表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
76/166

リードされる

ソルジャーや中立モンスターを倒し、レベルを上げお金を稼ぎ装備を整える。そうしてお互いにカリスマを成長させていく。いくどか接敵し攻撃を当て合うこともあったが、いずれも牽制(けんせい)程度で終わる。

そのような時間がすこしの間、続いた。

こういった場面でも操作の正確さや立ち回り方、効率の良さでゴールドの量に差が出る。だが、両校ほぼ互角であった。


10分過ぎ。

先程のお返しとばかりにアッパーに兎咲が奇襲をかける。松原情報高専のアッパーは高速移動のスキルを使い、なんとか逃げる。そして、さらにそこへスカウトの選手も助けに入る。そのおかげもありアッパーは逃げ切ったが、助けに入ったスカウトを兎咲が仕留めた。これで今女は2-1でキル数を一つリードする。


15分あたりで今度はダウナーで動きがあった。

華湖、栞子に兎咲と相手アタッカー、サポート、スカウトの3対3の集団戦が起こったのだ。


KAKO:《敵のスキルかわしました!詰めます》

KANKO:《ガッテン承知(しょうち)!》


相手アタッカーのスキル攻撃をギリギリでかわした華湖は攻める体制に入った。これはプレイスタイルの変化によるもので、以前ならこの段階ではまだ攻めることはなかった。チャンスがあれば積極果敢(せっきょくかかん)に攻める。

だがこれは松原情報高専の仕掛けた罠だった。

逃げ惑う相手を追いかける華湖と栞子だったが、後ろから相手スカウトが突如(とつじょ)現れたのだ。


KAKO:《後ろ!敵です!》

KANKO:《しまった!誘われたか!》


2対3という数的不利で、挟撃(きょうげき)の形にされた。万事休すかと思いきや、そこへ兎咲が助けに入った。


UsagiPaisen:《2人とも、下がるぴょん!》

KAKO:《了解!》


3人がかりで後ろのスカウトを仕留めたが、詰めてきた敵2人に華湖がキルされてしまう。

これで3-2。


ROLU:《松原情報高専、強いな…》

KANKO:《さすがP校を破っただけのことはあらぁね》


プランBだから、という言い訳をすることもできたが、彼女たちは素直に対戦相手の強さを認めていた。キル数で1つ差を付けているとはいえ、まったく予断(よだん)を許さない状況だった。

それを裏付けるかのように、アッパーのフォートレスを破壊されてしまう。アッパーで楼瑠がリードを奪われているのは明らかだった。


そして開始から18分。

松原情報高専は全員集まり、竜狩りを狙いにいく。中立モンスターの中でも重要な火竜がターゲットだ。

この動きを察知した今女も全員集結し、5対5の集団戦が勃発(ぼっぱつ)した。


UsagiPaisen:《火竜狙ってるよ!集まるぴょん!》

Ikky:《させねぇ!》

KANKO:《止めるよ!》


松原情報高専はアッパーが火竜に攻撃を続け、残りの4人がそれを守るように戦った。今女も総攻撃を仕掛ける。


KAKO:《ダメです!間に合いません!》

ROLU:《クッ…!逃がすな!》


粘った松原情報高専は火竜狩りに成功。だがその代償は小さくなかった。1人が竜狩りをしながらだっため、5対4の状況で戦ったからだ。すでに瀕死(ひんし)のプレイヤーが数人いる。彼らは目的を達成すると、すぐさま近くの通路に逃げ込んだ。

今女は逃すまいと、その通路に入りあとを追う。

そこを一本の太い光線が貫いた。松原情報高専アッパーが放ったウルトである。


ROLU:《しまっ…!》

Ikky:《ヤバッ!》


通路に入ったためメンバーが一直線にならんでいた。そこを狙われたのだ。かろうじて一番うしろにいた華湖は避けることができたが、一気に形勢が逆転する。

今度は今女が逃げる立場になるが、先頭きって追っていた楼瑠、樹、兎咲が次々と倒れてしまう。

これで3-5となり、ついに逆転を許してしまった。


徐々に差をつけられ始めた今女、特に楼瑠のアッパーでの不利は明らかだった。

だが、次に松原情報高専が狙ったのはセンター樹であった。

センター、スカウトそれに加えアッパーまでもがセンターに集まり樹に襲いかかった。


Ikky:《ヤバッ!こっち来てる!逃げ切れない!》

UsagiPaisen:《ごめん!間に合わないぴょん!》


松原情報高専は一気に樹をキルすると、そのままセンターのフォートレスを破壊する。兎咲もどうすることもできず、下がるしかなかった。


Ikky:《アイツら…!狙ってやがった!》


有利なアッパーでなくセンターが狙われたのは、樹が今女の『穴』であると思われたからに他ならない。

経験豊富な楼瑠を狙うより、入ったばかりの樹の方が(くみ)しやすい相手であるという判断だった。それは樹にとって屈辱(くつじょく)以外の何物でもなかった。


Ikky:《舐めやがってぇぇ!!》

UsagiPaisen:《樹!待つぴょん!》


改善されていたと思われた樹の攻撃癖が復活してしまう。

屈辱、悔しさ、怒り…樹は感情を爆発させ、なりふり構わず攻めに行く。だが松原情報高専はそんな樹の気迫に押される、というほど甘い相手ではなかった。冷静に的確に、あっさりと返り討ちにあってしまう。


Ikky:《クソッ!クソッ!》

ROLU:《落ち着け樹!感情的になるな!》


これで3対7。

ここまでリードを広げた松原情報高専は、中立モンスターの中で最も重要なマーキスを狙いにいった。これを取られると差は決定的になってしまう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