プロローグ編054/【花畑 殊深サイト0】/【殊深ちゃんの物知りになろう】3
【殊深】と【佐和子】の話は続いている。
【佐和子】は【殊深】の美貌にちょっと嫉妬していたので少しばかり意地悪な質問をしたのだが、思っていた答えと違っていた。
【殊深】はもっと動揺し、まともに答えられないと思っていた。
だが、【殊深】の答えは違っていた。
【本物】で無ければ答えられない様な考えをしめした。
【天才とは自分自身の中で最初の1人になる事】
【殊深】はこう答えた。
自分の事を【趣味ちゃん】と言う彼女のことをちょっとバカにした目で見ていた【佐和子】は考えさせられた。
頭をガツンと殴られたような衝撃が走った。
何となく、【天才とは何か?】の【核心をついている】様な答えだったからだ。
【天才とはなんぞや?】・・・
この答えを探し続け、【佐和子】自身が見つけられずに居た答えをこの目の前のほわほわした女の子が一瞬にして【表現】した。
【佐和子】は自分が天才だと思っていたが、【殊深】の答えで自分が凡才だったと思い知らされた様な気分になった。
【本物の天才】は【殊深】であり、自分は【天才】でも何でもない。
そう、言われている気がしてならなかった。
【天才】は【天才】を知ると言う。
【天才】は、別の【天才】ににじみ出てる【天才性】を見つけ、それで感じ取る事が出来るのだが、明確に、その違いを見つけられる【天才】はそう多くはないはずだ。
だが、【殊深】ははっきりと、【天才】とはこうだと言い切って見せた。
それが、ただの【天才】では無く、【天才】は【天才】でも格の違いを見せつけられた様な気分になったのだった。
【佐和子】も【天才】の端くれとして、【天才とは自分自身の中で最初の1人になる事】と言う解答の明確さと核心性の翻訳の凄さを感じ取っていた。
【佐和子】は、
「貴女・・・
化け物クラスの【天才】ね。
今の解答でそう感じたわ。
凄い・・・
本当に凄いわ、貴女・・・」
と言った。
【殊深】は、
「あの・・・どういう事でしょうか?」
と首を傾げた。
自分で自分の凄さをあまり理解していないかの様な反応だった。
【佐和子】は、
「何でもないわ。
気付いていないのなら、貴女自身が気付くのを待った方が良さそうだしね。
貴女の答えを聞いたらそう思ったわ。
だから、忘れてちょうだい。
それより合格よ。
文句なくどころか、予想の斜め上を行く答えだったわ。
負けたわ。
素直に認めるわ。
それで、私に質問だったわね。
何でも聞いて頂戴」
と言った。
「ありがとうございます。
では、早速質問させていただきます。
【天才倶楽部】を創部されたとの事ですが、【天才】を集めて何かをすると言うのはどう言った事をされるのでしょうか?
部員となるのに、一定の基準があると思われますが、どの様な基準で、【採用】されているのでしょうか?」
「それを貴女が言っちゃう?」
「はい?」
「私が部員を集めている基準は学校の成績をメインに選んでいたわ。
単純に、勉強が出来る人は知識も豊富だし、自分の評価を上げる方法を知っていると判断出来るから。
成績を見れば一目瞭然だと思っていた。
一応、成績が本当かどうか、一般常識問題50問とカルトクイズ50問の計100問を解いてもらって、70点以上を合格ラインに設定していたんだけど、貴女と話してみてたった今、考えが変わったわ。
勉強とかクイズが出来るってのは初めから、答えがあるものを予想や式などで解答する技術に過ぎない。
でも、答えが無い物。
存在して居ない物を作るにはそれじゃ駄目なんだと思った。
前にある天才に言われた事があるのよね。
一番大事なのは【想像力】だってね。
無から有を作る時、必要なのは答えが決まっている知識じゃない。
何かと何かを組み合わせたり、引き抜いたり加工したりして新たな姿を作る発想力だって。
それを言われた事が悔しくてね。
じゃあ、天才達を集めて、良い物を作ってやる。
そう、思った事が創部理由よ。
貴女はその天才の様にはっきり、私は駄目だとは言わなかった。
でも、その思考を感じた事、やっぱり私は駄目だったと自覚させられた。
そう言う意味じゃ、その天才より、貴女の方が残酷だったわ。
はっきりと格の違いが感じ取れてしまったからね。
才能の違いってのを思い知らされたわ。
私達は天才じゃなくて秀才集団だったのかも知れないわ。
ねぇ、貴女、【天才倶楽部】の【部長】になってくれない?
貴女から学びたい事ってたくさんあると思うんだけど?」
「ご、ごめんなさい。
【趣味ちゃん】は、【殊深ちゃんの物知りになろう】があるから・・・」
「そりゃ、そうよね。
ごめん、忘れて。
それと、【天才倶楽部】は解体するわ。
また1から【天才】とは何かについて考える事にする」
「ご、ごめんなさい・・・【殊深ちゃん】のせいで・・・」
「ううん。
貴女のおかげよ。
貴女のせいじゃない。
ありがとう。
気付かせてくれて」
と言う話になったのだった。




