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『異世界で「ツボ」を突いたら神と呼ばれた件 〜指一本で魔王も聖女も救い出す、世界唯一の最強聖鍼術〜  作者: 鍼灸師いのぴー
【第八章:南海灼熱諸島と炎の熱邪(ねつじゃ)】

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第612話「風の哭く霊峰!金剛の暴走と気海の補気」

お腹を温める名穴『中脘』の刺鍼によって金剛の極寒波を破り、胃腸の温かさと全身の気力を劇的に蘇らせた往診チーム。しかし、追い詰められた銀爪会首領「金爪の金剛」は、旧鉱道の奥に眠る巨大な金毒鉱脈と融合し、チームの生命力(原気)を直接吸い上げる悪魔のような暴走形態へと変貌を遂げます。絶体絶命の危機の中、枢先生が指し示したのは下丹田の原気を一気に呼び覚ます至高の補気穴! 激闘の果てに待ち受けるさらなる試練とは――!?

 旧鉱道の最深部に、互いの気がぶつかり合う凄まじい風圧が吹き荒れていた。


 お腹の底から溢れ出る熱い陽気を取り戻したガストン、ネネ、哭、そしてくるるの四人は、足元をすくう冷気を跳ね返し、金剛を取り囲むように構えを固める。


 「へっ……! お腹が温まったら、全身の血がぐんぐん巡って力が溢れ出てきやがるぜ! 鉱脈を汚し、町民を苦しめてきた悪党め、覚悟しやがれッ!」

ガストンが戦斧を片手で軽々と掲げ、黄金の闘気を全身から爆発させた。


 「調子に乗るなよ、旅の医者どもがッ! この白銀霊峰の奥深くに眠る金毒の真の恐ろしさ……その身に刻んで死ねぇぇぇッ!」


追い詰められた金剛は不敵に笑うと、両手の金剛爪を自らの胸元へと深く突き刺した!

絶望的な叫びとともに、旧鉱道全体に張り巡らされた巨大な金毒鉱脈から、光すら吸い込む漆黒の重金属波と極寒の気が引き寄せられ、金剛の身体は通常の二倍以上に巨大化していく。


「ぬおぉぉぉぉッ! 金毒界限突破――『金剛過剰吸入こんごうかじょうきゅうにゅう』ッ!!」


暴走した金毒の衝撃波が全方位へと解き放たれる!

その波を真正面から受け止めた往診チームの全身から、急激に体力が奪われていった。


「くっ……!? 急激に全身の力が抜けていく……!? 息を吸っても吸っても、身体の奥の『元気の源』がすっぽりと抜け落ちていくみたいだ……ッ!」

ネネが膝をつき、弓を握る手がガタガタと震え出す。


「……相棒! これは単なる攻撃ではない……ッ! 金剛が周りの気脈を強制的に歪ませ、俺たちの『原気(下丹田の気)』を根こそぎ吸い上げている……ッ!」

哭もまた短剣を支えにして片膝をつき、顔面を蒼白に染めて歯をくい散らす。


「……皆さん、諦めないでください……! これは暴走した金毒が体内の原気を極限まで消耗させ、全身の動力を失わせる『原気脱失げんきだっしつ下焦虚脱げしょうきょだつ』です!」


枢が倒れそうになる身体を自らの往診鞄で支えながら、必死に声を張り上げた。


「人間の身体の深部(下丹田)には、生まれ持った生命力の源泉である『原気げんき』が蓄えられています! 暴走した金毒の強力な陰気がその原気を急速に損なうことで、立っていることすら困難なほどの極度の倦怠感、四肢の脱力、意識の遠のき、気力低下を引き起こしているのです! ここで原気を補わなければ、二度と立ち上がれません!」


「ガハハハハ! 命の根源である原気を吸い尽くされた虫ケラどもがッ! そのまま干からびて我が鉱山の肥やしとなるがいいッ!」


金剛が巨大化した金剛爪を掲げ、往診チームを押し潰さんと振り下ろす!


「させません……ッ! 僕たちの絆の命脈は、こんな毒気などで潰えたりはしないッ!!」

枢の手が往診鞄の最奥に収められた、黄金の眩い輝きを放つ「原気補益げんきほえき下丹田活性かたんでんかっせい極上純金太鍼」を掴み取った!


「ハク、リナ! 生体エネルギーの衰退を極限まで防ぎ、生命力を底上げする『人参にんじん』と『黄耆おうぎ』の大補元気だいほげんきアロマを、全員の下腹部へ全開照射しなさい!」

「了解です枢先生! 大補元気アロマ、下腹部へ全開照射ッ!!」


濃厚で温かな生命力を感じさせる生薬の香りが充満し、失われかけていた生命の灯火が再び強く揺らめき始める!


「丹田に眠る生命の海よ、巡りて全身に満ちよッ! 任脈の名穴……解放ッ!!」

シュパッ! シュパッ! シュパッ――!!


