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第45話 華礼の朝に
【第一部】心の扉―始―
昨日の荒れ模様とは打って変わって、今日はまるで嘘のような晴天だった。
お城の庭には雪と雨が混ざったぬかるみが広がり、水溜りには空の青が映っている。
雨に濡れた苔や石垣も昨日の荒天をそっと教えているようだった。
今日は「華礼の式」。
殿と姫君が国の人々へ婚約の挨拶を行う儀式だった。
栄善や哀伝、小梅姫をはじめ、多くのお城の代表者たちが朽葉ノ国へ向かうため、朝早くから行列を作り、お城を出発していた。
ぬかるんだ道も残っているだろうから、道中は大変だよね……
どうかみんなが無事に辿り着けますように……
井戸水で手を洗い、道具を整えながら「今日も頑張ろう」と心の中で呟いた。
*
しばらくして、栄善たちが帰ってきた。
みんなが戻ってから、お城の中がなんだか慌ただしい。
帰るのが思ったより早かったし……
何かあったのかな……?
お城の中にはいつもとは少し違う微かにざわめく空気が残っていた──




