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魔法の木エニシダの香り  作者: 文乃木 れい
慧の目にうつる世界
49/50

何もないところから生まれるもの

そつえんしきのためにいろいろやってる。

この頃はなわとびやたけうまをしていると汗びっしょりになる。

卒園式のときはホールでやるから中でたけうまに乗ってみようと先生に言われて8人みんな長い竹馬を持ってホールにあがった。気をつけるんだよ、中はすべりやすいからね。ほんとだしっかりしっかり竹馬を握った手を胸から離してまっすぐにだしていかないと。最初はこんな高いのむりだと思ったけど、乗れるようになったら気持ちいい。先生よりずうーっと背が高くなる。ホールってもっと広いように思ったけどなあ。

「ついでに ちょっとだけ 卒園式の入り方だけやっておこうか。」

先生が入り口で並び順を教えてくれる。ぼくはまりこの次、まりこって、小さいのに一番年上なんだって。四月生まれ。かっちゃんはえばってたのに、いちばん年下。二月生まれだって、そうだこないだ誕生日会だった。かっちゃんの頭に誕生日の王冠をかぶせてあげたのがまりこだった。かっちゃんの希望でまりこがやったんだ。一番大きいまりこが一番年下のかっちゃんにかぶせてあげたのか。

 この順番で入ったら 来てくれている人たちにおじぎして、ここに並んで立ってるの。

園長先生が名前を呼んだらここに来て‥‥説明してもらいながらやってみる。

 卒園証書をもらって右手に掲げて歩くのはできる。去年ともちゃんたちがやってたのを見て、かっこよかったから覚えてる。

「こうやって歩くんだっぺ、聖火みたいに持って。」たっくんももこうじもみんな覚えていたみたいだ。今度は自分たちがするんだと思うとどきどきする。

 それで あそこにいすをおいておくからそこまで歩いていって座るんだよ。

小さいらいおんさんもきりんさんもみんな見てるからね。おとうさん、おかあさんたちはあそこのとこに座ってるから。

 それから 歌を歌って、式はおしまい。


次は式のときに着ていた服を着替えて、リズムをするんだよ。大ゴマや、なわとびやたけうまも見てもらおうね。

「それで、桜が咲いたら とうとうみんなは1年生だね。」と先生はしゃがんで大きく手を開いた。みんな先生のそばに寄った。

「えーと、まりこちゃんとかっちゃんとようこはM小学校。けいとえみちゃんとせいこが上里小学校。それから、そうだね、こうじとたっくんがH小学校で。みんな一緒の学校には行けないけど、それぞれに楽しく小学校に通うんだよ。」


それから大きいらいおんの教室に戻って、自分のロッカーの整理をした。

お正月の前にもやったけど、今度のおそうじは すっかりきれいにしなくちゃならない。

入園する時にかあさんが作ってくれた箱に、捨てないでだいじにとっておいたものがいろいろ入っている。

 お酒のびんのふた。へびのぬけがら。石のマシン。木で作った船、隅に何かころんと光った。これなんだったっけ。まんまるい石。ビーだまみたいだけど違う。なんだったっけ。手のひらに持ったらあったかい気がした。この玉だけはリュックのポケットに入れて、あとはかんたにあげることにした。


園庭のすみの花壇に水仙が咲いてるって、まりこが教えてくれた。

かあさんがお迎えに来たときに教えてあげた。

「ひなぎくのお庭のほうがあったかいんだね。うちの庭はまだみたいよ。」

こんなかわいい花が咲くんだ。もっと大きい球根も植えたっけ。

「チューリップはみんながいなくなってから咲くのかしらねえ。」とかあさんは庭を見回して、

「けい! あそこに、あ、そっちにも葉っぱが顔を出してる。」と指さした。

水仙よりずっと大きい葉っぱが2枚ずつ出てきている。

「けいたちが小学生になったころにきっとたくさん咲くんでしょうね。」


  空を見上げたら 桜の木が赤っぽいような気がした。

そうか、まだなんにもないんだ。

でも咲くんだ。ピンクのかわいらしい花が。必ず咲くんだね。

何かを思い出したような気がしたけど、

 かあさんが

「つぼみがたくさんある。まだまだ小さくてかたそうだけど。」って言って

「さ、帰ろうか。」ってぼくの手をつないだ。


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