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『異世界で「ツボ」を突いたら神と呼ばれた件 〜指一本で魔王も聖女も救い出す、世界唯一の最強聖鍼術〜  作者: 鍼灸師いのぴー
【第八章:南海灼熱諸島と炎の熱邪(ねつじゃ)】

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第627話「暴走の鋼鉄兵!からくり技師の少女」

地底に眠る伝説の古代製錬都市『アルゲンタ』へと足を踏み入れた往診チーム! しかし、都市の防衛を担う巨体な「からくり兵士」たちが、金毒の邪気によって暴走し襲いかかってきます。仲間たちの息の合った連携バトルで暴走ロボットを撃破する中、街の広場から甲高い金属音が響き渡り、巨大なレンチを抱えた謎の少女が登場! 暴走の裏に隠された都市の秘密と、新たな出会いが往診チームを待ち受けます!

 「侵入者……排除……! 都市ノ聖域ヲ……汚ス者……排除……!」


 ズシン! ズシン! と地響きを立てながら、三体もの巨大な鋼鉄のからくり兵士が身の丈ほどの鉄槌を持ち上げ、往診チームを囲い込む。

胸に埋め込まれた赤黒い金毒の結晶が不気味に明滅し、異様な威圧感を放っていた。


 「へっ! 体ばかりデカくて大雑把な動きだな! 俺の戦斧の錆にしてやるぜッ!」

ガストンがニヤリと笑い、豪快に地面を蹴った。


「ガストン、正面から突っ込むな! 足元のパイプを壊されたら都市の仕掛けが傷つくわ!」

ネネがすばやく注意を促しながら、弓を引き絞る。


「任せろ! 俺が敵の注意を全部引く! ネネと哭は横から仕留めなッ!」

ガストンが戦斧の柄で自身の胸当てをドカンと叩き、大声を張り上げた!

「おいデカブツども! 俺の頭は叩き心地が良いぞ! かかってきやがれッ!」


「標的……変更……破壊……!」

からくり兵士が一斉に首を回し、ガストンを目がけて巨大な鉄槌を振り下ろす!

ドカァァンッ!!

石畳が爆ぜ、猛烈な爆風が巻き起こる。しかし、ガストンは間一髪で横へ跳び、豪快に笑い飛ばした。


「今だッ! ネネ、哭ッ!」


「狙いは胸の赤い結晶よッ! 一気に射抜くわ!」

ネネの手から放たれた鋭い矢が、空中で描く美しい軌道を描いて一発目のからくり兵士の胸元へ直撃!

バキィィンッ!

金毒の結晶が見事に粉砕され、からくり兵士の動きがピタリと止まる。


「仕留める……!」

黒い影と化した哭が、二本目のからくり兵士の背後へと一瞬で回り込んだ。

二本の短剣を関節の隙間へ鋭く突き立て、内部の歯車を一瞬で噛み合わせを狂わせる!

ガシャンッ!

二体目のからくり兵士が煙を上げながら崩れ落ちた。


「よぉし! 残り一体だなぁッ!」

ガストンが身体をひねり、全身の力を込めた戦斧を三体目のからくり兵士の脚部へ叩きつける!

ドカァァンッ!

脚を打ち砕かれた巨大兵士が、派手な音を立てて倒れ込んだ。


「ふぅ……! 見た目ほど硬くなかったわね!」

ネネが弓を収め、胸を撫で下ろす。


「素晴らしい連携です! みなさん、怪我はありませんか?」

くるるが往診鞄を手に駆け寄り、みんなの無事を確認して安堵の笑みを浮かべた。


しかし、ホッとしたのも束の間――。


カン! カン! カン!


壊れたからくり兵士の向こう側、広場の中央にある時計塔の上から、何かが甲高い金属音を鳴らしながら下りてきた。


「ちょっと待ったぁぁぁッ! あたしの可愛いからくりギア・ゴーレムになにしてくれてんのよぉぉぉッ!?」


ドサッと豪快に飛び降りてきたのは、自分の身長ほどもある巨大なスパナを背負った、ゴーグル姿の少女だった。

つなぎの服は油と煤で黒く汚れ、ショートカットの髪をツインテールに結んでいる。


「な、なんですのこの女の子は……!?」

ネネが呆気にとられて目を見開く。


「あたしはアルゲンタの技師長、ミモザ! この都市の機械を管理してる職人よ! ちょっと目を離した隙に、毒の泥が流れてきて機械たちが暴走しちゃって大大変だったんだから!」

