪山を掻き分けると比較的無事なテミスが見つかった。
「なんとか大丈夫です。ご心配をおかけしました」
「良かった。大きな怪我は無さそうだな、とりあえず回復させるからじっとしてな」
どうやら積もった雪山には種火の効果はないようで雪山に埋もれた後はその雪山が降り注ぐ種火雪を防ぐ屋根になったようだ。だが、量は一時的に減ったとはいえ未だにしんしんと雪が降っているのは事実。
それにミユも種火雪から逃れられるわけではないため、俺は再度雪ごと空を持ち上げるための魔法を発動させる。
「テミス、行けそうか?」
「はい!もう後手には回りません、ここで決めます」
「よし、わかった。さっきは下手こいたがこっからは完璧にサポートしてやる!行ってこい!」
俺はテミスの背中を押して送り出す。俺に勢いをつけられたテミスは自身の槍を構えて、すぐにそのスピードを上げながら狼へと向かう。そしてそのまま勢いを乗せたテミスの武技“突破”はその速度も相まってガラ空きだった狼の左足を貫通させる。
「ギャアオ!!??」
光を放つほど濃密になった魔力を纏う体毛でも防げないミユの刀に気を取られていたせいか、テミスの一撃がまともに入った。
後ろで見ていた感じ、どうやら俺に背中を押された後、風を用いてさらに速度を上げ、さらには槍の切っ先に螺旋状の風を纏わせることでより一層貫通力を上げていた。
骨さえ関係なく貫かれた狼はその巨体の重さに耐えきれなくなったのか、自重で自身の左足を潰しながら地に倒れ伏す。しかし、狼もただではやられてくれないようで、残った3本足で体を引きずりながら暴れ回る。
「ゥゥゥ・・・ギャウ?!」
そうして暴れながらまた両顔から足を潰したテミスに向けて魔法を放とうとした瞬間、死角から舞い込んだサニアが水色の顔の目を潰し、赤色の顔の口を氷の槍で縫いとめる。
「.......もう、動かないで」
そして畳みかけるように上空にいくつも作り上げていた切っ先の鋭い氷の槍を狼の赤い体目掛けて落とす。その一本一本が刺さり、地面に縫いとめるたびに狼は悲痛な声を上げる。
「さぁ、これで終わりだよ!」
なんとか自身の左側に刺さった氷の槍をどうにかしようと暴れる水色の顔目掛けてミユが力強く弓を構える。
弓は横にいるテミスが“自然魔法”を使って組み上げたしなりの強い樹の弓、そして矢にはミユのメイン武器である【天劔】アメノムラクモが引かれていた。
「ふっ!」
大きく引き絞った弓の弦がミユの短い呼気とともに放たれる。その矢は狙い違わず水色の狼の顔をど真ん中へと命中し、その勢いは衰えぬまま狼の体を貫通して後ろの壁へと突き刺さった。
「ゥアォ・・・・」
さしもの狼も鋼鉄のような体毛すら物ともせず斬り裂く刀で体内を貫通させられては防ぐことも出来なかったようで、断末魔を上げるまもなく弱々しい鳴き声を上げながらその体を地に横たえた。
「・・・やれた?やれたよね?・・・やったぁ!!!」
そして一瞬の静寂の後、勝利を確信したのかミユが勝利の勝鬨をあげる。それに釣られてサニアとテミスも笑顔になっていた。当然俺も。
狼の死体はここまでの階層と同じようにダンジョンに溶けることなく残っている。死体からはだくだくと血が流れ出しており、意図せぬ血抜きが出来ていた。
「お疲れさま。みんなこっちにおいで、傷を治すから」
俺は3人を呼び、所々負っているやけどや切り傷を癒していく。狼の下に逃げられたミユはテミスほどやけどは負っていなかった。
それからみんなの戦いの熱を覚まし、狼の血抜きを待つ片手間で、次への道を探す。これまでであればボスの部屋の奥まったところに下への階段があったはずだ。
「血の臭いがきつい・・・」
「仕方ないですよ。ここまで巨大なんですから。未だに体から血が溢れていますし」
もはやこの大きな部屋でさえ狼の血が埋まっていない場所はないほどだった。そのため密閉された部屋を埋め尽くす血臭はより一層濃くなり、そこまで鼻が強くないミユやテミスでさえも辛そうな顔をしているほどだった。
