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配信でも報告しよう

今日は大会後、初配信である。

タイトルには『Phase ZERO優勝記念配信!』と入れてみた。これで少しでもフォロワー、視聴者が増えてくれればなぁ、という淡い期待があった。

(ちょっと…承認欲求出しすぎかな?)

などと気になりもしたが、アピールすべきことはすべし!と自分に言い聞かせた。


Samurai_ME:優勝おめでとうでござるよ

Coolout:おめでとうございます

5AMMM:おめっとさん!


配信開始から数分で、早速いつものメンバーがやってくる。

彼らとて、今か今かと配信を待っているわけではない。華湖の配信は学校、部活が終わってからの夕方から夜の時間が多かったが、固定ではなかった。それでも素早く視聴しに来られるのは、フォロワーには通知が行くので配信が始まったことはすぐに分かる仕組みになっているからだ。それに、ネット環境さえあればスマートフォンやタブレットでも視聴することができる、というのが大きかった。おかげで出先や移動中に見ている、という視聴者も少なからずいるようだ。


「みんな、ありがとー!大会見てくれてた?」


Samurai_ME:会場には行けなかったでござるが、配信は見たでござるよ

Coolout:私は有給が取れたので、現地にいましたよー


「おお!そうなんだ!?声かけてくれればよかったのに」


Coolout:いやいやwそんな空気じゃなかったですよ。なるべく大声で声援は送ってましたよー

Feer:いやー、俺も見てたけど、あのサリーはヤバかったねぇ


「えへへ、そうかな?でも本当にみんなのおかげだよ」


Samurai_ME:拙者達のおかげ?

Coolout:KAKOさんのお力ですよ!

5AMMM:Cooloutさんの声援が届いたんかな?


「いや、声援って正直、聞こえないんだ。ノイズキャンセリングしてるからね。そうじゃなくってさ、なんていうか、この配信のおかげでさ、人に見られながらプレイするってことに慣れたんだよね」


Coolout:なるほどーそれはあるかもしれないですね

5AMMM:見られるの苦手なんか?


「うん。今までじゃ無理だったよ。私ってコミュ障だから…」


Coolout:あっそれで?あの黒い布、かぶってたんですか?

Samurai_ME:あー!それそれ!拙者も気になってたでござるよ!

5AMMM:確かに被ってたなぁ


「そう…あれも、実は、人前に出るのが無理すぎて…」


Feer:そういうわけだったんだね

5AMMM:難儀やなぁ


「私、配信やってて良かったって思った」


Feer:こっちこそ、配信してくれてありがとうって感じだけどねw

5AMMM:そそ。みんな楽しみにしてるんやで

Samurai_ME:この配信のおかげで辛い毎日を乗り越えられるでござるよ!


そんな言葉に、華湖は思わず泣きそうになってしまった。

今まで邪魔者扱いばかりされてきた華湖にとって、誰かから必要とされるということは、まるで存在を許されたような安心感があった。


Coolout:にしてもKAKOさん、最後の試合なんてマジですごかったよ。あれは本当にプロ級では?

Feer:サリー使わせたら誰も勝てないよね

Samurai_ME:配信で練習してたリンも良かったでござるよ


「そそ。それなんだけどさぁ。やっぱまだまだカリスマプールが狭いと思うんだよ」


Coolout:確かに、もっと必要ですね。上級者なら10体くらいは使えるそうですし

Feer:プロなら20体以上とか、それくらい


「エア先輩は40以上って言ってたなぁ」


5AMMM:エアってAzmu選手やんな?

Feer:えー!そんなに!?

Coolout:あの方はちょっと別次元ですからね

Samurai_ME:そう言えば、プロチームからスカウトがきてるらしいでござるな?


「え?それは聞いてないよ」


Coolout:おっ事情通のSamuraiさんでも間違えるんですねw

Samurai_ME:いやいや、確かな筋からの情報でござる

Feer:KAKOさん、隠してるね?


「ええ?本当に知らないよ」


Samurai_ME:まぁまぁ、それは言えないこともござろう

Feer:そっか。まだ秘密か

5AMMM:そらなんでも言えるわけないわな


「少なくとも、私が聞いてないのは本当だよ。先生とかは知ってるかもだけど」


Feer:なんか言える情報あったらおしえてね


(確かに、笑空先輩ならスカウトされてもおかしくないかも。実際にされたらどうするつもりなんだろう?)

華湖はこの話を笑空にする自分を想像してみた。多分、会話にならないだろう。やはり、笑空から話してくれるのを待つしかなさそうだ。

そもそも本当の話なのか不明だ。だが、高校生がプロになる、というのは今どきは珍しくもない。笑空であればありえない話ではないのだ。もしそうなれば、トップチームDestinationからは抜けることになるだろう。大幅な戦力ダウン。いや、それよりまず寂しいという感情が湧いてきた。

(ワガママだけど、卒業まではプロにはならないで欲しいなぁ)


この日、華湖のチャンネルの視聴者数は3,000人。フォロワー数は5,000人を超えた。

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