プロローグ編065/【斉縁 空琉サイト0】/【コミュニケーション】の練習3
【空琉】と【咲穂】の練習は続いている。
【空琉】は、【咲穂】が生成した【キャラクター】の方が勝利した事により、
「おめでとうございます。
勝者は貴女です。
どうでしたか?」
と聞いた。
【咲穂】は、
「いや、普通に面白いよ、これっ。
凄いじゃないか」
と答えた。
「作ったキャラクターを【保存/セーブ】する事が出来ますが、されますか?
次回以降、使いたい場合は【セーブデータ】から呼び出す事も可能です。
この【ベリーイージーモード】では1対1だけですが、【高いレベルのモード】にするとより複雑な【キャラクター】や複数【キャラ】の選択、より高度な【バトル】などが楽しめる様に作っております。
良かったら、他のモードも試されますか?」
「エクセレント。
100点満点だよ、あんた。
この調子でやんな」
「・・・これは【咲穂さん】だったから・・・
出来ただけで・・・
他の人には・・・
その・・・ちょっと・・・」
「なんだい、これと同じ事を他の人にやるだけで良いんだ。
簡単な話じゃないか」
「簡単に言わないでよ。
他の人と話すと・・・
緊張する・・・」
「しょうがない子だねぇ。
じゃあ、反復練習だ。
黙ってても普通に言える様に繰り返しな。
テイク3、行くよ。
出来るまで付き合ってやるから慣れておきな」
「わかった・・・」
「じゃあ、行くよ。
まぁ、何をなさってますの?」
「え?」
「え?じゃないよ。
また別のパターンでやるんだ。
客がいつも同じ反応で返すと思うんじゃないよ。
100人居たら100通りの反応があるんだ。
いつも好意的に相手してくれると思うんじゃないよ。
時には冷やかしや嫌がらせをしてくる奴だって居るはずさ。
そう言う奴をさらっと流せる様にならないと【コミュ障】を克服したとは言えないんだよ。
じゃあ、今度は否定的なパターンでやってみるよ。
いいかい?
ビビんじゃないよ。
上手く対処するんだ。
行くよ」
「う、うん」
「・・・何してんだよ?
つまんなさそうな事、してんじゃん」
「ごめん・・・
このパターンの時の対処の仕方がわからない。
どうすれば良い?」
「必ずこれはこう。
あれはあれだと言う答えは無いんだよ。
あんたはどう対処するか?
それが大事なんだ。
言われたことしか出来ないんなら、【パフォリス】なんて止めちまいな。
自分で考えるんだ。
嫌がらせを受けた時、いつも私が側にいるとは限らないんだよ。
そん時、あんたどうするつもりなんだい。
そもそも、保護者を同伴しているような奴は【パフォリス】の頂点どころか小さな大会にも勝ち残れないよ。
いいかい?
これは練習だ。
私には何を言ったって良い。
駄目っぽかったら、後で指摘するから。
まずは、あんた自身がどういった対応するのか、色んなパターンで試すんだよ。
それを繰り返しゃぁ、度胸も付くだろうさ。
これは練習だ。
つまり、失敗出来るんだ。
そう考えて、気楽に対応を考えな。
それを反復していきゃ、その内、どんな客が来ても対応が取れる様になるはずさ。
要は場数さ。
失敗を恐れるんじゃないよ。
若い内は何度だって失敗しな。
それがあんたの財産になるから。
失敗を恐れる奴は大成しないんだ。
何度も何度も失敗して恥かいて、今度は恥かかない様に軌道修正していくんだ。
若い内は買ってでも苦労しな。
そうすりゃあんたはドンドン強くなる。
元々、才能があるんだ。
それに努力と工夫が加わりゃ、あんたは無敵にもなるさ。
良いね。
恥かく事を恐れるな。
それがコツさ。
どうせなら【道化】でも目指しな。
【道化】なら、恥は芸だよ。
それなら出来るかい?」
「い、いや・・・
そう言うのは」
「恥じらいかい?
まぁ、したくないのなら無理には薦めないよ。
あんたにはあんたの流儀ってのがあるだろうからね。
【道化】はやらなくても良いけど、恥は今の内にたっぷりかきな。
年とりゃ、それが良い思い出になるからさ」
と【咲穂流特訓】は続けられたのだった。




