プロローグ編036/【的藤 璃桜サイト0】/【リアル・アニメーションプロジェクト】6
【チュートリアルバトル】を終えてこれからが本番という所で、【アニメーション】が途切れた。
どうやら時間切れの様だ。
スタッフが、
「おめでとうございます。
貴女は、【主役候補】に上がっていますよ。
見事、【チュートリアル戦】まで行けた人は9人です。
この9人の中から、最終的に【主役】を決めます。
明日の2日目にこの9名の中からランダムに主役を決めるための【イベント】が展開される事になります。
他の人は主要キャラクターに脇役から敵役まで、配役が割り振られる事になります。
ここから先は僕達も未知数です。
一体、どんなドラマが生まれるのか楽しみっす」
と言った。
【璃桜】は、
「はぁ、そうなんですね?」
と答えた。
ボクが主役候補?
まだ、実感が沸かないと言った感じだ。
【スタッフ】は、
「後、申し訳ないのですが契約上、この部屋から出ないでいただけますか?
他の出演者と会ってしまうと変な情報が入る可能性があるので、申し訳ありませんが、明日の撮影が終わるまで部屋でお過ごし下さい。
部屋にはバストイレも完備されていますのでご自由にお使い下さい。
また、食事ですが、メニューがそちらにありますので、ご自由に注文なさってください。
後で届けますので」
と言った。
【璃桜】は、
「わかりました」
と答えた。
その後で、細かい説明を受けて、【璃桜】は1人、部屋で過ごす事になった。
余計な情報が入るのを避けるため、彼女は撮影の間、誰かとの電話やメールなども禁止となっている。
不自由を強制される分、報酬も高いので文句は無いが、急に1人で過ごせと言われても何をしたら良いのかわからず戸惑っている。
とりあえず、【才能ガチャ】で手に入れた【異能】、【ルック・スタチュー】と言う日本の明治時代の写真の露光時間の5~10秒ほどと同じ5~10秒ほど凝視すると【見た物】の【立像】を作れると言う力を高める事にした。
【立像】を作ろうと思って【凝視】すると現在は5秒が限界であり、秒数が少ないと【立像】の精度も低い物が出来る。
【カプセル】の中にあった説明書によると、成長して行けば、10秒くらいまで【凝視時間】を延ばせる事と、10秒を超えてくると、【超絶技巧】の領域の【立像】が作れるのと、【作風】を選べる様になると言う。
例えば、
ポップなタッチにしたり、
超リアル造型、
アニメーションタッチ、
シュルレアリスム風タッチ、
SD風、
木彫り風、
仏像風チョイス、
キュビスム風、
アート風、
カリカチュア風、
擬人化、
等々、見たままではなく、様々な立体造形方法を表現出来る様になると言う。
彼女は美術センスがあると言う訳ではないが、こういう【ギフト】を貰ってしまった以上、これでやって行くしかないのだ。
それに彼女は努力の天才である。
例え、今は苦手でもコツコツとやり続けて、いつかは得意になっていく。
そう言うタイプの【パフォリス候補生】なのである。
とりあえず、用意して貰った【美術系】の【雑誌】や【資料】、【番組】などを見ることにしたのだった。
彼女の力では想像した物は直接【立像】に出来ない。
だが、【絵】として表現出来れば、それを【凝視】して【立体化】させる事は可能だ。
だから、【絵】の勉強をする事にしている。
それには色んな【美術】を学ぶ事だと考えていた。
【璃桜】は、
「置いていかれてたまるか・・・」
とつぶやいた。
彼女の中では実力による見えないヒエラルキーが出来ていて、
【殊深】がダントツでトップ。
【卯月】、【友加里】、【空琉】が横並びで次に来て、
自分は一番下だと思っている。
だが、これは彼女が勝手に思っているだけであり、他の4人は全く思っていない。
そう言う劣等感から、彼女は出来ることは何でもしようと貪欲に行動しているのである。
この【リアル・アニメーションプロジェクト】に参加したのもその行動がさせた事である。
【咲穂】がくれたチャンス。
絶対に物にしてやる。
そう言う決意があったのだった。




