信二です。
信二です。
「田中マリはどうした?」
イーサンのデブ野郎が聞いてきた。
「知らねぇよ?」
イーサンはこの国の王子で、デブでハゲだ。
「そんなはずは無い。田中マリはあの義明って男の事が好きだそうじゃないか。聞いたぞ?お前達の中で義明の場所を知っているのは、お前だけだ!つまり犯人はお前だ!」
ドヤ顔で言っている。
ムカつくな。
「知らねぇ」
「ほほぅ?では、嘘を言っていないか魔法で調べさせて貰うが良いかな?」
精神魔法でそんな事が出来ると聞いていた。
「いいぜ。でも、国王の了承は受けてくれよ?お前の独断に、そんなものに付き合う必要はない」
イーサンは『グヌヌ』って、悔しそうな顔をしている。
めんどくせ!
こいつが国王の了承を得る前に、俺も義明の所の行こうかな?
マリちゃんみたいにアイツに養ってもらおうかな?
マリちゃんが俺の跡を付けて義明の所に行ったのは知っていた。
俺のスキル『生粋のストーカー』は気配にとても敏感になるスキルで、マリちゃんがネズミや犬に変身していたことも、俺の跡を付けていたのも、もちろん感知していた。
なのにどうしてそれを知っていて、ばれたら国に怒られると分かっていて、義明の所に案内したのかというと。
二人がお似合いだからだ、、、、(涙)。
マリちゃんが義明の事が好きだとは前から噂されていた。
それこそイーサンのデブ野郎が知っているぐらい有名だ。
マリちゃんは絶世の美女!
と言うのが正しいが、それではちょっと足りない。
可愛くて、ちょっと天然で、とっても優しきのだ。
俺みたいなちょっと先祖帰りした顔立ちの人間(サル顔)にも笑顔で話しかけてくれる。
俺はそんなマリちゃんが好きになった。
そしてもちろんストーキング。
そんな俺が、マリちゃんが義明の事が好きらしいと聞いたとき、はっきり言って、めっちゃ、ムカついた。
『俺でも良くね?』と正直思ったのだ。
それは俺だけでは無かっただろう。
どの男もそう思った。
クラスメイトだけで無く、違うクラスの男も、先生達もだ。
『俺でも良くね?』
って思ったんだ。
そういった男達が、義明にきつく当たってしまった。
もちろん俺もだ。
しかし、実は俺はアイツに借りがある。
体育の授業が終わったあと。
次の授業への移動の時間に、こっそりとマリちゃんの体操着の匂いを嗅いでいたんだ。
それをイジメから逃げてきた義明に見られた。
義明は、
「何やってんの!」
と言った、俺が何をやっているのか理解出来なかったんだろう。
俺は、
「マリちゃんはスゲェ良い匂いがするんだよ!」
と言った。
それを聞いた義明は俺の隣に来て一緒に匂いを嗅いで、
「ほんとだ!スッゲー良い匂い!」
って言った。
それから、
「だけど、もうやめた方が良いよ、マリちゃんはきっと悲しむし、信二君の事が嫌いになるよ?それに、マリちゃん以外の人だって。もし信二君の事が好きな人が、この場面を見たら一気に嫌いになるよ?」
「そんな奴居ないだろ!」
「居ないけどさ、俺より可能性があるよ?」
「そりゃな」
その時の義明はまだ人外なルックスをしていた。
俺の言葉に義明は笑い、俺も笑った。
何で笑ったのかというと、安心したからだ。
義明の自虐的ギャグもそうだけど、義明もマリちゃんの体操着の匂いを嗅いだのを見て、安心したのが大きかった。
義明は俺のした事を責めた。
責めるぐらいなら、マリちゃんの体操着の匂いなんて嗅がなければ良い。
なのに体操着の匂いを嗅いだのは、俺と同罪になるためだろう。
俺は義明が義明がマリちゃんの体操着の匂いを嗅いだのを見て安心した。
もし義明が嗅いでいなかったら俺は不安だっただろう。
義明に弱味を握られた事になる。
俺が義明に弱味を握られた状態で何を言われても、聞く耳を持たなかっただろう。
俺の為に、正しく俺の為に罪を犯したのだ。
俺と同じ罪を犯した義明の言葉には素直に従う事が出来た。
義明は良い男だ。
マリちゃんが好きになったのも仕方がない。
俺はマリちゃんの体操着の匂いを嗅いでシ◯シ◯する変態だ。
アイツは人外のルックスを持っていたが今のアイツなら、マリちゃんと付き合っても何ら見劣りしない。
しょうがない。
俺は引き際をわきまえた変態なのだから。




