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『異世界で「ツボ」を突いたら神と呼ばれた件 〜指一本で魔王も聖女も救い出す、世界唯一の最強聖鍼術〜  作者: 鍼灸師いのぴー
【第五章 : 神代再編・枢復活編】

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第347話:聖域の外科往診、神罰騎士団を「神代の解剖図」で外科粉砕せよ

「心臓」「右腕」「叡智」を統合したミナの歩みは、もはや重力を感じさせないほどに軽やかで、かつ、一歩ごとに大地を翡翠色の光で浄化するほどの神威を放っていました。

辿り着いたのは、世界の果てに隠された「神の庭」。

そこには、くるるの肉体が、全宇宙のエネルギーと直結した状態で「完全なる静止」を保っていました。その肉体が目覚めれば、現世の神々の権威は失墜し、世界は再び「一人の医師」の手に委ねられることになります。


「おやおや。……。世界のバランス、……ですか。……。神々が椅子に座って、……民が泥を啜るのが『バランス』だというのなら、……そんな歪んだ脊椎、……私が今ここで粉々に粉砕してあげましょうか。……。ミナ、……。準備はいいですね。……。神様たちを、……最高に痛い『再教育』の時間へとご案内しなさい」


ミナの脳内に響く枢の声は、今や地鳴りのように轟きます。

復活を阻止せんと現れた、光り輝く神罰騎士団三千。ミナは一人、師の肉体を守るため、神々の軍勢を相手に「無双」の執刀を開始します。


15時、昼の往診(四回目)。聖域の外科往診。

聖鍼師ミナ。神罰という名の病を、一鍼で完治させます。

 神の庭は、人界では見たこともない極彩色の花々と、黄金の滝が流れる、まさに生命の極地であった。

 その中央、巨大な世界樹の根元に、石化していたはずのくるるの「本体」が座していた。ミナが近づくと、彼女の中に眠る「心臓」「右腕」「叡智」が共鳴し、周辺の空間にパチパチと翡翠色の火花が散る。


 だが、その再会の瞬間を、空から降り注ぐ白銀の閃光が遮った。

 「(……。止まれ、不浄なる人間よ。……。我らは天界を守護する神罰騎士団。……。枢の復活は、……世界の理を乱し、……再び神を否定する傲慢な時代を招く。……。その魂を回収し、……永遠の虚無へと処方せよ!)」


 三千の神罰騎士団。彼らは個々が英雄級の力を持ち、その剣筋は一振りで山を割り、その盾はあらゆる魔法を無効化する。

 ガストンが顔を強張らせ、魔導端末の数値を読み上げた。

 「(……。バ、……。……。バカナッ!? 一人一人の魔力出力が、……これまでのボスクラスを遥かに超えている! ……。ミナ、……。無理だ、……。これだけの数を相手に、……先生を復活させるまで持ち堪えるなんて!)」


 カサンドラも大盾を構えるが、神々の威圧感に膝が震えていた。

 「(……。これが、……神の力。……。私たちの『人間としての医術』なんて、……彼らには届かないというの……?)」


 しかし、ミナは、静かに笑った。

 その仕草、その不敵な微笑みは、まさに全盛期の枢先生そのものであった。


 「(……。おやおや。……。ガストンさん、……カサンドラさん。……。神様なんていうのは、……ただの『健康寿命が長すぎるだけの患者』ですよ。……。傲慢という名の肥大した自己免疫疾患。……。ミナ、……。私の叡智を使いなさい。……。彼らの陣形を、……一つの巨大な『経絡の乱れ』として診切るのです)」


 ミナの右腕が、黄金の光を放ちながら膨張した。

 彼女の視界には、三千の騎士団が個別の兵士としてではなく、一本の大きな「神経系」として映し出されていた。


 「(……。見えました。……。皆さんの連携、……一見完璧に見えますが、……その根底にあるのは『恐怖』という名の不整脈です。……。神様に見捨てられることを恐れている、……哀れな白血球さんたち。……。……。行きます!)」


 ミナが、翡翠の杖を地面に突き立てた。

 次の瞬間、彼女の姿が消えた。


 ――ズシュゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!


 最前線の騎士が、何が起きたか理解する前に、その鎧の隙間――**『肩井けんせい』を、ミナの指先が貫いていた。

 物理的な打撃ではない。騎士の全身を流れる「神力」の循環を、外科的に遮断したのだ。

 一人、また一人。ミナが戦場を舞うたびに、神罰騎士たちは声を上げることもできず、糸の切れた人形のように崩れ落ちていく。


 「(……。な、……なんだこの動きは! ……。剣が当たらない! ……。まるで我々の動きを、……執刀前のレントゲンを見ているかのように先読みされている……!)」


 「(……。おやおや。……。レントゲンなどという前時代の道具と一緒にしないでください。……。私は、……あなたの細胞一つ一つが、……次にどこへ逃げたがっているかまで、……診えているのですよ)」


