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使徒がドジすぎて、巻き込まれた高校生が、破壊神と交渉してきます  作者: 松本正樹
第5章「希望のアンクレット」
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第2節「始まりの泉」


「毎回、覚醒具を探すのに苦労するけど、さらに毎回転移具も探さなくちゃならない。」


 つまり、覚醒具は自然に見つかるものじゃない。どこかに手がかりがある。それを探すしかない。


 「フローシャンテリア。王家に伝わっていないの?」


 エリカがフローシャンテリアに目を向ける。


 「\...\...申し訳ありません。杖でさえ覚醒具であること知らなかったですから\...\...」


 フローシャンテリアが申し訳なさそうに首を振った。


 エリカはピンクのめがねを取り出した。あの子供用のピンク色。見た目は可愛いが、中身はとんでもない魔道具だ。


 「杖から直接読み取れるかもしれない」


 呪文を唱え、めがね越しに杖を見つめる。数秒の沈黙。エリカの眉が寄った。


 「\...\...歴史は読める。代々王家に受け継がれてきた経緯。フローシャンテリアの曾祖母が使っていた記録。でも——転移具は見つからない」


 「秘匿された情報は読み取れないってことか」


 「そうね。めがねが読めるのは、蓄積された知識だけ。意図的に隠された情報は別みたい」


 行き詰まった。図書館も調べたが、王家にもそれらしき記述は封印されているのか、失われていた。


 沈黙が落ちる。


 その時、フローシャンテリアがぽつりと言った。


 「\...\...祖母から聞いた話があります」


 三人の視線が集まる。


 「『始まりの泉』という聖地に、王家の秘密が眠っていると\...\...」


 「始まりの泉?」


 「精霊界の奥地にある神聖な場所です。古代の碑文が残されていると聞きました。ただ、私も行ったことはありません」


 ゼファーが静かに頷いた。


 「また旅か。だが、必要なことだ」


 俺も頷く。選択肢はこれしかない。


 「往復には数日かかるかもしれません。道も険しいと聞いています」


 「狡猾の疲れもあるし、今日は休んで明日出発しよう」


 エリカが提案する。珍しく現実的だ。——いや、こいつはいつも現実的か。


 『始まりの泉か。また冒険が始まる』


 窓の外、世界樹の枝が風に揺れていた。光の結晶がきらきらと反射する。


 覚醒の言葉を探す旅。その答えは、この世界のどこかに眠っている。


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