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恋する乙女ベルバラの逆ハーレムで決して恋にはならない異世界転生  作者: 櫻井莉緒
1章 絢爛豪華なお城で逆ハーレム
11/14

11話 貴族のパーティー、高種族「吸血鬼」現る。

 異世界転生をしたはずなのに、身長150cmほどで全然赤ちゃんスタートじゃないし、なにか命を受けてどこか別の場所からこのローズ国まで来たみたいだし、どれもこれも私を担当した女神様が新人だったせい?


 はぁー。それにエリスのことも何もできていないのに、スケジュール組まれちゃうし、私シスターじゃないのに...。


「そんな浮かない顔をしては、せっかくのパーティーが楽しめないよ。」

「そうですね。」


 シャンパン?グラスを片手に、第二王子のレナードはスッとフードの中から髪を指に絡めるように触れてきた。

 咄嗟に、ぺちんとその指を手で叩き落とす。


「僕はベルバラさんと遊びたいだけなのに」

「……。」

「ベルバラさんに素敵なドレス用意してたのになぁ、今からでも着る?」

「いえ、私はこれで十分です。」


 貴族が集うパーティーにて、小さなテーブルを介した2人席、私はいつもと変わらない黒装束を着て、レナードは席に座らずテーブルに腰を寄せて話していた。

このパーティーの主催者は第一王子のギルベルトとロレーヌである。その2人は別室にて大事な話...即位式についての話をしている。こういうとき、どうやら第二王子のレナードは除け者にされているよう。


「レナード様~♡お久しぶりですわぁ~!」

「久しぶり。最近は顔を出してなかったから、えぇとあなたはーーー」


 目の前で話されて邪魔なんだけどなぁ。レナードの腕を掴み、彼女は自身の谷間で挟み、ギロリと私に目線を送った。


 あぁ、なにこれ私がどっか行かなくちゃならないの?


 ガタッ、椅子を引いて立ち上がる。


「レナード様、私は外の空気を吸いに席を外します。」

「そう?」


 去り際ーーーレナードの...が、主張しているのが見えた。


 パーティーの談笑が微かに漏れるバルコニーにて、ベルバラは手すりに両腕を乗せる。


 もしかしてレナードは体が敏感?その上、この前の晩餐会?では、ずーっとローザに...されてても迎える様子がなかったし、遅漏でもある?

 何にせよ、第二王子レナードも素敵な王子様じゃない。はぁ、せっかく王子様というオプションがついてるのに中身がなぁー。終わってる。


 ーーー欠けた黄金色の月が照らす夜空の下、ため息を吐き出しながら振り返ったベルバラの目線の先...そこには、息を呑むほど美しい見目をした男が立っていた。

 腰下まで伸びた夜を体現したかのような漆黒の髪、その目は血を連想させるような黒が混じった赤い目をしていた。

 彼は自身の顎に指先で触れ、口角をあげて微笑んだ。その口には人間と異なる鋭い牙ーーーそれは書斎で読んだ本と類似し、おそらく彼は人間には住めない高い魔力が流れる「魔界」で生きることのできる「高種族」と呼ばれる「吸血鬼」だ。


「その格好、貴族には見えないが?それにあの第二王子と話してる様子、...即位式のために呼ばれた秘密の彼女といったところか?」


 ードクンッー


 この男の目に、赤い目を見ているとたとえようのない不快感が胸の中で募る。


 ベルバラは袖で口元を隠す。


「はじめてお会いする相手への詮索、あまり良い趣味とはいえませんよ。」

「はじめてか。俺ははじめて会ったような気がしないんだよな。」


先ほどのレナードと同じように、ベルバラの髪に触れようとした男の腕を叩こうとした瞬間、グイッと男はベルバラの腕を掴んだ。

「なっ!?」

引き寄せられ、体勢を崩したベルバラの背中に男は腕を回し、バルコニーの手すりにベルバラの体を押し当てる。

押し倒されるような体勢になってしまい、これ以上近づけさせないようにせめてもの抵抗で、ベルバラは右腕を掴まれながらも両手で男の胸を押す。


「離れっーーー」

「お前も分かるだろ?姿が変わろうと、その者から流れてる魔力は同じだ。たとえ血族だろうと流れる魔力が異なる。...この魔力、どこかで...」


私はこの男と会ったことがある?ってことは、やっぱり私が目を覚ました以前の何かがあるってことなの!?


「あなたの勘違いでは?とにかくっ!離れってっ!!」

「あぁ、運命的な出会いと思って感動してしまって。」


どこに運命を感じたの!?


「今のお前とはじめて会ったというなら自己紹介をした方がいいか。ーーー俺はヴラドだ。」


ヴラドからようやく解放され、距離をとるベルバラ。


「こんな無礼な行為をされて、私が自己紹介すると?あなたなんかに教える名前ありません。」

「おっと、手厳しい。」


「ベルバラさん!このケーキとても美味しいよ!」


最悪なタイミング...なぜ今!?子どものような笑顔で、ケーキが乗ったお皿を掲げるレナード。私は頭に触れ、ため息を吐き出してレナードの方へと歩き出す。



ーーー○ー○ー○ーーー



ベルバラ。ベルバラ...それにあの魔力。


「ククッ...ッハハハ!!」


まさかあの魔王城の娘だっていうのか。

俺の元から離れた理由がこれか?この人間の国に、一体なにをしようとしてるんだ?


これは面白いものが見えそうだな。

やっと吸血鬼が登場しました!ほんっとうに吸血鬼好きなんですよね!そしてこの吸血鬼、もしかしてベルバラのことを知ってる???

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