分岐点
黒刀の剣先は揺らぐ。
迷いに揺れて、怯えを乗せて、闇の中に浮かぶ。
第三階層大広間、松明の明かりに映された影絵の世界。その中心で胸を押さえてうずくまっている男を見る度に、迅八の額から汗が流れる。
目に入り込む汗が。
乾いてゆく舌が。
迅八は気付いていない。
冒険者達の何割かが、出口に向かい動いている。
元々ヴァンパイアロードを討伐しに来たのだ。それも依頼ではなくバウンティリストに載っていたもの。中には遊び半分で来た者もいる。
むしろ、ほとんどの人間は遊び半分だった。命を賭けて戦う理由などどこにもない。
本来ならリーダーであるティーは、すぐに決断を下さなくてはいけない。冒険者達の逡巡の動き。……それに迅八は気付いていない。
(……やりたくねえ! なんだコイツ……!?)
誰であろうがこの道を通す訳にはいかない。それは絶対だ。
自分が血を流すとしても、敵の血を流させたとしても、それは揺るぎない。
だが、出来るなら、帰って欲しい。
胸を押さえてうずくまる男に、迅八はそんな気持ちを抱いた。
「……迅八」
その声に。
「来ないのか? ……じゃあ、」
「ヅアアアアアアアアアアッ!!」
怯えを悟られぬように迅八は飛び出した。
背中から噴出する翼が大広間の壁に映る。
影絵の中で踊る少年は、まっすぐ男に撃ちかかる。
「ヅアッ!」
ぎゃりんっ!!
イーストの白剣がそれを受け止め、もう片方の剣が振るわれる。
迅八の翼。
身を守る盾のように展開された翼は迅八の前に回り込み、漆黒の剣を受け止める。
翼は、更に形を変えて腕となる。鮮血の腕が敵の剣を引く。……目の前に見えるのは敵の首。
(……元の世界の、人間ッ!)
敵の白剣から滑らせた迅九郎を、迅八は鞘に戻す。
下を向く。
半身を引き、右手で柄を握る。
呼吸を整え、左手で鞘を押さえる。
そこから放たれるのは神速の剣。
その為の発射台が。
「……コオオオオオオオオオォ……!!」
元の世界の人間だろうが、この世界の人間だろうが、生命の価値は等しい。
それでも、元の世界の人間を殺すという事は、恐らく迅八にとっての分岐点となる。
(ジャック……。ごめん、こいつはまずい!!)
もう決めた筈だ。
この世界で生きてゆくのだ。
仲間の害になる奴は殺す。
少年の決断は一閃となり、赤い残光を走らせた。
「……果断、迅ッ!!」
斬っ!
下を向いたままの迅八の手が伸びる。
触れ合える程の至近距離から放たれた斬撃は、イーストの首に吸い込まれた。
(…………やっちまった)
この世界に来てから迅八の精神は変わってきている。迅八は確かに元から激情を持っていたが、ベドワウにナイフを振るった時も、ニコルを傷付けた盗賊を襲った時も、迅八の心はほとんど揺れはしなかった。
それでも、元の世界の人間。
それを殺すことを。
「おい」
「……なっ」
突然、上から叩きつけられる衝撃。迅八の頭を硬いものが叩く。何度も何度も振り下ろされるそれが増えた。
漆黒の剣の握り、更に無垢な白剣の柄頭が、下を向く迅八の後頭部を、しつこくしつこく打ち付ける。
「がっ! いっ……!」
逃れようとした迅八の体は、そのまま蹴り付けられた。鳩尾にえぐりこむ爪先、それが腹の傷を開いた。
「アッ! づ……!」
ガラン。
