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その後様々なことを出来るようになって気付いたのは、操作は全て心の中で唱えるか考えるなど、おそらく脳の働きによって行えるという事だ。
俺はこの脳の働きを『脳内コントローラー』と呼ぶ事にした。
仕組みがわかってしまえばとても簡単に全ての操作がスムーズに行える。
「はっはー!注視で植物の名前がわかるからきのみ集め放題なんだなぁ」
集め放題は嘘である。鞄などの入れ物を何も持たされていないので俺のアイテムボックスの空欄はなんと3つである。ほら…右手と左手、あと腕で抱えたらもうひとつ持てるから…
因みに冒険が楽しかったと駄々をこね、現在の俺は家や父の作業場などの近所を自由に歩き回る権利を手に入れた。
早熟な子だからとオッケーを出してくれた両親。逆に心配になってしまうな。
とつらつら役もない事を考えながら体力作りを兼ねて日課のきのみ集めをしていたところ、
「ん?なんだあの草」
他の雑草とは明らかに違う毒々しい色をした葉が茂っているのを視界の端に収める。
昨日はあっただろうか。上ばかり見ていたもので気付けなかったんだろうな。
慎重に注視しつつも近づいてみるとターゲットがフォーカスされ"毒草"と情報が出る。
「はーいはいはい。わかってた事すぎるな。
こいつ見た目からして毒ですって主張が激しい。
それにしても本当に生えるものなんだ…」
魔剣の野望では確かに毒草が存在する。だが都市部には生えておらず、必ずショップで購入する事になる。
HPやMPの回復薬はこの毒草を魔術で加工しなければ作れない。よって冒険の準備には毒草を買い込むルーティンが存在していたのだ。
この毒草をなんとか栽培し、街におろす販路を確立すれば我が家は金持ちになれるのでは?
ここの悪魔が囁いてくる。そして心の天使はどうやら完全同意のようで何も反論が聞こえなかった。
そうと決まればやるだけだ。
道端の草から肌を守る為に出かける前に母から装備させられるアームカバーをぐいっと伸ばして手を覆う。
慎重に毒草の汁などが垂れないように根っこごと引っ張る。
無事に採集出来たと思ったらまたまたファンファーレがなる。
『メインミッション"魔術素材を初めて収集する"をクリアしました』
『レベルアップ』
『メインミッション"毒草の栽培"が解放されました』
とログに出る。新しく解放されたミッションを確認がてらレベルなど自分の情報を見る為中央下に目線を向けると、
おや?今回のレベルアップによってMPの最大値が増えているではないか。
細々としたメインミッションをクリアしてレベルは物心ついた頃0だったが現在は32レベルと順調に育っている。
また、体力を使ったミッション・沢山食べるやら合計何時間寝たやらの成長に必要そうなミッションをクリアした時はレベルと同時にHPの最大値も上がっていたのだ。
今の数値は1187だ。当初見た時、10だった事を思うと赤子よ…なんてか弱いんだ。世の中の親はこんな風が吹けばとぶ命をよく立派に育てている。
改めて我が両親へ足を向けて寝られないのを確認したところで今回のパターンだ。
なんと今回はMPが増えている。だが初めての増加なので0から5となっただけだ。
しかし、この世界の総人口のうち魔術を使える人間はごく少ない。
おそらくMPを育てるには特殊な条件が必要なんだろう。
現在活躍している魔術師たちがどの程度のMP量かはわからないが、このままでは初歩的な魔術も発動できない程のMP量である。
危機感を覚えた俺は将来の仕事の幅を狭める事のないように魔術関係のミッションを積極的にクリアしていこうと決めたのであった。
前世歌ってみた動画を投稿した時の曲をふんふん鼻から奏でながらスキップして家に毒草を持ち帰った俺。
しかし毒草はあまりにも見た目からして危険だったため母に見咎められ、大泣きし駄々をこね、なんとか母の畑に影響がでなさそうな家の裏手に植木鉢を置かせてもらえた。
「母さん、父さん。
これね、どくそうだからさわっちゃだめ」
「なんでそんな危険なもの持って帰って来たんだ…?そしてここで育てるのか?なあ、危なくないか?」
「植物を育てる事に関心を持ってくれたから許可したのよ、あなた。
2人で危険の内容に見守りましょうよ」
「ああ。誤って触れないように柵を作って囲っておくか」
すごいや。俺の今世の両親があまりにも人格者である。毒草で稼いでいい暮らしさせてやるからな。
あと本日最後にひとつ。ゲーム実況者は調子に乗って歌ってみた動画など投稿しないほうがいい。
あれは特殊な訓練を積んだ者だけが許される領域だ。ボイストレーニングとか。
俺の場合は周年企画にファンが熱望したから、唆されてしまった背景があるが毎日動画を削除したい心を飼い慣らすのに必死であった。
2度と歌ってはみないからな。
区切りの良いところまで書き切ったらまとめて投稿します。
応援よろしくお願いします。




