第1節「フローシャンテリアの覚醒」
杖を取り戻して一夜明けた。
客間に四人が集まる。朝の光が窓から差し込み、壁の結晶を淡く染めている。テーブルの上には、昨日奪還したばかりの「人々を癒す杖」。古い木の質感。先端に小さな光の結晶がついている。
ここまでは順調だ。
「杖は取り戻した。覚醒の言葉もわかっている。」
「フローさん、お願いします。」
「フロー様、お願いします。」
「カイト、なんで『さん』付けなの?馴れ馴れしくない?」
「エリカさん、私のことは様付けでなく、『さん』付けや呼び捨てで読んでくださいね」
フローシャンテリアはあらためて杖を握り、語り掛けるように言った。
「すべての命に光あれ」
杖をもったフローシャンテリアはほのかな光につつまれた。
フローの脳裏に賢者ソルジュが現れた。
「フローシャンテリアさん。私はあなたの覚醒のお手伝いができてとてもうれしいですよ。」
「これから少し、アマルの世界、12枝葉の世界、そしてあなたが光り神柱、フローシャンテリア様の末裔であること。そう同じ名前ですね。縁を感じます。」
「そしてあなたがこれから進むべき道を少しお話しなしょう。」
フローは賢者ソルジュがまるで友達に話すように穏やかに語り掛けてくるのにとまどいながらも、しばらくの間、とても心地よい時間を過ごした。
やがて光は終息し、フローシャンテリアは静かに目を開けた。
「私のやるべきことがわかりました。でも賢者ソルジュ様はとてもイケメンでしたわ」
もちろん3人ともずっこけたことはいうまでもない。




