義明へ
義明へ
マジで興醒めなんですけど。
普通私が大好きって言ってんだからそこは、
『俺も前から好きでした』
だろ?
なんでこんな気持ちで私は死ななきゃいけない訳?
なんで空気を読めないかな?
そんなんだから苛められるんだよ?
わかんない?!
まぁ、分かんないよね。
もうどうでも良いです。
私はこれで死にます。
お前はせいぜい醜くこの世界で生きて地獄に落ちて下さい。
マリ
・
「マリちゃん、スッゴい怒ってたよ?」
アニエスがそう言うと、
シャロンとマロン、イリスさんも大きく頷いた。
「マジ?」
「そこは『俺も好きでした』で良いじゃあ無いの?」
「だってマリちゃん可愛いし。俺、前はオークみたいな顔だったし、そんな、、、」
それから気を取り直して、もう一度手紙を書くことにした。
・
マリちゃんへ
ごめんね?
でもマリちゃん入手みたいな綺麗な女の子に好かれるなんて思っても見なくって、
本当にありがとう。
どうか気を取り直して、
この世界で生きて下さい。
義明
・
そう手紙を書いて再び命を譲渡した。
・
サイテーのグズ野郎へ。
お前は最低だな、
これでもまだ好きって言わないのかよ。
呆れた。
しかも、私が自分の顔が嫌いだって、
お前は知ってたよな?
知っててお前は私のルックスを誉めるんだな。
クズ野郎と同じ空気は吸えないのでもう死にます。
お願いですから放っておいてください。
・
「まぁね、絶対にこうなると思った」
アニエスが呆れた顔をして言った。
その言葉を無視して再び手紙を書いた。
・
マリちゃんへ
そんなに怒る事無いと思うよ?
まぁ、俺はクズかもしれないけど、
だけど、マリちゃんはもう少し冷静になった方が良い。
良く良く考えてみてよ、
俺は黒曜鉄装備をしてたよね?
だから別にマリちゃんに庇って貰わなくても実はどうにでもなったんだよね。
前からこういう所、有ったよね。
考えないで感情で色々決めちゃってさ。
スッゴい残念。
もっと冷静になって下さい。
死ぬより生きてた方が良いに決まってるんだから。
義明
・
そう書き残して再び命を譲渡した。
・
クサレチン◯ヤローへ
あぁ、
頼むから地獄に落ちてくんねぇかなぁ!
お前は生きてる価値の無い糞ヤローだな。
もうほんとに、
どうでも良いです。
私は死にます。
お前のせいで。
お前のせいで私は死にます。
良く良く覚えておいてください。
マリ
・
酷いな。
まぁ、良い。
俺がやることは一つだ。
・
マリへ
ほんとドン引きですね。
こんな言葉使うと人では無いと思っていました。
残念です。
残念過ぎて死にたくなりました。
私が死にます。
さようなら。
ちなみち、貴方は生きてるうちに、もう少し美しく生きる様に気を付けた方が良いですよ(このままでは地獄に行くのは貴方でしょうから)
・
そう手紙を書いて再び命を譲渡しようとするとアニエスがため息を付いて言った。
「何だかこんな事言うの変なんだけどさ、私の感動を返して欲しいわ、何だか興醒めしちゃった」
「全くだな」
そう言う声の方を見ると悠仁君がいた。
「本当だよ、いつまでそんな事やってんだよ?
次に義明がマリちゃんに命を譲渡したら、マリちゃんは俺が押さえて強制的に連れてくわ」
悠仁がゲンナリって感じで言う。
「悪いな、助かるよ、じゃあその方向で」
悠仁君にマリちゃんが俺に命を譲渡しないようにしてもらえば間違いない。
俺はマリちゃんの手を握った。
さてさて、
これで最後だ。
ん?
ん?
待てよ?
「悠仁君?さっきなんて言った?」
「あ?マリちゃんは押さえとくって言ったんだよ!」
「いや。その前は?」
「その前?だから『いつまでそんな事やってんだ?!』だ!」
アニエスが首を傾げて、
「ん?」
と言った。
「かれこれマリちゃんが死んでから10分はたってる?」
シャロンが言った!
その瞬間、悠仁君がマリちゃんを抱えると、
「神殿はどっちだ!!」
と叫んだ!
命の譲渡を繰り返えして時間を稼げば、
神殿で生き返らせるかもしれない!!