イーストが無造作に剣を投げ捨て、伸ばした左手で迅八の髪を掴み引き寄せた。
漆黒の剣が、何かを確かめるように迅八の肌を削ぐ。
「痛ッ……」
「しー……。よく見せてくれ」
その目。
そして、迅八は己が切り落としたはずの敵の首を見る。
イーストの首には薄い切り傷がついていた。完璧に首を落とせる距離だと思った。しかし、そこには一筋の浅い傷があった。
「……迅八。おまえ、凄いな。なんでだ? なんで治るんだ?」
「離せッ!」
「俺もなんだよ。俺も、死ねないんだ」
「てめえ、何を、」
「致命傷になりそうな傷は、なぜか勝手に外れる。魔術もだ」
迅八は思い出す。先ほどの魔術。
イーストを包み込む炎が自然と消えたのを。
「……なんでだと思う? わからないんだよ」
「俺に分かるはずねえだろっ。……離れろ!!」
ガッチリと掴まれる髪。抱きしめるように、背中に腕を回された。
「元の世界に居た時からだ。
……何回も何回も、やろうと思ったんだ。けど、その度に失敗するんだ。……人に邪魔をされる。……何故かロープが切れる」
「ジンッ! 逃げてっ!」
迅八の後ろから聞こえてきたティーの叫び。それと同時に体が解放された。
迅八の耳元、唸りをあげて後ろから伸びてきた棒。当たれば死に至るような強烈な一撃が、迅八の髪をかすり、イーストの眉間へと向かう。
しかし、その風圧に押されるように、イーストの体は後ろによろめいた。……その致命傷が、なぜか当たらない。
「ジン、こっちに来なさい。そいつと話しちゃいけない!!」
その言葉の途中で、迅八の体は勝手に後ろに跳んだ。
(こいつの話を聞いちゃダメだっ!)
さっきまで相対していた少女の横に並び、刀を構える。迅八は、自然と肩の一部をティーの体に寄せていた。
そしてティーも、同じように迅八に体を寄せた。 迅八の体に、ティーの震えが伝わった。
「……ジン。あなたを死なせる訳にはいかなくなったわ。あなたはやっぱりマコトに会わなくちゃいけない。……ここから離脱するわよッ」
「そんな事は出来ねえ。テメエらは帰れ!!」
離脱の言葉を聞いたティーの仲間達は、すぐに広間から飛び出した。遊び半分のクエストは、蓋を開けてみれば地獄の入り口だった。
絶対安全な人数で強敵モンスターと戦えると思っていたのに、待っていたのは攻略組最凶——デッドエンドイースト。
倒した所で手に入るのは懸賞金だけ。……迷わず広間から飛び出る冒険者の一人が、ティーを振り返る。
「ティー、なにしてんだ!! 早くリョウマと合流するぞっ。……こんな戦い、なんの意味もねえっ!」
「……あなた達は先に行って!!」
イーストの目はどこも見ず。
しかし伸びる漆黒の剣。
どこも見ていないのに、それでも首に振るわれる。
「あ……!」
「オオオオオオオッッ!!」
振るわれる迅九郎がイーストの漆黒の剣を叩くと、同じ軌道で叩き込まれる白剣。迷わずにティーの首を狙っている。
「テメエは、ティーの事は殺したくねえんじゃねえのかっ!!」
「邪魔をするなら……別だ」
迅八の周りで敵と味方は離れ合う。
訳もわからず構図は変わった。
一対五十の戦いが、いつの間にか迅八は多数の側に入っている。散り散りになり逃げてゆく周りの冒険者は、今は迅八を狙う者はいない。
しかしそれなのに。
(ヤバい……!! こいつは、本当にやばい!!)
