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エレメント・アクティビティ  作者: 志島井 水馬
第五章 虐殺のエレメンタリスト
88/377

08- 感染

残酷な描写が多いです。

「緊急要請する。こちら連邦捜査局。IDを確認しろ。このブロックの耐火シールドを作動、空間を閉鎖する。管理システムへの介入承諾を要請する。繰り返す緊急要請だ」



 クラリッサが通路に設置されている防犯カメラに向かって宣言した。

 要請はあくまでも形式だけ、電子戦と情報戦を主務とするクラリッサは容易く建物内設備の管理システムに介入しこれを自在に操作する。



 広いフロアの中、アイリーのいる空間が天井と床から姿を見せた防火シールドで閉鎖される。

 店舗とも前後の通路とも隔離された空間の中で通路にいる者はおよそ20人。



 突然現れた防火シールドと、床に横たわるジューリアの遺体に注目が集まる。

 だが何が起きたのかを把握している者はまだいない様だった。



「あは、あははは。さあハリストス!私は何をしましょうか?もっと殺しましょうか?」

 クラリッサの遺体を挟んだ向こう側、まだ自分の行動を決めきれずにいる通行人の間から複数の声で問いかけの言葉があがってきた。



 相手の心を引きつける悠揚とした若い男性の声で。



 脳裏に甘みさえ思い浮かばせる舌足らずな愛らしい女性の声で。



 心の動きと無関係に習慣づいてしまっているのだろう苛立った中年男性の声で。



 話し始めるタイミングも話す速度もバラバラに、それぞれが口々に、同じ言葉をアイリーへと投げかけてくる。



 アイリーが愕然と周囲を見回した。

 幾人かの通行人の顔に緑色の膜が浮かび上がり始めている。



 膜は水泡の様に盛り上がり、緩やかに淡く発光して靄を放ち始めて周囲へ拡散する。

 アイリーへと問いかける者がさらに数を増やす。



「もっと、もっと殺しましょうか、ハリストス?」



 クラリッサが既に片手に持っていた銃を構えた。



 アイリーが驚きの声をあげてその腕をつかむが人間の腕力でテロ事件対応ヒューマノイドの動きを阻害する事など出来ない。



「緊急事態。EA感染による不可逆性変化の確認。1時間以内の感染被害予測報告。護衛対象及び施設内市民の生命権と感染者の生存権の保護は行動が相反する。指示を請う。確認。実行する」



 後日の証拠保全の為だろう。クラリッサが作戦指示者との通信内容を口頭で確認する。



「殺すのか、クラリッサ!?」

 アイリーの問いかけを黙殺してクラリッサは互いの姿をみてパニックを起こし始めている無関係の通行人への銃撃を始めた。







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