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07


さて、俺の毒草売りだが、これがそこそこ難航した。母が売り先をそもそも知らない事、美しいが服や所作が庶民の子連れという事、伝手のなさなどが原因である。


ひとつ目は俺がゲーム知識からこんなものを売ってそうなお店に売れると思う!とゴリ押しして店の系統を決めてもらった。

しかし、魔術師にお得意様がいるようなハイソな店は俺たちのような庶民が普段立ち寄らないせいでどの店も門前払いだったのだ。

回復液を飲みながら疲れた足を回復させ何店もはしごしたところで、このままではらちがあかないと俺は母に提案した。


「このままだと帰る時間になっちゃうから、お母さんの買い物を先にしよう。そこでお店の人に売れそうな店がないか聞こう?」

「そうね。ご飯の材料はもちろん、肥料や種、苗木を買わないといけないし、お父さんが今日はご飯を作って待っていてくれると言っていたけどあまりに遅くなったら馬車も危険だものね。そうしましょうか」


我が家は、食糧庫を母の野菜とこの街でまとめ買いしたもので埋めないとカラになり食卓が寂しくなるシステムだ。飢えるわけにはいかない。

情報だけでも手に入ればまた来週以降リベンジ出来るタイミングはあるはずだ。


全ての荷がなくなり軽くなった台車がまた重くなり始める。肥料を買った時、近くのアルバイトの人が有益な情報をもたらしてくれた。

メインの大通りからはかなりはずれた、坂を登り切り反対側から街から出るのならば近かったというような所に庶民が騎士になるビッグドリームを真剣に叶えたい人達向けの中古の武器屋があり、そこは回復液も取り扱いがあったはずだと。


金持ち連中になれっこないと馬鹿にされたり、からかわれたりするのだろうか。どこの世界にも一定層、人を見下さないと生きていけない可哀想な人はいるものだ。


その情報にたいそう心が揺れたのを母は見逃さなかった。商品代にイロをつけて地図を書いてもらい、言い聞かせてくる。


「このままだと気もそぞろになって迷子になりそうだし、ひとりでいってらっしゃい。

この地図になるべく危なくない、大通りや優しい大人の目がある通りを選んで線を引いてもらったの。遠回りでも疲れてもこの通りにお店に向かいなさい。いいわね?

街の鐘は覚えている?あと4回鐘が鳴ると陽が落ちてすぐに暗くなるわ。それまでに鐘の塔の下に戻りなさい。そこで待ち合わせて会いましょう」


今まで信頼を積み重ねて来た甲斐があったものだ。ひとりでおつかい高難易度を任せてもらえた。

この街は街全体が北に向かって緩やかな傾斜がある坂道の多い街で、始業、昼、閉店がわかりやすいように1時間に1回街の中心に位置する鐘塔の鐘が打ち鳴らされる。

4時間以内に坂を登り切って商談し帰ってくるなかなかのハードミッションだ。

母はまた門前払いだと思っているのか。そうだとしたら間に合う時間設定ではあるのだろう。


はっ!こうしちゃいられない。店員にお礼を言い、母の言いつけを復唱し、俺はこの子供には広い街に駆け出したのだ。

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