プロローグ編009/【斉縁 空琉 (さいえん くうる)】について
最後は、【斉縁 空琉】について少し語ろう。
彼女は文学少女系クールビューティーだ。
【友加里】と同じく眼鏡を掛けているが、【友加里】の様に厚ぼったい眼鏡ではなく、天才がしている様なかっこいい眼鏡だ。
彼女はいわゆる天才少女だ。
勉強もスポーツも彼女はそつなくこなす。
【璃桜】が努力して何でもこなすのに対して、彼女は努力しなくてもこなしてしまう。
だからだろうか?
彼女は冷めた所がある。
人生なんてこんなもんか?
そんな事を思っている。
それが【クールビューティー】と言われている由縁でもあるのだが、彼女は人生のつまらなさに嘆いていた。
そんな彼女に喝を入れたのは【咲穂】だった。
「少しは、【殊深】を見習いな。
あんたは全てをつまらないって目で見てるけどね。
つまらないと思っているのはあんた自身がつまらない人間だって事なんだよ。
面白い人間ってのは何も無くても面白い事を自ら生み出せる人間の事を言うんだ。
あんたは既存の物事だけ見てつまらないって思ってんだろ?
だったら、何故、生み出さない?
あんた自身が面白いって思えるものを何故作らない?
他人に期待だけして自分では何もしないってのはあんた自身の怠慢だ。
才能だけはある見たいだけどね、私から見たらあんたが5人の中じゃ一番つまらない人間に見えるね」
と言った。
【空琉】は、
「・・・それって私に上を目指せってこと?
上を見てもつまらないよ・・・」
と口ごたえした。
【咲穂】は、
「上が嫌なら横行きゃ良いじゃないか。
何で上しかないと思うんだ?
あんたには物を考える想像力、物を生み出す創造力ってのが足りないんだ。
こいつは【芦柄 吟侍】の受け売りだけどね、
ありもんだけで何とかしようと思ってるから何も生み出せない。
無ければ不足している部分を補って新しく作れば良い。
それが出来る奴だけが前に進めるんだ。
今のあんたはいずれ、世の中を儚んでって道しかないんだよ。
それじゃだめだ。
他の4人を見習いな。
4人とも悩みながらも前に進もうとしている。
あんたは才能だけは有るんだから後から走り出しても追いつき、追い越せるはずだ。
まだ遅くない。
他の4人が何をしているかを学び、あんたもそれを目指しな。
【パフォリス】はそのためにある。
どうせ、【男なんてこんなもん】と思って、男に恋する事もないんだろ?
だったら、【パフォリス】の頂点になって究極の男の嫁でも目指せ。
最高の男が駄目だったなら、その時はくたばるでも何でもしな?
世の中への文句は色々やってからのたまえ。
今の年齢でそれを言うにはあんたは若すぎるんだよ。
もう少し経験してから物を語れ。
あんたなんかまだまだ青いんだ。
夢見る力じゃ【卯月】に及ばないし、
努力する力じゃ【璃桜】に及ばない。
熱中する力じゃ【友加里】に及ばないし、
自分の決めた事を徹底する事じゃ【殊深】に遠く及ばない。
もう少し、誇れる自分を目指しな。
あんたはまだ、何者にもなっちゃいないんだ。
自分を腐らせるな。
行動を起こすのに若いと言う事はない。
スタートが若いほど、多くの結果を残せるんだ。
時間は有限だ。
それを有効に使え、このひねくれもんが」
と言った。
【空琉】は、
「私をひねくれ者だなんて言うの・・・
おばさんくらいだよ・・・」
と言った。
【咲穂】は、
「それだけ本当のあんたを見てくれる大人が居なかったってことさ。
それは不幸だと思うけどね。
だからって腐って良い理由にはなんないんだよ。
あんたは超美人だけどね、油断してると【璃桜】にも追い抜かれるからね。
可愛らしさを追求している【殊深】には足下にも・・・遠く及んで居ないよ。
私はぶりっ子は嫌いだけどね。
あの子のぶりっ子は天下一品だ。
極めるってのはあの子の様な事を言うんだ。
あんたも本物を目指しな。
だったら、私は応援してやる。
他の子にも言ってる事だけどね、姪っ子だからって【卯月】を贔屓するつもりはない。
一番頑張っている子が一番になる。
それが正しいことだと思ってるからね。
【卯月】より頑張っているなら【卯月】より応援してやるよ。
頑張っているって点では【殊深】が最強。
あんたは最下位だ。
悔しかったら這い上がって来な。
私の眼鏡に叶えば応援してやるよ」
と言ったのだった。




