5:あらたな もんだい。
あれから、数ヶ月経った頃、俺とリトは二人で帰ることが多くなった。
「ねね、うちらの秘密基地は作らへんの!」
ワクワクした目でリトは語る。
リトは小学生の頃から秘密基地に憧れていたらしく、秘密基地を作ったら何を入れたいとか何をしたいとか楽しそうに話してた。
けど、とある場所に行くといつも静かになる。
それは二人で放課後の道で歩いて帰ってる時 いつもその場所の近くだけは、リトは下を向いて何かを考えながら、モヤモヤした表情に変わるのだった。
「あー、ならあそこの河川敷ならどうだ?」
カネヅはちかくにある歩道橋の下にある影部分を指で刺した。
「あー、せやな…!」
さっきまでワクワクしてたリトは何かが喉に突っかかってるような声で答えた。
なぜリトがこんな感じになったのか、この時はわからなかった。
―数日後
「あー、あのさ カネヅ…?少し相談ええ?」
リトはなにかよそよそしく、机の上で勉強してる俺に声をかけてきた。リトの声を聞いた俺は書いていたノートとペンの手を止めた。
「どうした?」
「あの、相談なんやけど…、うちを助けた時みたいに助けて欲しい子がおるんやけど、」
「…だれ?」
そういうとリトは教室の隅っこを黙って指をさした。
その先にはずっと空いている席だ。
顔も見た事ない、存在してたかも知らない子だ。
「ここの席の子、1回だけ転校した時に見たことあって、ウチ 仲良くしてもらってたんやけど、ある日急に来なくなってウチもなんとなく気まづくなって…、ほら放課後いつも帰る道の河川敷あるやん?」
「うん。前に秘密基地にしようとしてたところだろ」
「そう、そこの近くに家があるんや。やから助けてやってくれへんか…?」
「却下」
俺はリトの相談を断った。
「理由はふたつ、1つ俺メリットが無いから、もう1つ何も知らない興味無い子を助けるほど俺の正義は軽くない。助けたいなら自分の手で助けろよ。」
そう言うとリトは少しだけ寂しそうな目で何かを言いかけたけど、開いていた口を閉じ、自分に背中向けながらどこかに行ってしまった。
その日からリトと話すことが無くなった。放課後も一緒に帰らないようになり、初めての友達をこんな感じで無くしてしまうのかと心底落ち込んだ。
声をかけようと何度も思ったが、その度 自分がきつく言ってしまったからと思い、伸ばした手をゆっくり戻すような事を繰り返した。
―数週間後
「…だれ?」
リトは知らない女の子と一緒に俺の席の前に立ちながら笑っていた。
「紹介しましょう! ハンテちゃん 誰もいなかったあのクラスの端っこの席の子や!」
ありくらげ。です
めちゃくちゃ誤字しやすいので、おやと思ったら教えてもらえると嬉しいです!
ちなみに感想くれるとめちゃくちゃ喜びます。
ストーリーに干渉しない程度の質問にはお答えします。
ではまた。




