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魔法の木エニシダの香り  作者: 文乃木 れい
慧の目にうつる世界
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入所児童が増えたのに。。。


 どういう風がふいたのかはわからないが、保育所に入所する子供が増えてきて、村の保育園はつぶそうにもつぶせないだろうという状況になってきた。

 

 保育園の定員は村全体で360名だが、11月現在、301名にまでになった。

もし ひなぎくがつぶされるとして、60名の定員枠がなくなったら300人しか入れなくなるわけだから、 村の保育行政は立ち行かなくなる。やったやったと喜んでいた。

ところが12月議会に向けて出された保育所設置条例改正案はそんなムードをいっぺんでふきとばした。

 ひなぎくを廃止し、すみれ保育園の定員を30名増やし90名にする。というものだった。


 彼らは彼らの都合だけで頭を絞った。保育児童が増えてきている中でどうやってひなぎくをつぶしたらいいのだろう。そう、まさにひなぎく廃止が命題なのだから、彼らの。そこで、あの腰ぎんちゃく福祉課長がポンと手をたたいて村長に進言する。

 「すみれの敷地がすこしばかり広いですので、あそこの定員をちょっと増やしたら。」と。

そして 彼らは計算する。

 30名増やしてもいけますね。児童ひとりあたりの面積が減りますが、保母の数もひとり増やせばいいだけですので。これはいい!そうだ、この手でいこう!しゃんしゃん。

 県からは、うるさいことを言ってきているが、最低限の国の基準をみたしておけば恐くはない。


 現存の、保育児童が集い生活している場をつぶしてしまい、他の保育所の環境を悪くしてまで、定員を増やす。要するに、ひとつを無くし、ひとつを増やす。

こんな変な話があるだろうか。しかし、ここまで村当局は悪智慧を働かせ、そうまでして、ひなぎくを廃園にしたいのだ。


  保育園から慧がもらってきた父母の会だよりに

「あきらめるのはまだ早い!」と 木田会長が書いていた。

 議会のスケジュールの他に、

   村長交渉実現  12月3日。

    議会前ですから、行く価値があるものと思われます。ぜひ多くのおとうさん、おかあさんたちのご参加をお願いします。

そっか。木田さん、村長交渉を実現してくれたのだ。 私は、副会長なのに、こんなお便りもすべて木田さんまかせだ。

 木田さん、研究所のお仕事も忙しいはずなのにがんばってるのだから、私も後悔しないように、あとひとふんばり頑張ろう。

今度こそ村長にあれこれ言わなきゃと、気をひきしめていたところだった。

そんな矢先だった。 悲劇がおこってしまったのは。



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