「それにしても見つからないな。流石にここまででダンジョンが終わるとは思えないんだが・・・」
「カイトく〜ん!こっち来て〜!」
俺も鼻を押さえながら部屋の端から端まで探しているのだが、下へと続く道は一向に見つからない。ならば、と手分けして部屋をさらにくまなく探していると自身の刀を取りに行ったミユから声がかかった。
呼ばれて来てみると刀の半ばほどまで刺さった壁の向こうから微かに光が漏れていることに気づいた。相変わらず、突き刺さった刀に刃こぼれなど一つもない。
「この先に何かあるのかな?」
「この先が階段なんて言わないよな・・・」
もはや外れそうにもない予測を立てながら刀によって出来た傷を俺の刀で広げていく。そうして幾度目かの叩きつけで、ようやく人一人がギリギリ通れるほどの穴ができた。
「よし、それじゃあ少し見てくる。みんなは血抜きが出来たところからあの狼を解体しててくれ」
「分かったよ」
流石にあの巨体のままだと俺の“無限倉庫”にも入らない。そのため先の見えない危険より、多少大変でも狼の解体を任せた。
「これは・・・まじか」
それから壁の隙間の先にあった部屋に入ると、部屋の中央にはローブを羽織った女性の石像があった。部屋の大きさは先ほどのボス部屋とはうって変わってこじんまりしている。いいとこ大の大人が5人ずつ壁に沿って並べば壁の隙間を埋められるほどだ。
そしてその石像の背後にはこれまた人一人が通れるほどの廊下が続いており、その先にはまた同じような広さの部屋と石像が置いてある。ただ、先ほどの女性像の手に抱える何かを慈しむ視線と違ってその視線の先は天を向いていた。そしてその表情も正反対でその顔は苦悶に満ちていた。
「なんだこれ?」
その天を向く女性像の奥にはもう廊下は無く、そこには下へと続くレンガの階段が続いていた。階段には蝋燭がついておらず、ここからでは階段の先は見通せない。
「一度戻るか」
階段は見つけたことだし、俺は一度戻ることにした。
「・・ん?」
元来た道へ戻ろうとすると一瞬石像から視線を感じた。だが、振り返ってみても天を向く像に変わった様子はない。
「気のせいか」
今度は視線を感じることはなかった。
「どうだ?だいぶ解体出来たか?」
「いや、まだまだですね。さすがに大きすぎて。とりあえず足は外しましたが、体がどうにも」
「了解、続きは俺がやろう。これを持ってみんなは休んでてくれ、戦った上にこの巨体の解体を最後までさせては休める時がないからな」
「ありがとうございます。それではお言葉に甘えますね」
俺から水と少し塩をキツくした干し肉を受け取ったテミスはサニアとミユを連れて部屋の端に座り込んでそれを口に含みながら休む。どうやら俺が帰ってくる前にサニアが流れ出た血を氷で凍らせてくれていたようで、あまり血臭は気にならなくなっていた。
俺はふと横たわる狼の巨体を見上げる。みんなはここまで必死に動いたのだ。最後の最後まで動かすのは酷というものだろう。だが、この巨体もいつまでも置いてはおけない。あまり放置しすぎると肉に血が回り、アシが早くなってしまうからな。
俺はなんとはなしに生きていたころには弾かれた“鑑定”をぶつけてみる。何気に死体に向けて“鑑定”を行うのは初めてかもしれない。
名前:アイスウルフキング
種族:氷狼王
Lv:286
スキル:光毛魔纏Lv.- 咆波絶翔Lv.- 極氷魔法Lv.4 豪炎魔法Lv.4 瞬動Lv.7 閃爪Lv.6 氷熱皮Lv.9 極氷咆波Lv.10 豪炎咆波Lv.10
「そこまで苦労しすぎるほどの強敵ではなかったか。にしても見たことないスキルが結構あるな・・・」
今更ながらにとどめをさせなかったことを後悔してしまう。だが、今回はミユたちのレベルアップが最優先。それに今俺がスキルを取ってもまた気絶するようなことがあってはならないため、それを考えてもスキルを奪うことは出来なかった。
そういえば、最初に鑑定をした時は『許可されていません』と表示された。しかし、今は全て確認できている。だとすると倒さなければ敵の情報を確認できないということなのだろうか?
