第5話 元気な三人組
【第一部】心の扉―始―
「おはよう!哀伝、団丸、七左衛門!」
「ふふふ。おはよう。みんな朝から元気ね〜」
「僕たちは元気だけが取り柄だからね〜」
「護衛たるもの、体力がないと務まらないからな!」
「体力の源となる食事を作ってくれるお菊さんとトワには、本当に感謝だぜ」
糸宮 哀伝
暁月 団丸
江戸 七左衛門
この元気な三人は、栄善の幼馴染であり、今ではその護衛を務めている。
哀伝は代々このお城に仕える御用貿易商人の家の出で、栄善とは同じお城で育った幼馴染だ。
団丸と七左衛門は農民の家の出で、家が近かったこともあり、幼い頃からよく一緒に遊んでいた。
そんな彼らが今のように仲良くなったのは、やんちゃ坊主だった栄善と哀伝が、こっそりお城を抜け出して町へ繰り出したことがきっかけだったらしい。
三人は栄善に頼まれ、私のことを何かと気にかけてくれている。
不思議なことに彼らとは波長が合うようで、人が苦手な私でも、気がつけば自然と打ち解けていた。
今では冗談も言い合えるほどだ。
「トワのじゃがいも料理のときは何気に楽しみなんだよね〜!今日はどんな形なんだろう?ってさ!」
「みんなでこの形のときの運勢はこれだ!なんて言って遊んで楽しいからな!がはははは!」
「すごい歪な形のときは“当たり”でその日一日、良い日とされているんだぜ!」
「もうみんな恥ずかしいんだから、あんまり言わないでよ〜」
しかも、なんて偶然。
今朝のお味噌汁には、よりによって──じゃがいもが入ってる。
「ふふふ。トワちゃん、お料理でみんなに元気を届けているなんて素敵じゃない!」
そんなふうに、みんなで賑やかに話していると──
「何やら楽しそうだな。私も混ぜてくれないか」
柔らかく心地よい声が、ふいに室内へと響いた。




