神と妖怪と悪霊、そして人間の対談
皆様、大変遅くなってしまい申し訳ございません!
正直に言うと、実は僕、今スランプの真っ只中でございまして……いや、まぁそんな状態なら書くなって話なのですけれども。
ですので、ちょっと文章的には至らない点もあるかもわかりませんが、一旦うpさせて頂きます。
後日、また修正すると思いますので。
あ、そうそう。あともう一つ、僕にとっては嬉しいお知らせが。
何とこの迷人記、PV数が一万を超えました!!嬉しい!!!!!
お気に入りの数も15まで増えてくれましたし……これだけの人に自分の作品を読んで貰えて、尚且つ評価までして頂けるなんて…まさに至上の喜びです!いや誇張でも何でも無く!
これからも、東方迷人記をよろしくお願い致します!
「………あのー、紫さん?」
「何かしら、唯衣君。」
「ここは…一体?」
藍より強引に保護(拉致とも言う)された唯衣が連れて来られたのは、とある大きな神社の前……の、謎の柱が乱立している奇妙な地帯だった。
博麗神社がアレ過ぎる所為で多少立派に見えているというのを考慮しても、それなり以上に大きく、荘厳な神社である。そしてその神社に負けじとそそり立つ立派な柱(隠語に非ず)。
信仰も沢山集まってるんだろうなぁ…と、ふと唯衣が柱の一本を見上げた時。
彼の視界の端に、奇妙なモノが映り込んだ。
「あれ、一発で見抜かれちゃった?……良い勘してるねぇあんた、麓の巫女の時みたいだ。」
柱のてっぺんに、恐らく寝転がっているのだろう。そこには首から先だけをこちらに覗かせる、奇妙な帽子を被った童女がいた。
(……!?)
突然の出来事に、ぐるぐると回る唯衣の思考。不可解な事など、数え始めたら切りが無かった。
どうやって登ったのか、麓の巫女とは霊夢の事か、というかその帽子は一体。
だがその前に、唯衣は何より先に尋ねるべき事があることを思い出した。
「……えと、貴女は?」
相手は子供の姿だが、油断せずに敬語を使う唯衣。
目算でも彼の十五倍はありそうなこの柱を、ただの子供が登れる筈が無い。常人では無いと考えるのが普通である。
「私の名前は諏訪子、洩矢諏訪子。この神社一帯を司って『いた』土地神だよ。」
(……ん?)
「土地、神……?紫さん、貴女が用があったというのは、この方ですか?」
諏訪子の言葉の中に、奇妙なイントネーションが混じっていた事に疑問を覚えた唯衣。
だが、その事情を知っている紫は彼の疑問に気付かず、話を続ける。
「いいえ、違うわ。私が訪ねてきたのは……」
「……我を呼ぶのは、どこの人z痛ぁ!?」
がらっ、と戸を開く音に振り向いた唯衣。彼が最初に見たのは……勢い良く飛んでくる、大きな烏帽子。そしてその次は、地底では見られなかった、紺碧の空。
烏帽子が直撃したのだと、そしてその勢いで後ろに倒れたのだと気付くのに時間はかからなかった。
「こんの馬鹿幽霊!その台詞はあたしのものだろう!」
「別に良いだろうこの程度!そもそもな、私が登場した後にそれ言うつもりだったのか!?間が抜けてるなんてモンじゃ無いぞ!」
「ぐっ……まぁ、そうだけどさ!何か気に入らないのよ!」
恐らく二人の女性によるものだろう、激しい(笑)言い争いを聞きながら、ゆっくりと身体を起こす唯衣。
「いてて……あれ、神奈子様?」
只今、口喧嘩を繰り広げているその片方。唯衣は、彼女に見覚えがあった。
「ん?おや、唯衣君じゃないの。やっと来たのね……って、その頭どうしたのよ?赤くなってるわよ。」
何より目を引くのは、彼女のその背中にある一本の『注連縄』。
絵面こそ少々間抜け……もとい緊張感が無い様に見えるかも知れない。しかし八百万の、そしてその中でも古事記の時代から存在する数少ない神の一柱たる彼女の力は強大無比の一言。
そこらの妖怪程度なら、小指の一本も動かさずに屠れる実力の持ち主である。
「何故か先程、謎の烏帽子が飛来しまして…」
これなんですけど、とそれを神奈子に見せるや否や、彼女は途端にばつが悪そうな表情を浮かべ、
「あー…ごめん。それ、私がすっ飛ばしちゃった奴よ。意外と硬かったのかな…いや、悪かったわね。」
と、唯衣に向かって頭を下げた。
「え!?あ、いやその…頭を上げて下さい。貴女を信仰している人達に見られたら、何と言われるか……」
いくらフランクに見えても、神は神。彼女は信仰を受ける側であり、人間は彼女に頭を垂れて平伏するもの。
そんな存在が自分に頭を下げているのだ、唯衣の慌てぶりも理解出来ようというものである。
だが彼女は普段から、そんな事を毛ほども気にしない、気にする必要すら無いとばかりに構えている。恐らく、そんな神であるからこそ信仰が集まっているというのもあるのだろう。
本人の能力でも何でも無い、これもまた本当の意味での『信仰』の、一つの形なのだ。
と、その時。
「ん?……おお少年、それは私の烏帽子じゃないか。さっきこのアホ神に吹き飛ばされてしまってな、返して貰えるか?」
