聖書
聖書(イーサン視点)
神の力というものが有る。
その力はこの世の理をねじ曲げる大きな力を持っている。
自然を作り替えたり、
人を作り替える事も出来る。
この国の王家に伝わる『ロリポン』もそうだ、血統魔法と呼ばれ、直系の王家にのみ使える魔法だ。
この血統魔法を得るために使ったのが『聖書』だ。
聖書は、神が作り出したと言われ、一度使うと消失してしまう。
四代目の国王が偶然見つけた聖書を読み上げる事で、
この血統魔法を得て、今の10代目の国王はもちろん俺も使う事が出来る。
そこのロリポンという魔法は人の見た目を若くする事が出来るという魔法だ。
一見どうしようもない魔法なのだが、
実は魔法の常識を無視している。
人の体を一時的に作り替える魔法は全然ある。
例えば、身体強化だったり、
神聖魔法によるHPの回復もそうだ。
どちらも、魔法の力で一次的に筋肉組織を強化したり、
自然治癒力を強化しているのだが、
この『ロリポン』という魔法は全然違う。
人の見た目を若くする魔法なのだが、
それがずっと続くのだ。
一度この魔法を使えば、対象は若返り、それが魔法の維持無しにずっと続くのだ。
しかも、そこから新しく年齢を重ねる事が出来るというのだ。
明らかにおかしい。
常識を逸している。
もしも、現存の魔法で同じ事をしようとしたら、5分に一回同じ魔法を掛け続けなければいけないだろう。
この常識を逸した力、正しく、神の技と呼べる力を可能にしているのが、
『聖書』
この聖書はいくつか国庫に厳重に保管されている。
その内の一つに、人神様を呼び出せるというものが有る。
その聖書はもちろん一度使えば無くなってしまうので、気軽に使える様な物ではない。
しかし、召喚者達と軍の上層部の人間を集めて、神を呼び出せば、間違いなくこれから進む魔族との戦闘の士気が上がるだろう。
ミディは気に食わないが、
これに関しては意見は一致している。
魔族供を皆殺しにせねばならない。
謁見の間に入ると中には国の重鎮と、俺の配下の者達。
召喚者達で溢れていた。
もちろん、父親である国王に、ミディとそれぞれその手下もしっかり居る。
『遅いぞ!』
そんな目をミディに向けられるが無視して王の隣に座った。
「じゃあ始めてくれ」
俺がそう慇懃に言うと、
ミディは小さく舌打ちをして立ち上がった。
「これより人神様をお呼びする!」
ミディがそう言うと部屋の中がざわついた。
召喚者達も義明を中心にして何やら騒いでる。
嫌な奴を見てしまった。
思わず不愉快になる。
何が、『ブサメンは下を向いて歩くことで、出会うトラブルを5分の1に減らせる』だ。
人を不細工呼ばわりしやがって!
この顔のせいでトラブルになった事など1度も無いわ!