ミモザと名乗った少女は、腰に手を当ててぷくっと頬を膨らませた。


「なるほど……あなたがこの都市の技師さんですか。申し訳ありません、身を守るためとはいえ、大切なお人形を壊してしまって」

枢が丁寧にお辞儀をする。


「うぐっ……そんな丁寧に謝られたら怒りにくいじゃない……! それにしてもあんたたち、ただ者じゃないわね。毒の泥水の中でも平気な顔してるし、あたしのギア・ゴーレムをあっさり倒しちゃうなんて」

ミモザはゴーグルを額に跳ね上げ、興味津々の目で往診チームを見回した。


「平気な顔をしてるのも当然だぜ! 俺たちの横にいるこの枢先生が、すごいお灸とアロマで俺たちの体調をバッチリ整えてくれたんだからな!」

ガストンが自慢げに胸を張る。


「へぇ……お医者さんなんだ! じゃあ、あたしのお願いも聞いてくれる!?」

ミモザが目を輝かせ、枢の手を両手でギュッと握りしめた。


「私にできることなら何でしょうか?」

「実はね、この都市の命である『大水車ギガ・ホイール』の軸に、毒の泥が詰まっちゃって動かなくなってるの! あれが動かないと、山の中に綺麗な空気と水が届かないし、街の防衛システムも元に戻せないんだよ!」

ミモザが悲しそうに広場の奥を指さす。


そこには、巨大な滝の横に鎮座する、高さ数十メートルにも及ぶ超巨大な鋼鉄の水車がピタリと動きを止めていた。


「あの水車を動かすには、水車の奥にある『清流のレバー』を同時に三つ引かなくちゃいけないんだけど、毒のガスが充満しててあたし一人じゃ近づけないの……!」


「なるほど……。あの水車こそが、この山全体を浄化するかなめというわけですね」

枢が力強く頷き、仲間たちを見返した。


「みなさん、力を貸していただけますか?」


「当たり前だろ! 街の仕掛けを直して、毒の元締めをぶちのめす! 願ったり叶ったりだぜ!」

ガストンが拳を握りしめる。


「わたしも手伝うわ! ミモザちゃん、案内して!」

ネネが優しく微笑む。


「……フッ、水車の再始動だな。任せておけ」

哭も短剣を鞘に納め、静かに頷いた。


「みんな……ありがとう! よーし、アルゲンタ大水車・復活作戦、開始だよッ!」

ミモザがスパナを高く掲げ、元気いっぱいに叫んだ。


新たな仲間・ミモザを得た往診チーム。古代都市の心臓部である大水車を動かすため、毒ガスが渦巻く危険な水車室へと足を踏み入れるのだった――!

 第627話をお読みいただき、ありがとうございました!


暴走したからくり兵士たちとの爽快な連携バトルと、からくり技師の少女「ミモザ」との賑やかな出会いを描かせていただきました!


ミモザという新たなキャラクターが加わり、古代都市アルゲンタの仕掛けを動かす「大水車・復活作戦」というワクワクする目標に向けて、チームが一丸となって進む展開をお楽しみいただけましたら幸いです!


 さて、今回は作中で「毒ガスが充満した水車室に挑む」場面にちなみ、日常で「煙や排気ガス、クーラーの閉め切りなどで空気が重く、息苦しさや胸のモヤモヤを感じる時」に、すっきりと深呼吸をして胸を開く東洋医学の知恵をご紹介します!


 空気が悪かったり、緊張して胸が縮こまっている時は、東洋医学では「肺の気が滞っている」状態と考えます。

そんな時におすすめなのが、胸の中央にある**『膻中だんちゅう』**というツボです!


場所はとっても分かりやすく、左右の乳頭を結んだ線のちょうど真ん中、胸骨の上の凹んでいるところです。

ここを手のひらの下(手根部)で優しく撫でるように温めたり、指の腹で気持ちいい強さでじわーっと押しながら深呼吸をしてみてください。


胸のつかえがスーッと取れ、作中でミモザたちが清らかな空気を求めて突き進むように、フレッシュな酸素が体中に巡って元気が湧いてきますよ!

デスクワークで姿勢が丸まりがちな時にも大活躍するツボですので、ぜひ試してみてくださいね!


 次なる第628話は、本日**8月20日(木曜日)の夜【21:00】**に更新を予定しております!


ミモザの案内で大水車の心臓部へと向かう往診チーム! しかし、毒ガスの部屋には思わぬ罠と、毒で強化された巨大なガーディアンが待ち受けていて――!? 21時の更新をどうぞお楽しみに!

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