プロローグ編005/【努追 卯月(ゆめおい うづき)】について
まずは、【咲穂】の姪になる【努追 卯月】について少し語ろう。
彼女は、将来、店を開きたいと言う夢を追っている少女だ。
特定の物ではない。
色んな物をとにかく売る何でも売っている店を開きたいと思っている。
性格は人懐っこい。
ちょっとおっちょこちょいな所もある。
基本的に人の笑顔を見るのが好きなので行動により人に好かれるタイプである。
【咲穂】は、自分の美貌を広告塔にして【パフォリス】を広めていたのでその姪である【卯月】もかなりの美人であると言える。
ただ、美人である事をひけらかす事はない。
そもそも自分が美人であるという自覚が無い。
変な意味で、自分を理解していない天然タイプとなる。
ドジな事が彼女を黙っていれば美人なのにと言わしめている。
また、極度の恋愛音痴である。
男性からかなり告白されているのだが、いまいちピンと来ていない。
おっちょこちょいな自分に告白しているのは自分をからかっているからだと思いこんでいる。
また、【恋愛】にはかなり奥手である。
他人の【恋バナ】を聞いただけで、耳まで真っ赤になってしまう。
初心な乙女である。
ただ、恋愛に全く興味が無い訳では無く、夢見がちな乙女にはありがちのいつか【白馬の王子様】が迎えに来てくれると信じている。
恋に恋する乙女。
ただ、恋愛に踏み切る勇気がなかなか出ない。
恋愛の話になると臆病になって逃げ出す事もある。
正直、男性との恋愛が怖いのだ。
友達から、恋愛で困った事やDVなどの話を聞いているため、男の人は怖いところがあると思っている。
だから、告白されても尻込みしてしまうのだ。
【咲穂】はそんな彼女の将来を心配していた。
このままでは結婚も出来ないと。
だが、逆転の発想で、乙女のままなら乙女のままでもかまわない道がある。
それが、【宗経/ムネツネ】の妻となる道だ。
【宗経/ムネツネ】の妻になる者は純潔を求められる。
理由は、【クアンフィオナ】を生むのに、母親の純潔/純愛は必須とされているからだ。
他の異性との恋愛を許さない。
他の異性に惹かれた者は、【宗経/ムネツネ】の妻を巡るレースから脱落してしまうのだ。
それは昔の女性アイドルが、男性とのスキャンダルをタブーとして居たのに似ている。
今の時代にそぐわないと言われようと、【クアンフィオナ】の母となるのに、【宗経/ムネツネ】以外の男性との関係はタブー視されているのだ。
また、女性側からすれば理不尽な話だが、【宗経/ムネツネ】の妻は24名という事になっている。
1人では怖くても23名の同胞が居れば、初心な【卯月】も心強いのでは無いか?
あわよくば、【正妻】の座を勝ち取れば、彼女も幸せになれるのでは無いか?
【咲穂】はそう思っていた。
昔の武将や皇帝などはたくさんの妻を娶っていた。
だから、他に妻が居るからと言って、必ずしも不幸とは言えない。
中には妻達で協力して生活している場合だってある。
だから、【卯月】にはその道しかない。
それに、途中で、他に好きな男性が現れたらいつでも【卯月】は脱落しても良いと思っている。
他に好きな異性が出来たならその異性と幸せになるのが一番。
何も人類最高の権力を得る必要はない。
だから、【卯月】には、
「いいかい、【卯月】。
あんたはまだ恋を知らない。
今はそれで良い。
だけど他に好きな異性が出来たら、迷わず、脱落しな。
他に好きな男が居るのなら、どの道、【パフォリス】の頂点にはなれない。
あくまでも頂点を目指した夢を追っている。
それだから輝ける世界なんだ」
と【咲穂】は伝えていた。
【卯月】は、
「こ、こここ・・・恋だなんて、おばさま・・・
う、【卯月】はそんな・・・」
と動揺した。
【咲穂】は、
「そのままだ。
今はそのままで良い。
そして、あんたの言う、【キラピカ】だっけ?
【キラピカ】になんな」
と言った。
【キラピカ】とは【キラキラ】と【ピカピカ】と言う意味で要するに輝きたいと言う意味である。
【卯月】は、
「うん、おばさま。
【卯月】はキラピカになるよ」
と言った。
【咲穂】は、
「良い子だ。
流石、私の姪だ」
と言って頭を撫でるのだった。




