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(ファーブラ・フィクタイズム3)【ウルティムス・ヴィクートリア】プロローグ編  作者: 羽絶 与鎮果


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プロローグ編007/【遠歳 友加里(とおとし ゆかり)】について

 次は、【遠歳(とおとし) 友加里(ゆかり)】について少し語ろう。

 彼女は、【推し活】命のオタク女子である。

 普段は分厚い眼鏡とマスクを常備して、素顔を出さない様にしている。

 化粧っ気は全くないが、すっぴんでも【璃桜】が劣等感を持つほどの美人であるが、彼女自身は自分に全く興味がないのでお洒落はほとんどしない。

 それでもにじみ出る美しさは男性が放っておかないので、彼女は普段から眼鏡とマスクで素顔を隠して生活をしていた。

 彼女にとって、大切な事は自分の応援する創作物などの【キャラクター】や、推しアイドルなどの応援である。

 だが、推していた女性アイドルに素顔で逢いに行った時、

「悪いけど、貴女、私の応援止めてくれる?

 貴女が居ると私が目立たないから」

 と言われた事があり、人間を応援するのは少し躊躇する様になっていた。

 【友加里】はそれほどの美人である。

 ただ、彼女は自分の美に投資しない。

 自分の美しさに投資するくらいなら【推し活】に投資する。

 それが、彼女である。

 自分はどうでも良い。

 そう思っていた彼女に、【咲穂】は、

「【友加里】・・・

 あんた、自分の美貌を利用しないのはもったいないよ。

 そんなに推し活したかったら、あんた、【コスプレ】やんな。

 あんたが推しているキャラクターになるんだよ。

 あんたが推しキャラになりきれば、推しキャラも喜ぶんじゃないか?

 物は試しさ。

 やってみな。

 あんたの素材を眠らせておくのはもったいないよ。

 あんたは表に出るべきだ。

 騙されたと思ってやってみな。

 あんたの回りに人だかりが出来るのは確実なんだからさ」

 と言った。

 【友加里】は、

「拙者がでござるか?

 拙者ごときが推しを真似るなど・・・

 それは許されない愚行では?」

 と言った。

 彼女は【卯月】同様に自分の美貌の事がまるでわかっていなかった。

 ちょっとずぼらなところがある彼女にとっての超美人とは、かわいい系の【殊深】かクール系の【空琉】だと思っていた。

 (【卯月】はドジな所があるので動きで超美人とは思っていなかった)

 失礼な話かも知れないが、【友加里】自身のレベルは【璃桜】と同じくらいだと勝手に思っていた。

 だが、【友加里】は身なりを整えれば、【殊深】や【空琉】にも引けを取らない超美人なのは間違いない。

 それを自覚していないまま、【友加里】は、【推しキャラ】の【コスプレ】をして、イベントなどに出た。

 結果は大フィーバーだった。

 他の【人気コスプレイヤー】達を押しのけ、最も撮影された【レイヤー】として、話題になったのだが、【友加里】は、自分が騙されていると思って、自分の美を認めなかった。

 結局、普段は分厚い眼鏡とマスク姿が定着していた。

 【咲穂】は、「はぁ・・・」とため息をつき、

「いいかい、【友加里】。

 あんたは、自分の美しさを理解しな。

 あんたには需要がある。

 人の注目を集める才能があるんだ。

 あんたは磨かなくても光る魔性の美がある。

 それを自覚しな。

 推し活も良いが、コスプレもオリジナルで行ける様になるんだ。

 何かの真似じゃない。

 あんただけの世界観をコスプレで表現するんだよ。

 そうすりゃ、あんたは頂点に立てる。

 【パフォリス】はそのためにあんたに用意された舞台なんだよ。

 あんたには色気がある。

 それをまず知ることから始めな。

 あんたはその仕草で相手を魅了出来る力があるんだよ。

 推し活は自分を推しな。

 ナルシストになるんだよ。

 あんたにはそれをする資格がある。

 いつまでもくすぶってんじゃないよ。

 宝の持ち腐れなんだよ。

 そんなのあんたをそれだけの器量に生んでくれた両親に失礼ってもんだ。

 うちに籠もってないで外に出な、外に。

 あんたは外で輝けるんだよ」

 と発破を掛けた。

 【友加里】は、

「拙者には無理でござるよ」

 と言うが、【咲穂】は、

「その顔で言われても説得力が無いんだよ。

 しゃんとしな、しゃんと」

 と言った。

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