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雪を見る

Saton:《で、トップチームDestinationメンバーの華湖さんから見て、ウチらどうだった?》

KAKO:《何その言い方ー》

RERU:《あははー》

Ai:《でも、私も気になるなー》


大会後、Secret(シークレット) Garden(ガーデン)メンバーの愛、里美、玲流は華湖を反省会という名目で誘い、リーダーである愛のルームに集まっていた。他のメンバーも誘ったのだが、もう夜も遅いから、ということで断られ結局集まったのはいつものメンバーだった。

初戦を見事な逆転で勝利した彼女たちはそのまま順調に勝ち進んだものの、惜しくも準決勝で敗れてしまった。だが、その相手はアマチュアでも強豪(きょうごう)として知られており、結局優勝したチームだったので、負けて悔いなしという感じで、反省会もどちらかというと明るい雰囲気(ふんいき)だった。


KAKO:《うーん…良いと思ったよ》

Ai:《ん?それだけ?》

Saton:《何よその小学生並みの感想は!?もっとなんかあるでしょ!》

KAKO:《えー。そう言われてもなぁ》

Saton:《でもさ、あれは良かったでしょ、初戦のアタシのバックドア!》

KAKO:《ああ!あれはすごかった!練習してたの?》

Ai:《あれは一発逆転狙いで、里美がやるって言ったんだよ》

RERU:《そうそうー練習なしなのにー、上手くいったよねー》

Saton:《あの試合、かなり危なかったんじゃない?》

Ai:《相手が強かったよね。なんてとこだっけ?》

RERU:《えっとー。ぴ…》

Saton:《ぴ?》

Ai:《ぴ…なんとか》

KAKO:《誰も覚えてないじゃん!》

RERU:《忘れちゃったー》

Saton:《まぁ相手のことはイイじゃん。それよりもっとアタシをほめなさいよ!》

KAKO:《はいはいつよいつよい》

Saton:《感情がこもってない!》


里美意外が顔を見合わせて笑った。

そのあとも細かいところをあの時ああだったとか、こうだったとか、お互いに注意したり()めたり、意見を言ったりという感想戦を行う。次はもっとこうしよう、という具体的な目標ができると、またゲームがやりたくなってウズウズしてくる。そんな流れで、大会で散々やったというのにまたゲームをやってしまう。


Saton:《あーおもしろかった!にしても、今日はクリスマスだってのに、アタシたち何してるのかね…》

KAKO:《まぁ、全然クリスマス感ないよね…》

RERU:《あ!私ーあるよー》


(ある…?)華湖が疑問に思ってみていると、玲流はパッとケーキを取り出す。イチゴが乗った大きなホールケーキだ。もちろん、本物ではない、3Dオブジェクト(バーチャル)のものだ。


Saton:《いや、あるよーって、これケーキのオブジェクトじゃない!》

RERU:《うん。これでークリスマス感でるかなー》

Saton:《ま、無いよりマシか》

Ai:《あ、そんなら私も》


今度は愛が大きな七面鳥(しちめんちょう)の丸焼きのオブジェクトを出す。こんがりきつね色をしており湯気がもうもうとあがっているリアルなタイプだ。


KAKO:《あ!じゃあコレも!》


華湖はクリスマスツリーを出した。それからサイズを調整し、ルームの天井ギリギリの大きさにする。


Saton:《じゃ、アタシも…》


里美はプレゼントボックスを出す。いくつかサイズ違い、色違いを出し、ツリーの下に設置する。気がつけばみんなあれもこれもとクリスマスっぽいアブジェクトを次々と取り出し、部屋を飾り出した。


Saton:《おー!なかなかそれっぽくなってきたねぇ》


ルームが賑やかになっていくと、不思議なものでテンションも上がってくる。


KAKO:《ところでさ、愛ってMKTのファンだったの?》


ルームの壁に飾り付けをしていた華湖は、貼られているMKTのポスターに気が付いた。どちらかというと女の子っぽい可愛らしいルームだったが、それだけに違和感(いわかん)があった。


Ai:《そうだよ。言ってなかったっけ?》

Saton:《アタシも笑空先輩が入ってから見てるよ》

Ai:《私は先輩が加入する前からのファンだから!》

Saton:《ハイハイ、出た出た古参(こさん)アピール》

Ai:《なっ!ホントなんだから良いでしょ!》

KAKO:《誰のファン?》

Ai:《それはもちろん!キングZerosu(ゼロス)様でしょ!》

RERU:《あー、あの引退するひとー?》

Ai:《う…》

KAKO:《あ…》

Saton:《ちょ、ちょっと玲流!》

RERU:《えー?なんかーダメだったー?》

Ai:《ううん、もう良いよ。さすがに聞いたときはショックだったけどさ》

RERU:《そっかーゴメンねー》

Ai:《でも代わりが笑空先輩だからねー!それは嬉しかったし》

Saton:《そうそう!さすが先輩だよね!》

KAKO:《うんうん。なんか遠くに行っちゃったなーってカンジ》

Ai:《たまには顔見せてほしいよねー》

Saton:《わー!そしたらサインもらおーっと!》

Ai:《先輩に迷惑(めいわく)かけるんじゃないの!》

Saton:《えー、(きび)しいなぁ…》

RERU:《あー!見て見てー!》


玲流が窓の方を指さしている。見れば外ではチラチラと雪がふっていた。もちろん本物ではないが、運営からの(いき)なはからいのようだ。


Saton:《雪だ!》

KAKO:《スゴイ!こんなことできるんだ?》

Ai:《そうそう。去年もクリスマスになる時だけふったんだよ》

RERU:《ホントだーもうこんな時間かー》


時間を見ると気づけば日付が変わってクリスマス当日になっていた。みな楽しさのあまり時間を忘れてしまっていたようだ。そんなわけで、そろそろ解散しないと…という空気になっていった。

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