魔族
魔族
魔族だというその生き物を見た瞬間、
吐き気がした。
見るからにおぞましい生き物だ、
体は小さく、性別は女だろうか?
微かに胸が膨らんでいる。
体は小さく痩せ細っていて、
全身には暴行を受けたのであろう、
皮下出血して青く腫れている。
「殺してはならん。こいつは貴重な人体実験の道具なのだ」
そうミディに言われて、
自分がいつの間にか剣に手を添えていたのに気付く。
「何なんだ?こいつは」
「これが、これこそが魔族なのだよ。義明」
這いつくばる魔族の子が怨めしそうに俺を見上げた。
パッチリとした目、
スッと通った鼻筋。
小さな口と。
しかし、
ナンテ醜インダ?
まだ身体の小さな小さな子供だ、
幼い身体の所々からは血が滲んで、
青いアザいくつも作り、
食べ物も録に食べてないんだろう。
痩せ細ってあばらが浮き出ている、
しかし!
ナントモ醜イ!
ダメだ!
このまま此処にいたら、
この魔族のガキを殺してしまう!
俺は慌ててその部屋を出た。
「プハー!」
部屋を出ると大きく息を吐いた。
「なんなんだ?あれは?!」
「あれが魔族だよ」俺の疑問にミディが答えた。「今感じてる嫌悪感。それが魔族だ」
ミディの言い方は少し変だ。
「どういう意味だ?嫌悪感が魔族?」
「この嫌悪感を感じれは魔族。感じなければ魔族ではない。
そして、この嫌悪感は『人神様』が我等に下さった物だ。
そして、この嫌悪感は我等を守っている」
「守ってる?」
「そうだ。この嫌悪感を感じた先には必ず魔族がいる」
って事は、、、。
「この嫌悪感を感じた先には必ず魔族がいて、他の生き物と間違える事は無い?」
「そうだ、敵の存在を確実に感じることが出来る。
逆を返せば、逃げたり、仲間を呼んだりする事が出来る」
「じゃあ、奇襲とか凄いやり易いんじゃないの?」
これは大きなメリットだ。
「いや、この嫌悪感は魔族供も我等に対して感じてる物だ。だから魔族との戦闘で奇襲を使ったという話しは聞かないな。
こっちが気付く頃には魔族も気付く。
まぁ、兎に角この嫌悪感を感じたら、本能に従って即座に魔族を殺せば良い。
手心なんて無用だ。
奴等も我等を確実に殺しに掛かってくるからな」
なるほど、
「そうだな、それが良いな」
ふぅ、と息を吐いて階段を上る。
同じ空気を吸うことにも抵抗がある。
やっと好きに空気を吸うことが出来る。
あんな生き物がこの世界には居るんだな。
魔物とは全然違う。
オークなんてどころじゃあ無い。
凄く、醜い生き物だった。
見た目はまぁ、人間には似ていたのかな?
目と鼻と口があって。
胸の膨らみがそうならば、
一応女の子って事になるのか?
しかし、
見ただけでヘドの出るというか、
全く、早く魔族は殲滅した方が良いんじゃないか?
さっきの魔族の女もさっさと殺した方が良い。
あんな気持ち悪い生き物なんて、、。
アレ?
俺は今何を考えてた?
殺す?
女の子を
殺す?
目のパッチリした、
鼻筋の通った、
口の小さな子供の、
女の子を、『殺す?』
オレハ今、何ヲ思ッテル?
あんな傷だらけの女の子に、、、。
オレハ今何ヲ!!