枢の手から放たれた金鍼が、ガストン、ネネ、哭、ハク、リナ、そして自らの**「おへその中心から指幅2本分(1.5寸)真っ直ぐ下におりた下腹部の凹み」へ、雷鳴のような温かな気とともに穿たれた!

打ち込まれたのは、全身の気を一気に生成し、削られた生命力を劇的に蘇らせる東洋医学至高の補気名穴――『気海きかい』!


ドドドドドドドッ!!!!!


「――ぐぁぁぁぁぁぁぁッ!?!? お腹の底……下腹部から、熱いマグマみたいな元気が湧き上がってくるぞぉぉぉぉッ!」

ガストンが咆哮とともに立ち上がり、全身から眩い黄金の気をオーラのように噴出させた!


「体力の限界を超えて、身体が軽くなっていく……! 下腹部から全身へ、元気が満ち溢れて止まらないわ……ッ!」

ネネが背筋をピンと伸ばし、力強く跳躍して高所へと構えを取る!


「『気海』は、任脈にんみゃくに所属し、文字通り『全身の気が集まる大海』**であり、下丹田かたんでんの核となる名穴です! ここに温かな刺激を加えることで、生まれ持った『原気』を劇的に補い、極度の疲労、脱力感、気力低下、免疫力の低下、下腹部の不調を一瞬で跳ね返す、東洋医学において生命力を補う絶対の補気要穴です!」


枢が力強く指を突き出す!


「な……何だとぉぉぉッ!? 吸い尽くしたはずの元気が、腹のツボ一つで際限なく湧き出てくるというのかぁぁぁッ!?」

金剛が驚愕に目を見開く。


「ガストンさん、ネネさん、哭さん! 命の海を満たした今こそ、金毒の暴走を打ち砕く時です!」


「おうよッ! 仲間と先生のおかげで、俺のエネルギーは満タンだぜぇぇぇッ! いくぞみんなッ!」


ネネが空中から放った『清霊の矢』が金剛の金剛爪の関節を射抜き、哭が影から潜んで金剛の背後の気脈を断ち切る!


「これで終わりだぁぁぁッ! 豪力・絆の太刀割り――気海極限爆砕断ッ!!!!」


ドカァァァァァァァンッ!!!!!!!!


ガストンの魂の乗った一撃が金剛の巨大な鎧と金剛爪を粉砕し、旧鉱道の奥深くへと叩き伏せた!


「グハッ……! 馬鹿な……我が過剰吸入の金毒が破れるとは……ッ! だが……タダでは倒れんぞ……ッ!」


倒れ伏した金剛が最期の力を振り絞り、坑道の支持柱となる巨大な金毒結晶へ向けて邪気を叩きつけた!


バリバリバリッ――ズズズズズンッ!!!!!


「な……坑道全体が崩落を始めたぞ……ッ!?」

ガストンが叫ぶ。金剛を退けたものの、旧鉱道の崩落と、溢れ出した金毒の濁流が往診チームの逃げ道を塞ぎ始める――!

 第612話をお読みいただき、ありがとうございました!


金剛の金毒過剰吸入によって極限まで体力を奪われたチームを、枢先生が『気海きかい』の刺鍼で見事に補気・覚醒させ、凄まじい連携攻撃で金剛を撃破いたしました! しかし、金剛が最期に残した悪あがきによって旧鉱道が崩落を始め、往診チームは新たな窮地へと立たされる展開となっております。


 さて、今回は作中で枢先生がガストンさんたちの極度の倦怠感や脱力感を解消した「原気脱失・気虚虚脱(過労や病後による生命力の著しい低下)」の病理に基づき、日常で「身体が重くてだるい、疲れが溜まって力が入らない、気力が出ない、風邪の後で体力が戻らない、下腹部が冷えて力が入らない時」に、身体の底から「元気」を強力に補い、パワフルな体力を取り戻してくれる絶対の名穴をご紹介します。


 今回登場した『気海きかい』は、おへその中心から真っ直ぐ下に向かって、指幅2本分(人差し指と中指の幅)降りた下腹部の凹みにあります。


 東洋医学において『気海』は、生命エネルギーの源泉である「下丹田」に位置し、文字通り全身の気が集まる大海のようなツボです。疲労やストレスでエネルギーが枯渇した際、このツボを温めながら刺激することで、身体の奥深くから元気を湧き出させ、疲労回復や免疫力の向上、冷えの解消に抜群の効果を発揮します。


 ケアする場合は、手のひらを重ねて『気海』に当て、お腹を包み込むようにしながら、息をゆっくり吐きつつ5秒間じわーっと優しく押し込みます。市販のカイロや温熱シートで温めるのも非常に効果的です! これを深呼吸に合わせて5回ほど試してみてください!

お腹の底からじわ〜っと暖かさが広がり、元気とやる気が湧いてきますよ!


 次なる第613話は、明日**8月13日(木曜日)のお昼【12:00】**に更新を予定しております!


崩落する旧鉱道からの脱出! 立ち込める落盤の粉塵と閉塞感に挑む往診チームの勇姿をお見逃しなく! 12時の更新をどうぞお楽しみに!

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