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クリスマスを過ごす

夜になると、街のいたるところでクリスマスのイルミネーションが輝きだす。玄関にリースを飾る家も最近では珍しくない。家屋(かおく)を大量のイルミネーションで飾り付けたりする家庭も増えた。これらはLEDの技術が進んだおかげだろう。そんな折、ついにクリスマスイブがやってきた。この日は今女生徒たちにとっても特別な日だった。


《さぁ、クリスマスイブに予定のない皆さん!お待たせしました!BoCクリスマスカップ、いよいよスタートです!》


一体、なぜわざわざ今日この日なのか?それはまったく理解に苦しむが、参加者も配信の視聴者も多く、盛況(せいきょう)と言って差し支えない。そんなコミュニティ大会が始まったのだった。


ROLU:《ホント、なんで予定がないんだよお前ら!》

KANKO:《いやいやいや、そりゃアンタもでしょ!》

Ikky:《なんでこんなに視聴者もいるんスかねぇ…》

KAKO:《みんな、寂しいですね~》


その大会をみようと楼瑠のルームに集まったのはDestinationの兎咲を除く4人だ。


Ikky:《うさちゃんは来てないッスけど、まさか…》

ROLU:《いや、なんかクリスマス配信するんだと》

Ikky:《へー?ホントッスかねぇ?》

KAKO:《さっきチラッと見ましたよ。本当にやってました》

KANKO:《ッカー!いくら女子校ったって、もうちょい浮いた話はねぇのかい?》

Ikky:《いや、それは3年の先輩方こそ、焦ったほうが良いんじゃないッスか?樹たちはまだJKブランドあるんで。な?華湖》

KAKO:《そ、そうですね~。あはは》


いまだ男性に興味のない華湖は適当に空返事(からへんじ)をするしかない。


ROLU:《樹はどうなんだよ?良い相手いないのか?》

Ikky:《それがいないんッスよねぇ》

KANKO:《アンタ、モテそうなのにねぇ》

Ikky:《いや、どうも寄ってくるのがチャラい男ばっかりっていうか》

ROLU:《ああ、なるほど類友(るいとも)ってやつな》

Ikky:《そんならゲーム好きな男が来ても良さそうだと思わないッスか?樹に言い寄ってくる男って、なぜかみんなゲームに興味ないんスよ。一緒にゲームやりたいのに、なんかクラブいこうとか…そんなんばっかッスよ》

KANKO:《アンタ、そういうとこ行かないんだ?意外だねぇ》

ROLU:《確かに…》

Ikky:《樹ってそういうイメージッスか?》


《続いてご紹介するチームは『Secret(シークレット) Garden(ガーデン)』。ここはなんと全員女子らしいですよ!みなさん、注目しましょうね!》


ROLU:《お、ここが里美たちのチームだよな?》

KAKO:《あ、ハイ!そうです!》


今日、大会に出場登録していたのは、この日のためにチーム名を新たに付けた1年生代表チームだった。華湖の盟友(めいゆう)でもある愛、里美、玲流がメンバーに名を連ねている。今女ではこのようなオンラインの大会であれば、参加することは生徒の自由とされていた。華湖も出たいと申し出ていたのだが、お前は有名だから、というよく分からない理由で断られていた。

ということで仕方なく、華湖はチームメンバーを誘って一緒に観戦(かんせん)することにしたのだった。


KANKO:《そういや松原情報高専への偵察、どうだったんだい?》

ROLU:《バッチリ中まで入って見てきたぜ》

KAKO:《そうなんですよ!部長、急に中まで入るからびっくりしましたよ!》

Ikky:《中、入ったんだ!スゲー!樹も行きたかったわー》


樹は二人の大胆不敵(だいたんふてき)な行動に驚き、ケラケラと笑った。


KANKO:《で?どんな感じ?》

ROLU:《部員は50人はいたかなぁ?eスポーツ部は一つのでっかい教室に集まって活動してるみたいだった。総数で言ったらウチらのが多いかもね。ただ、設備(せつび)は良かったよ。最新のプレリアン・ウェアが何台もあったよ》

KANKO:《そいつぁ景気(けいき)が良いや!》

KAKO:《ちょうど練習してました。かなり基本をみっちりやってる感じでしたね》

Ikky:《基本かぁーそういう地味なの、樹キライなんだよねぇ》

KANKO:《だからオメェはちっちゃいミスが多いんだよ!》


そう言うと栞子は大きなハリセンを振り下ろすエモートを使う。


Ikky:《あっ!バーチャルでもハリセン使ってる!》

KANKO:《あたぼうよ!こいつぁアタイの相棒だからな!》


そんな二人を放っておいて楼瑠が続ける。


ROLU:《学校はめちゃくちゃキレイだったしなー。あれは生徒が集まるよ》

KAKO:《ガラス張りでカッコいい校舎でしたねー》

ROLU:《タブレット支給で、校内はどっからでもWiFiがつながるらしい》

KANKO:《ほー!さすが『情報』って言うだけのこたぁあらぁな》

ROLU:《あそは今後も強くなると思うよ。来年以降も注意だな》

KAKO:《ですよね。全員一年であの強さですもんね》


その相手をしなければならない華湖は今から気が引き締まる思いだった。eスポーツの今女として、先輩たちが卒業した後も強くなければならないのだ。


Ikky:《ところで、一回戦の相手はどこだっけ?》

KAKO:《えっと、Pitbull(ピットブル)っていうとこです》

ROLU:《知らんな》

KAKO:《ここも高校生のチームらしいです》

KANKO:《そりゃちょうど良さげな相手だねぇ》


そんな話をしていると、まさにそのSecret Garden対Pitbullの一回戦が配信試合に選ばれたようだった。

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