さっきよりも絶望を感じる。
ティーの扱う大棒が、イーストに向け繰り出される。
頭、肩、胴、足、——体の各所を狙う直線的な突きは、イーストの攻撃を寄せ付けない。しかし、無造作にイーストは進んだ。
「邪魔を、するんだな……」
ごっ!! ティーの手に伝わる骨を砕く音。
イーストは突きの雨の中を無造作に進む。そしてやはり、無造作に剣を振り上げた。
「……させるかよッ!!」
迅八の背中から伸びた鮮血の拳。
回転しながら己に向かってくるそれを、イーストはそのまま受けた。
ごずんっ。……迅八の体に伝わる砕ける音。
イーストの体は壁まで飛んだ。埃が立つ床、揺れる松明の炎が。
炎に映される影絵の中で、ゆらりとその男は立ち、そして進む。ゆっくりと、ゆっくりと。
「……ティー。あいつ、なんなんだっ!? おまえは知ってるのか!!」
「……『死にたがり』。自殺組って言われてた人間達の生き残りよ」
攻略組最凶。——自分から死を求めるように、この世界の謎と危険を追っていた集団。
彼らは自分の命を本当にゲームの駒のように扱った。そして、他人の命も。
「……幾つも揉め事を起こして賞金がかけられてるの。それでもデッドエンドを狙う奴なんていないわ。……近寄るだけで、汚染されるのがわかるから」
ティーも過去に数回見た事があるだけだ。デッドエンドは他人と目的が被って衝突した時に、『絶対』に退かない。
しかし、それを除けば基本的には無害な人間達だった。普段は大人しい人間。優しい顔をした者が多かった。
……ただ、爆発した時。
彼らは、絶対に退かなかった。
平気で己の命を投げ出した。
「今では二人しか残ってないわ。デッドエンドイーストとウエスト。その集団の中でも話が通じないって言われてた二人。……転生者の中で、一番近寄っちゃいけない奴よ!!」
「……なんだよウエストって。こんなのがもう一人いるのか!?」
その言葉で、ティーは我に返った。
「リョウマは……地上は、どうなってるの!?」
「…………ああ。あいつか」
ゆっくりとゆっくりと。
イーストは迫る。
「……ティーだけは。そう言っていた。だから、出来ればおまえは殺したくない。だが、邪魔を……するんだろ」
「まさか、あなた……!」
「なかなか強かった。……多分、あいつは俺よりも強かったよ」
「よくもッッ!!」
——阿ッッ!!
ティーが裂帛の気合いと共に、繰り出した大棒。それがイーストの斬撃により、途中から断ち切られる。そのままティーを襲う双剣。
ティーを狙う双剣を迎え撃つ為に、迅八の黒刀が全力で振るわれる。
松明の炎よりも明るい火花。
漆黒の剣と黒刀は重なり、ギリギリとしのぎを削り合う。
ティーを見ていたイーストの目が、迅八の上で止まった。
「……迅八」
「ティー、下がってろっ!!」
「……千年の大悪魔はまだ来ないのか。早く呼べ。……もう少し、痛めつけるか」
「テメェ……!! クロウになんの用があるんだっ!!」
「……時を遡る。過ちを取り返す。……あいつに、会いにいくんだ」
「誰だよっ、 あいつって!!」
「……会いに行くよ」
振るわれる双剣の速度が上がってゆく。
その剣がかする。びしゃりと飛ぶ血が遺跡の床、——乾いた石畳の上で粘る。
その剣は刺さる。どろりと流れる血が足を伝い、埃の上で溜まる。
(ダメだ……。こいつ、マジでやりたくねえ!!)