だとすると非常に厄介だ。本来、“鑑定”は敵の情報を詳かにする手段。最悪の場合、それによっては撤退を考えなくてはならないほど戦いにおいてはなくてはならない手段だ。
そんな戦いにおいて重要な手段をこの先使えないとなると毎度、敵の力量を逐一模索しなければ戦わないと行けなくなってしまう。
「いや、今までが恵まれすぎていたのか・・・」
考えてみれば俺のこの“鑑定”スキルは最初から持てていた。だが、他のものにしてみればこのスキルは運良く先天的に持つものなのだろう。あるいは戦いの中や生きる術を身につけるため開花させるものか。
サテュラの町でも他者を勝手に覗くのは『盗視者』として嫌われていた。それだけ戦いにおいて情報というのは貴重なのだ。俺は今更ながらにしてそれを悟った。
「仕方ない。使えない、というのが分かっただけでも対策は立てられるだろう」
俺はそう結論付け、狼の解体に意識を向ける。血抜きは大体終わっているため後はもうここから肉の塊を作るだけだ。それならば切り刻むだけでいいため楽だ。
俺は“魄雷魔法”で作り出した風の刃で大雑把に狼を切り刻む。そして細かくなった端から“無限倉庫”に放り込んでいく。毛皮などの後処理は調理をする際でいいだろう、という根っからのめんどくさがりが出てしまった。
そうしてものの数分で解体し、収納し終わった俺はテミスたちの元へと向かう。みんなまだ少し疲れが残っている顔をしているが、体力は取り戻せてきているようだった。
「あ、カイトさん、お疲れさまです。お肉は大丈夫そうでした?」
「あぁ、今のところダメそうなのはなかったよ。これでしばらくは肉に困らない。ただ、下処理が大変だけどな」
「香辛料ってあとどのくらい残ってます?」
「まだ余裕はあるけどこいつ一体に全部使えるほどはないなぁ」
「そうですよね。だとすると少し考えないといけませんね・・・」
「......ねぇ、主さま。あれ」
このパーティーでそれなりに料理ができる俺とテミスが何かいい方法はないか、とうんうん唸る。すると横にいたサニアが俺の肩を叩いてとある方向を指差した。
「うん?なんだ・・ってあれは」
サニアの指差す方向にあったのはこれまた階段だった。その階段は床の黒い鉄骨に隠れるようにあった。おそらく目の錯覚を利用しているのだろう。言われるまで全く気がつかなかった。
それに場所も嫌らしく、道理で普通に探していれば見つからないはずで、階段への入り口が壁の中に埋まっていた。しかも入るにも少し屈まないと入れそうになく、サニアのようなある程度身長の低いものでなければ見つけることも不可能と思われるような場所だった。
「だとするとあの場所はなんなんだろう?」
ここで疑問が出てくる。一応見つけにくいとは言っても探せば見つかるレベル、それにこのボス部屋の中に次への階段があるということはこっちが正規ルートなのだろう。だが、階段はもう一つ見つけた。
考えてみればあの階段は少々特殊な方法で見つけた。だとするとあっちはいわゆる裏ルートということになるのだろうか。
「みんなはどっちに行くのが正解だと思う?」
正直、こういった裏ルートが好きな俺は内心、隠された階段の方に行きたい。だが、俺たちはパーティーだ。仲間の意見を蔑ろにするわけには行かないだろう。
「カイトくん分かりやすすぎ」
「確かに。目が物語ってますよ」
「.......あっち行きたいの?」
「・・・・・・あぁ」
俺の欲はあっさりと見破られてしまっていた。俺の裏ルートに対する興味は隠しきれなかったようだ。
そうしてそれから小一時間ほどさらに休憩を挟んだ俺たちは改めて出発の準備を整え、女性像がある裏ルートの階段まで来ていた。
「よし、それじゃあ先に進むか。さっきも言ったようにこの先、もしかしたら全部のボス、最悪、その辺の雑魚にも“鑑定”が通じなくなる可能性がある。気を抜かないで行こう」
「分かった!」
「はい!」
「......こくっ」
「よし、それじゃあ降りるぞ」
そう言って俺は先頭で仄かな明かりを携えて暗闇の揺蕩う階段を降りていった。
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