第626話「漆黒の階段!地底に眠る古代都市」
ガストン、ネネ、哭たちの見事な連携によって脈脈頭を撃破し、見事に白銀霊峰の湧き水を浄化した往診チーム! しかし、崩れ落ちた壁の奥に現れたのは、地下深 we に続く見たこともない漆黒の巨大階段でした。一歩踏み出すごとに怪しい紫色の煙と地鳴りのような響きが広がる中、階段を降り切った往診チームの眼前に広がっていたのは……なんと、地底に打ち捨てられたはずの『幻の古代製錬都市』! 驚きとワクワクが交錯する中、新たな冒険と謎が往診チームを待ち受けます!
カツン、カツン……と、静まり返った洞窟内に自分たちの足音が寂しく響き渡っていた。
怪物の巨体が崩れ去ったあとに開いた巨大な穴――そこにあったのは、大人が五人並んでも余裕があるほど幅の広い、漆黒の石で作られた階段だった。
「うわぁ……すごい階段ですわね。まるでどこかのお城の地下に入っていくみたい……」
ネネが弓を抱え直し、階段の先を覗き込みながら呟く。
「気をつけてください、みなさん。壁や足元に仕掛けがあるかもしれません」
枢が松明の光をかかげながら、先頭に立ってゆっくりと階段を下りていく。
「へっ、仕掛けがあろうが何だろうが、俺の戦斧でまとめてぶち壊してやるぜ! さっきの戦いで、身体がすっかり軽くなったからな!」
ガストンが豪快に肩を回し、頼もしく胸を叩く。
「油断するなよ、ガストン。あの怪物(脈脈頭)は確かに倒したが、この空気……ただ事ではないぞ」
隠密・哭が短い息を吐きながら、闇の奥を鋭く睨みつける。
哭の言う通り、階段を下りれば下りるほど、洞窟内の空気が変わっていくのが分かった。
冷たいわけでも、熱いわけでもない。まるで時間が止まってしまったかのような、不思議でどこか懐かしいような香りと、微かな紫色の煙が足元を覆い始めている。
「……この匂い、何処かで嗅いだことがありますわ。鉱石を焼いたような、甘くて少し香ばしい香りがします」
ネネが鼻をくんくんと鳴らす。
「これは……古代の精錬所で使われていた特殊な香気の残り香ですね。恐らく何百年も前のものです」
枢が壁の表面に触れる。壁には細かな幾何学模様が整然と刻まれており、明らかに人の手によって作られた構造物であることが窺えた。
そうして階段を百段、二百段と下り続けたその時――。
「……おい、嘘だろ……!? みんな、前を見ろよッ!」
ガストンが足を止め、口をぽかんと開けて指をさした。
階段が途切れ、パッと視界が開けたその場所には、誰もが息を呑む光景が広がっていた。
「な……なんて広さですの……! 地下にこんな巨大な街があったなんて……!」
ネネが目を丸くして叫んだ。
そこは、地下に広がる果てしない大空洞だった。
天を突くような高い天井からは、青白く光る巨大な水晶が幾つも垂れ下がり、街全体を幻想的な光で照らしている。
そして眼下には、精緻な石造りの建物の群れ、巨大な水車、そして複雑に張り巡らされた銅製のパイプラインが、地底の地平線までどこまでも続いていたのだ。
「……『白銀の古代製錬都市・アルゲンタ』。古い文献で読んだことがあります」
枢が感動を抑えきれない様子で、静かに語り始めた。
「かつてこの白銀霊峰が発見された時代、人間とドワーフ、そして山のエルフたちが協力し、大自然の恵みを傷つけることなく鉱石を精錬するために築いたという、伝説の地下都市です。しかし数百年前、突如として歴史から姿を消したとされていました……」
「歴史から姿を消した街が、なんでこんな山の真下に残ってやがるんだ……?」
ガストンが呆然と街並みを見渡す。
「見てください! あそこにある水車やパイプ……金毒帝たちが作った毒の仕掛けとは全然違いますわ! すごく綺麗で、温かい感じがします!」
ネネが指さす先には、かつて山の綺麗な湧き水を利用して巨大な水車を回し、空気と水を循環させていた清らかなからくり装置が残されていた。
「なるほど……金毒帝の奴らは、この古代都市のからくりを乗っ取り、無理やり金毒を流し込んで毒の城(銀爪城)を作り上げていたというわけですね」
ハクとリナが頷き合う。
「……ってことはだ、枢先生! この古代都市の機械を全部元通りに動かすことができれば、金毒帝の毒なんか一発で吹き飛ばせるんじゃねえか!?」
ガストンがパンと手を叩き、目を輝かせた。
「その通りです、ガストンさん! この都市の『循環システム』を取り戻すことこそが、白銀霊峰を真の意味で救う鍵になります!」
枢が力強く頷く。
「よし! そうと決まれば、さっそく探検開始だぜ! どんな仕掛けがあるのかワクワクしてきたなぁ!」
ガストンが一番乗りで階段を駆け下りようとした、その時――。
ガシャン、ガシャン、ガシャン……!
