風神の噂
散々遅くなって、しかもこんなに短くてすみません!
もう一つの東方SSに手間取ってしまい…(言い訳)
「あっ、いたいた霊夢さーん!」
「ん?…なんだ、文じゃないの。何か用?」
あれからもう、一月が経つ。
紆余曲折あったものの、最終的に私達は唯衣を無事に元の世界へ送り返す事に成功した……そう、成功してしまったのだ。
そして結果だけを語るなら、唯衣がいなくなった事で、私のその後の生活には何ら影響が出る事はなかった。
彼がその後どうなったのかはわからない……と言うか、正直に言うなら知りたくも無いのだが。
ああいう男は、大抵の場合同じ末路を辿るものだと紫が言っていた。
その内容を聞いてしまった私に出来るのは、精々彼がそうならない様に祈る事くらいだろう。
「確か、霊夢さんの彼氏さん…唯衣さんでしたっけ?」
「正確には元が付くけど…まぁ、そんな感じね。で、それがどうかしたの?わざわざこの私に煎餅まで出させて、つまらない要件だったら叩き出すわよ。」
今の私は、唯衣が来る前と変わらない平穏な日常を送っている。
これと言って大した異変も無し、普段からやかましい奴等までも最近は静かになっている…逆に気味が悪い位の平和っぷりだった。
……文がこの後、とんでもない台詞を口にするまでは。
「そうそう、その唯衣さん……今、地底にいるらしいという情報が入ったのですが。」
「………………はいぃ?」
思わず、自分でも予想しなかった様な素っ頓狂な声が出てしまった。
私はゆっくり、言い聞かせる様に言う。
「あのね、唯衣は元の世界に帰ったの。もう幻想郷にはいないのよ。」
「いやいや。」
そんな事はわかってますよーーと、顔の前で手を振る文。
相変わらず、挙動の一つ一つが癇に障る烏天狗である。
これで新聞記者などを生業に出来ていると言うのだから驚きだ。相手の心に入り込む手腕が何より重視される職業だろうに。
そんな事を考えていると、文が一枚の写真を差し出してきた。
「はい、これがこの情報のウラです。はたての念写ですから、信用に足りるとは思いますけど。
お代は…そうですね、ここにあるお煎餅でどうでしょう?」
癇に障ると同時に、紫とは何処かベクトルの違う厄介さを持っている様な…そんな烏天狗である。
「……ったく。」
「あの馬鹿を、迎えに行ってやらなきゃね。」
〜第一章・了〜
でも、これで漸く第一章「少年の幻想入り」が無事完結致しました!息つく暇も無しに次章へと移って行きますが、そこはまあ演出ということで御容赦下さい。
あともう一つ、報告を。
次回から、霊夢パート以外の時は三人称視点にしてみようと思います。ちょっとした実験…?の様なものと思って頂ければ。
それでは、また次章の前書きでお会いしましょう。