話が通じない。
圧倒される。
しかも、明らかに、迅八よりも力量が上。
双剣は炎を受けて光る。そこに乗せられる重み。
重たいようでいて、空っぽのようでいて、何故か響く。体の中心まで届く、叫びのような剣撃。
「うおおおおおおあああっ!! ナッッ、メんじゃねえ!!」
迅八が振るう横薙ぎの一閃が、簡単に払われる。
とすっ。軽い音。
それは迅八の太ももから聞こえた。
ぐりぐりと、ざくざくと、押し込まれる剣。
「アッ……ガァッ!!」
「……便利だな回復。死なないからいいな……。やりやすい」
「づっ!! 迅九郎!!」
迅九郎の刀身に回る狐火が、イーストの顔を照らす。
照らされたイーストの目は、じっと迅八の顔を見ている。
迅八は、湧き上がる震えを押さえこみ、後ろに跳んだ。
「ティー! 逃げろっっ!!」
ティーは一歩も動く事が出来なかった。目に入る死体。大広間に転がる仲間達の死体。
今回の討伐で、誰も死なせないつもりだった。物量をもって圧倒的に押し潰すつもりだった。
それなのに、ヴァンパイアロードには出会えもせずに、こんな所で仲間を何人も死なせた。
地底墳墓に共に入った仲間達は、ほとんどが離脱した。
熟練の冒険者たる彼らは、行動を決めてからは素早かった。それはいい。
ただ、もしもデッドエンドウエストが地上に居るのだとしたら、そこにも地獄が広がっている可能性がある。
「地上のみんなは、どうなってるの……!?」
「……あ、ティー。……たす、けてっ!」
初めにイーストの突進を受けた四人の生き残り。
革鎧の女、——気を失っていたショートヘアの女が目を覚ました。
「あなた、生きて、」
「ティー、たす、けて……!」
咄嗟。
条件反射のようにティーの体が動く。
まだ残っていた自分の仲間を助ける為に、ティーは敵に背中を向けて仲間の元に走り寄る。
そして、イーストもまた条件反射のように体を動かした。
ティーに向かい手を伸ばす、革鎧の女。ティーがその手に触れる寸前に、その音は聞こえた。
——ドンッ! イーストが跳ぶ音。
「……あ、ティーッ!!」
ティーに向かい手を伸ばす革鎧の女の叫び。
その目が絶望で歪んだのを確認した時に、やっとティーは自分の愚行に気付いた。
敵に背を向け、逃げるでもなく。
戦場を走り回った自分の愚かさを。
(しまった……!!)
「……『爪』ッッ!!」
ざんっ!!
ティーは自分の後ろで風が巻かれるのを感じた。
音、そして髪を揺らす風。
「ティーッ!! 早くその子をっ!!」
迅八の背中から伸びる腕、尖った爪。
それがイーストの剣を一本ずつ受け止めている。
「……迅八、おまえ、なんでそいつをかばう? ……俺が来るまでは戦ってたんじゃないのか」
「条件反射だよっ……!! 」
イーストの両手は塞がっている。
その事に気付いた迅八が迅九郎を振るおうとする前に、イーストは先に動いた。
「……殴り合いでもするか」
「な……!」
双剣を迷わず放り捨てたイーストの拳は、鋭角的に迅八の腹に突き刺さる。背中の腕が動き出す前に、連続的に繰り出される。
「がっ! てっめえ!」
「本気で殴るぞ。……死なないんだろ?」
——フォン。イーストの拳が淡い光に包まれる。
そして、それは迅八が防御する前に、真っ直ぐ体の中心を貫いた。
「カッ! ……ヒッ」
「ジンッ!?」
ティーは長襦袢の胸元から短刀を取り出した。
取り出したそれを腰だめに構え、ティーは一直線に走る。膝をつく迅八を避けるようにイーストに突進する。
すると、ぱしんっ。……軽い音のあと、その短刀は、イーストの手の中にあった。
「あ」
「やっぱり邪魔をするんだな」
呆気なく奪われた短刀。
ティーの目の前で、それはぐるりと回転した。
「あ……」
びゅおん。
ティーの膨らんだ胸、長襦袢から見える白い胸元に。それは真っ直ぐに振り下ろされ、『下』から伸びてきた手に止められた。
「痛っ……」
それは、ティーが呟いた言葉だった。
自分の体は痛くない。短刀は届いていない。ただ、目の前の映像。