 ミナの口から、枢の冷徹な毒舌が飛び出す。

 ガストンとカサンドラは、その圧倒的な無双振りに呆然と立ち尽くしていた。

 ミナはもはや、守られるべき弟子ではなかった。

 彼女は、枢の技術と、自身の若き熱量を融合させた「完成された聖鍼師」として、神罰という名の暴力を、外科的に解体し続けていた。


 三千の騎士団が、わずか数分で全滅に近い状態に陥った。

 最後に残った騎士団長が、自身の命を捧げた究極の神術「天罰の雷」を放とうとした。


 「(……。認めぬ……! 人間風情が、……神の領域を汚すことなど! ……。この一撃で、……貴様も枢の肉体も、……灰になれ!)」


 空が割れ、巨大な雷の槍が降り注ぐ。

 だが、ミナは逃げなかった。

 彼女は枢の右腕を天に掲げ、飛んできた雷の槍を「直接、手で掴んだ」。


 「(……。おやおや。……。これほど高熱の電気信号を、……治療に使わない手はありませんね。……。ミナ、……。このエネルギーを、……そのまま私の本体へと、……心臓マッサージとして流し込みなさい!)」


 ミナは雷を掴んだまま、世界樹の根元に座る枢の肉体へと跳躍した。

 彼女の銀鍼が、肉体の中心――『神闕しんけつ』**へと、神の雷と共に突き刺さった。


 ――ドォォォォォォォォォンッ!!


 神の庭全体が、翡翠色の爆辞に包まれた。

 衝撃が収まった後、そこには、三千の騎士団の残骸と、静かに立ち上がる一人の男の姿があった。


 深い灰色の瞳。

 不敵な笑みを浮かべる口元。

 そして、何も持たずとも世界を屈服させる、圧倒的な覇気。


 「(……。ふぅ。……。随分と、……長い昼寝をさせてもらいました。……。おやおや。……。世界は、……私がいない間に、……また随分と、……不潔な病巣を増やしてしまったようですね)」


 くるる先生、完全復活。


 ミナは、その背中を見つめ、涙を流しながら膝をついた。

 ガストンとカサンドラも、そのあまりの神々しさに、呼吸を忘れて平伏した。


 第347話。

 聖鍼師・枢。彼は、弟子の執念と神の雷を糧に、再びこの世へと舞い戻った。

 復活した瞬間に放たれたその気圧だけで、神の庭を監視していた現世の神々の鏡が、次々と粉々に砕け散る。


 「(……。さあ、……。往診の続きを始めましょうか。……。まずは、……空の上で震えている、……不養生な神様たちから、……外科的に診てあげるとしましょう)」


 復活した枢先生の無双。

 ここから、第五章は真の「完治」へと向けて、爆発的な加速を開始する。

本日、4月29日(水・祝)15:00、ついにくるる先生の完全復活を描いた一話を最後までお読みいただき、ありがとうございます。


第347話。

いのぴー先生の「枢先生に無双してほしい」という願いを、ミナさんの神罰騎士団三千切り、そして神の雷を利用した「自己心臓マッサージ復活」という、かつてないスケールの展開で形にいたしました。


今回、枢先生の肉体を再起動させ、神罰騎士団を鎮圧するためにミナさんと枢先生が意識した術式を解説します。

まず、三千の騎士団の連携を一瞬で崩壊させ、個々の生命エネルギーを強制停止させるための起点とした**『肩井けんせい』。肩にあるこの要衝に対し、ミナさんは枢先生の叡智による超高速移動でアプローチすることで、物理的な破壊を伴わない「広域機能停止」を外科的に実現しました。


そして、降り注ぐ神の雷という巨大なエネルギーを取り込み、心臓停止状態の肉体を物理的に再始動させるためのアンカーとした『神闕しんけつ』。臍にあるこの生命の門に対し、雷の槍を直接突き立てることで、枢先生は自身の細胞一つ一つに「神の熱量」を外科的に再装填することに成功したのです。

最後に、復活直後の不安定な肉体を世界の地脈と再接続し、全方位に威圧的な覇気を放出するための最終回路とした『足三里あしさんり』。この往診を経て、枢先生は以前の「神の腕」を持っていた頃よりも遥かに強大な、人間にして神を凌駕する「聖鍼王」へと再誕しました。


次回の第348話は、本日祝日【18:00】**に更新予定です。


復活した枢先生が最初に向かうのは、天界の王座。神罰騎士団を壊滅させられたことに激怒した最高神・ゼウスが、自ら地上に降り立ちます。

「(……。おやおや。……。わざわざ診察室まで来てくださるとは、……気の利く神様だ。……。その雷に打たれすぎた神経過敏、……私が一鍼で、……外科的に完治させてあげましょう)」


18時、夕方の往診。天神の外科往診。

聖鍼師・枢。復活後一発目の無双は、「神々の王」の解体です。どうぞお見逃しなく。

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