戸惑う唯衣にかかる、馴れ馴れしいながらも重圧の込められた声。
その声を聴いた瞬間。ぞくっ、と唯衣の背中に悪寒が走った。
「………っ!」
ソレは、神奈子の後ろにいた。
まず目に付くのは、烏天狗のそれよりも大きく立派な、黒い一対の『翼』。次に、長く伸ばされた翠の髪。そして何より、その女性には……およそ足と呼べるものが、付いていなかったのである。
その姿を確認した瞬間、彼女のその圧倒的なまでの力に気圧され、たたらを踏む唯衣。彼のその本能が、この存在だけは敵に回すなと告げていた。
そして勝手に後ろに下がろうとする足を叱咤、何とか踏み留まった彼は一言、彼女に向かって、
「………魅魔様、と仰いましたか。」
と、呼びかけると言うよりは確認する様な口調で、一言尋ねた。
「ほう?人間風情が、私を知っていると。……誰から聞いたんだ?」
「魔理沙からです。とても強く美しく、そして何より『格好いい』…第二の母親の様な方だと言っていました。」
「………!」
唯衣がそう言った瞬間、魅魔の表情が一変。
先程までの凛とした雰囲気が一気に崩れて、ふにゃふにゃとした表情を見せる……近くで見ていた唯衣は勿論、紫や神奈子でさえ口を開けて眺めていた。
魅魔は緩みきった頬に手を当てて、
「そうかそうか…全く魔理沙の奴、いつまで経っても母親離れ出来ていない様だな。よし、今度行ってやるか……」
お前こそ子離れ出来てないだろ、と、恐らくその場の誰もが思ったことだろう。
「さて、そこでふやけてる変な女は放って置いて、と…ねえ、唯衣君?」
「は、はいっ!」
突然自分に矛先が向いて、思わず背筋を伸ばす唯衣。
「君が何のためにここに連れて来られたのか……紫から聞いてる?」
勿論、唯衣が聞いていよう筈も無い。
パルスィと話していたと思ったら、気付けば守屋神社の境内にいたのだから。
「さっきから聞きたかったんですけど、タイミング逃しちゃって。」
「………やっぱり、か。まあ貴方の性格から察するに、今回ばっかりはあいつの判断が正しかったのでしょうね。」
と言い、ちらりと紫を睨む神奈子。
当の紫はさり気なく飛ばされたガンを軽々といなし、神奈子に反論する。
「そう思うのなら、そのだだ漏れの殺気をしまって下さる?それに……」
「何よ?」
「その後ろの悪霊は、一体何なのです?……見たところ、靈夢を利用して私の幻想郷を一度ぶち壊そうとした、あの外道に似ている様に思えるのですけれど。」
そう言って、未だにふにゃふにゃしている魅魔を強く睨み付ける紫。
その気配に気付いたのか、魅魔は顔を上げて紫を見返した。
「……私に、何か用か?幻想郷の管理者殿。」
「今度は何をしでかそうと言うのかしら……Revengeful Ghostさん。」
「ふん、私はただの通りすがりだよ。それより……誰だ?その、靈夢とやらは。」
「ご存知で無いならそれで良いのです。それは、貴女が『それを知らない貴女』だったというだけの事。 知らない事は……無理に知ろうとしない方が良いものですわ。」
「……まあ、お前が言うのならそうなのだろう。そもそもこれ以上尋ねた所で、どうせお前は話さないだろうからな。」
「ふふっ、よく理解なさっておいでですわね。貴女とはいつか腹を割って話してみたいものですわ。」
「私は御免被るな。貴様の様な女に割ってやる腹など存在しない。それに何より、振る舞う酒が可哀想だ。」
「これはこれは、手厳しい……」
ふふふふふ、と額に青筋を浮かべながら笑い合う二人を見てがたがたと震える唯衣(と諏訪子)。
唯衣がちらりと神奈子の様子を伺うと、当の神奈子は表情を感じさせない、厳しい瞳で二人をじっと見つめていた。
「……神奈子、様?」
「………ッ!あぁ、ごめんなさいね。ちょっとぼーっとしてたわ。」
はっ、と夢から覚めた様に唯衣を見る神奈子。その険しい表情は、既に鳴りを潜めていた。
「あの、僕がここに連れて来られた理由というのを…そろそろお尋ねしたいのですが。」
「ええ、そうね。じゃあアイツの代わりに私が説明するわ。
貴方が、わざわざ妖怪の山まで連れて来られた理由はね……」
神奈子は唯衣の肩に手を置き、力を込める。
それは見方によっては、彼が逃げ出さない様に抑えている様にも見えた。
「貴方を、ここで少し鍛えようと思ったのよ。それも大至急…ね。」
「………………はい?」
魅魔様ですよ魅魔様!あのカリスマの塊と名高い魅魔様ですよ!
しかし、何と言うか……旧作キャラは使い所は難しい分、何と言うか未踏の地的な魅力がありますね。二次創作であまり使われていないからカリスマも出し易い(実に僕得)ですし。
個人的には、あまりはっちゃけたキャラクターばかりだと飽きが回ってきてしまいますし、だからと言って皆がガチガチのカリスマガールばかりでも息が詰まってしまいますし……いやはや、文を書くというのは難しいものです。




