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異世界が主体?

   引き続き、会議室にて。

その前で2人の会話を見るハジメは、ちらっと上の方に目をやる。

「アカリさん、時間大丈夫ですか?」

横には、髪にうずくまるアカリがいた。顔を上げ壁にかかった時計を見る。

「あっほんとだ」

そう呟くと動きだし、目の前に散っている紙を片付け始めた。

「タマ祭り?……あれ終わるのいつでしたっけ?」

それを見た八重は慌ててソラを触る。

「いや時間はまだありますよ」

アカリは補足すると、机を挟んでそれを聞いた八重は、安堵(あんど)に身を落ち着けた。

 その横で、オトはカチッとペンを入れて、手帳をぱらぱらとめくっていきながら呟く。

「んー…もっと参加してる感か……」

「司会頼むとか?」

向こうのタンクが思いついたように言った。立ち上がったアカリは床の音とともに振り向く。

 それいいねと、八重が肯定(こうてい)に明るむのを、タンクは見る。

「司会を色んな人に頼んでみようかっていう案があったよね、あれどうなったんですか?」

場にそのまま問いかけると、パーカーが(こた)えた。

「探してるんじゃないですか?」

「あぁステージ上にホログラム映してってことですか?」

立ったままアカリが聞くと、そうそうとタンクは楽しげに言い、腕を組む。

「他ある?」

間をあけて、一同は再び腕を組み始める。アカリもとすっと腰を下ろし、また頭を抱え始めた。

 考える八重はふと隣を見ると、手帳の紙をはらりとめくって手元を眺めるオトに気づく。

「…何それ……アイデア帳?」

オトは横にぺらっと視線を流す。

「うん……創作手帳w」

漏らす笑みで言うと、八重はさっと声をひらいた。

「へーすごっ!…えっ見せてっ」

「いやいやいやw」

「一緒に会場作るようにはなんないよね?」

横からパーカーが入ってきて、八重は振り返る。

「うん、そこまではしないと思う」

思案の音とともにパーカーは戻っていき、場にゆっくりと静けさが再びできた。

 少しの間が流れる。

ぺたかたと物を触る音が聞こえる。

ハジメは手を動かし、ぼんやりしながら机の上に散乱している物を集めていた。

 それらを手に持ったまま、ががっと席を立っていく。

「……これちょっと片付けません?」

机に沿って歩きながらハジメが言うと、タンクが振り返った。

「あっそうだw」

数人がちらほらと手を動かし、めんこやらおはじきやらが散っているのを片付け始めた。

 ハジメは部屋の隅の方へ向かい、そこにある台の上のソラ箱を目指す。

テーブルの方で、(うつむ)いて頭を抱えていたアカリが呟いた。

「…イベントの裏で生放送するっていうのがありましたよね」

「あっそれ使えるんじゃないですか?」

隅を向いたハジメが、そう言って振り返る。

 そういうのもあったな、とタンクが呟くと、パーカーも反応した。

「24時間やるってやつ?」

「へーっそうなの?」

八重は手を動かしながら、そわそわと浮くように声を出す。

「その企画を沢山作らなきゃいけないっていう話を聞いたんですけど」

アカリが続けていくと、その正面でオトが反応を上げた。

「あー!その企画を他の世界の人たちが作るってことですか?」

そうですとアカリは笑みをこぼして肯定すると、部屋を歩いていく八重も声をやる。

「なるほど!それ面白いね」

「具体的にはどんなの出来ます?」

部屋の隅の方に、八重が歩いてきた。流れる疑問に、ハジメは顔を上げながら即座に口を開く。

「モンスターの狩り方講座……とか?……w」

目の前の八重に目をやりながら、半笑いの声色(こわいろ)をこぼしていく。相槌に漂う八重は、入れ違いにソラ箱に向かっていく。

 テーブルではオトが、案を流し始めた。

「……人型ロボットの不合理性を、整備士の俺が解説する……とか?」

「なるほどね!……えっそうなの?」

振り返った八重が、急に真面目になる。オトはペンをくるっと回しながら笑った。

「いや適当だけどw」

「……中世とかが舞台なら、オタク文化の布教(ふきょう)の仕方を考えよう……とか?」

言葉を漏らすアカリが顔を上げる。

「なるほどっ!それ面白いですね」

物を手に持ち八重は、再びソラ箱に向かいながら相槌を打つ。髪ぼさぼさなアカリは、笑みを滲ませて続ける。

「…それを他の未来の世界観の人と考えるとか?」

「…未来の人?……教わるんじゃなくて?」

パーカーが疑問を漂わせるのに、アカリは見て、

「未来の人だって、よく分かってるか分からないんじゃないかって」

と補足すると、パーカーはそうかもと笑った。

 壁際で聞いていたハジメが、頷きながら席に戻っていく。八重はソラ箱に目を戻し、画面を適当にいじりながら話に続く。

「ディストピアで豊かな創作をするにはどうすればいいか……をそこに住むオタクが考えるとか?」

「あっそれ面白いですね!」

揺れたアカリは、声に弾けてしぼんだ。

「面白いじゃんwこれでいこうか」

タンクが話をまとめるように立ち上がっていくと、同意の音があちこちで鳴り始める。

 再びアカリは立ち上がると、横に座って机に向かうハジメを見下ろした。

「じゃあえっと……ハジメさん内容考えます?」

紙に何やらペンを走らせていたハジメはぱっと見上げ、

「はい!やってみます」

と勢いよく立ち上がった。

もっと詳しく考えてみようっ!…異世界が主体なら、どんな可能性がある?

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