古代都市の広場から、重苦しい金属音が響き渡った。
建物と建物の影から、ぞろぞろと姿を現したのは……全身が古びた銅と鉄でできた、身の丈3メートルを超える巨大な『からくり兵士』たちの群れだった!
「うわっ!? なんかゴツい人形がいっぱい出てきたぞ!?」
ガストンが咄嗟に足を止める。
からくり兵士たちの胸には、赤黒く光る金毒の結晶が埋め込まれており、ギギギ……と不気味な関節音を立てながら、往診チームに向けて構えをとった。
「侵入者……排除……都市ノ防衛ノタメ……排除……」
「大変です! 古代都市を守る防衛ロボットたちが、金毒帝の毒によって狂わされて暴走していますわ!」
ネネが素早く弓を構える。
「フッ……退屈しなくて助かるぜ。いくぞ相棒、ガストン!」
哭が短剣をシャキーンと構え、敵の懐へ飛び込む体勢をとる。
「おうよ! 街の仕掛けを直す前に、まずはあのデカブツどもを片付けようぜ!」
ガストンが戦斧をぶんぶん振り回し、豪快な笑い声をあげた。
伝説の古代都市アルゲンタを舞台に、往診チームの新たな大冒険と爽快な戦いが今、幕を開ける――!
第626話をお読みいただき、ありがとうございました!
今回は暗い洞窟から一転、地下に広がる幻想的な「古代製錬都市アルゲンタ」へと舞台が移り、ワクワクする冒険感と新しい展開をお届けいたしました!
白銀霊峰の命を救うための「古代の仕掛け」や、暴走したからくり兵士たちとの戦いなど、仲間たちが活き活きと活躍するストーリーを楽しんでいただけましたら幸いです!
さて、今回は作中でガストンたちが「地下の澄んだ空間に入ってワクワクと元気が湧いてきた!」場面にちなみ、日常で「気分が滅入っている時、なんだか頭が重くてすっきりしない時」に、手軽に気分をリフレッシュして元気を出す東洋医学の知恵をご紹介します!
頭が重かったり気分が塞ぎがちな時は、東洋医学では「頭のてっぺんに気が滞っている」と考えます。
そんな時におすすめなのが、頭のいちばん高いところにある**『百会』**というツボです!
使い方はとってもカンタン!
両手の耳の一番高いところを結んだ線と、顔のセンターラインが交わる「頭のてっぺん」を、指の腹で気持ちいいと感じる強さでポンス・ポンスと優しく押してあげるだけです。
ここを刺激してあげると、頭に溜まった余分な熱やモヤモヤがすーっと抜け、作中でガストンたちが新しい街を見つけた時のような「パッと目の前が明るくなる感覚」を味わえますよ!
お仕事や勉強の合間に、ぜひ試してみてくださいね!
次なる第627話は、明日**8月20日(木曜日)のお昼【12:00】**に更新を予定しております!
暴走する古代のからくり兵士たちに対し、ガストンと哭、ネネの三人が見事なコンビネーションを発揮! さらに都市の奥から、からくり技師を名乗る謎の少女が現れて――!? 12時の更新をどうぞお楽しみに!