その手は下から伸びてきた。
腹を痛打され、膝をつく少年、そいつが伸ばした手。
ティーを守るように差し出された手、——その真ん中に。
短刀は手のひらの真ん中に穿たれ、手の甲から血に濡れた赤い刃が飛び出す。
溢れる血が。流れる赤が。震えている手が。
それでも、その手は、ティーの事を守っている。
その手には黒い線が走っている。流れ続ける血に、生命のリズムは同期する。黒線の上に青い光が。
広がる光は少年の体を包み込む。
うねる髪を逆立たせた少年は、己の手を突き破った短刀を握りしめる。押し返す。
その危険を、ティーから遠ざけるように。
「……いい加減にしろテメエ。やられっぱなしだと思ってんじゃねえぞ」
ミチミチと傷口は広がる。手の甲から吹き出す赤い血に構う事なく、握りつぶすように力を込める。
「ティー、下がれっ。その子を守れ!!」
「ジン、あなた、手が、……なんで!?」
「痛くねえよこんなの……!」
黒い太陽は、青い光に包まれる。
「怖くねえよこんなのは。あぶねえ……ビビるとこだったぞっ!」
「……ほう」
「ニコルが戦ってる。ロココさんが戦ってる。……俺だって、戦えるはずだ!! ……ティー、お前も戦え!! その子を守れ!!」
ティーの体が後ずさる。
目の前のイースト。そして、すぐ横の少年に圧されて。
「俺の相棒に会いてえだと? テメエなんかをクロウに会わせる訳にはいかねえ。……通ってみろよデッドエンドイースト。この道には俺がいるぞッッ!!」
翼が広がる。
血を撒き散らし四枚の翼が。
その内の二枚が腕となり、鮮血の拳が撃ち抜かれる。
イーストはそれを正面から受けた。
骨を砕く音。
宙を飛ぶ男はそれでも無表情に迅八を見ていた。
イーストが立ち上がる前に迅八は言う。
「ティー。早くその子を連れて逃げろ。逃げられねえなら隅にいろ。……俺があいつとやる」
振り返らない迅八の背中、——そこから出る圧力。
「……なんで、私たちを?」
「ティー、その言葉に意味はあるのか? お前はその子を、仲間を死なせてえのか? ……俺は死なせたくねえ。死なせねえんだ!!」
ティーが口を開く前に、イーストは立ち上がった。
放り投げた剣を拾い上げ、ゆっくりと歩き出すイーストの歩幅が、少しずつ大きく、小走りになった。
イーストが剣を突き出し、疾走しようとした時に、その声は響いた。
「……なあ〜にカッコつけてんだかこのガキは。……あとな、相棒? テメエは、まさかこの俺様を、対等だとでも思ってんじゃねえだろな」
広間の奥、——第四階層に続く闇から、突然、火球は打ち出された。広間が明るい光に映される。
その中で、イーストの顔に初めて、涙以外の表情が浮かんだ。
「……おまえが」
「くかかかかかかッッ!! 誰だか知らねえが燃え尽きろ!! くかかかかかかッッ!!」
炎に襲われたイーストがくずおれる。
悲鳴をあげずに、確かめるように、己の右手を見ている。そして、左手は、首のあたりでモゾモゾと動いていた。
「クロウ!! なんでここに!?」
「おいジンパチ。なんだコイツは。……全く、てめえは役に立たねえクソガキ様だぜ……。冒険者の五十人くれえで何を手こずってやがんだ、この間抜けが。……仕方ねえから俺様がちっとだけ……ん? おい、五十人いねえじゃねえか」
「クロウ。 ……お前が、千年の、大悪魔……」
炎は立ち上がる。
ぶすぶすと肉を焼く匂いと焦げる音。……ゆっくりと、ゆっくりと、炎の塊は歩く。
「待ちわびた……。会いたかった……。探してたんだ、クロウッッ……!!」
炎の奥から滲み出る歓喜が。
闇を震わせる……!!
「おいジンパチ。 ……そういえば、俺様は絶不調だった。帰っていいか?」
「…………駄目。助けて。ヤバいんだって! なんか気持ち悪いんだよコイツ!!」
(さっき、ちょっとカッコイイと思ったのに…)
ティーは色々な思考の波の中で、革鎧の少女を抱きしめながらそんな事を思った。




