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(ファーブラ・フィクタイズム3)【ウルティムス・ヴィクートリア】プロローグ編  作者: 羽絶 与鎮果


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33/77

プロローグ編033/【的藤 璃桜サイト0】/【リアル・アニメーションプロジェクト】3

 【璃桜】が【アニメーションダイブルーム】で待機し始めてから37分後、【SFリアル・アニメーション】はスタートした。

 思ったよりもずっと早いスタートだった。

 まだ、心の準備が出来ていないと言った感じだった。

 【璃桜】の【キャラクター】は、【キャロル・スイートハート】と言う名前だ。

 【璃桜/キャロル】は、

「私は【キャロル・スイートハート】・・・

 【ボク】じゃない・・・」

 と自分の【一人称】を否定する。

 これから【リアル・アニメーション】が終了するまでは、【ボク】では無く【私】と言わなくてはならない。

 自分を【私】と言うのは何だか気恥ずかしい気持ちになった【璃桜/キャロル】だった。

 【璃桜/キャロル】は現在、【パーソナ】と言う架空都市に来ていると言う設定だ。

 設定では上京してきた田舎娘という設定で、【パーソナ】の地下に眠っていると言う【超兵器】、【ルローニー】を見つけると言う【ミッション】が与えられている。

 当然、道中で、殺されれば、【リアル・アニメーション】からの退場となる。

 普通のアニメの様に、事を為すまで【安全】が保証されていると言う訳ではない。

 ヒントは、【地下都市】があるとの事だが、それを見つける所から始めなくてはならない。

 【璃桜/キャロル】は、

「何処だろ・・・」

 【地下都市】と言う言葉を飲み込んだ。

 設定上、【地下都市】がある事は知らないと言う事になっている。

 それが口にするなどあってはならない事で、これを破れば一発退場。

 死んでいなくても【物語】から強制排除となる。

 なので、慌てて、

「私が住む所・・・

 聞いた話だとここの近くなんだけど・・・」

 と自分の台詞の【フォロー】を行った。

 【キャラクター】に与えられた【設定】を無視しなければ、どの様な設定を足してもかまわない。

 後は、【AI】が自動生成で辻褄を合わせてくれるからだ。

 だが、逆に言えば、他の【第1期アクター】が行った適当な物事も【物語】に影響されて行くので本当に【展開】が読めないのだ。

 そこが面白いと評価されているのだろうが、実際に【キャラクター】を演じている方ではアドリブの連続でヒヤヒヤ物である。

 【璃桜/キャロル】は、身体の感触を確かめる。

 【肉体】はアニメーション使用になっているが、何かを掴めばその感触が伝わる。

 例えば、【八百屋】によって【リンゴ】を掴めば【リンゴ】の感触が、

 【大根】を掴めば【大根】の感触が、

 【トマト】を掴めば【トマト】の感触がしっかりと伝わるし、

「すみません。

 これとこれ下さい」

 と言えば、ちゃんと【八百屋】が、【キュウリ】と【メロン】を売ってくれる。

 何の脈絡の無い買い方をしても実際にそう、行動すれば、それが【アニメーション化】される事になるのだ。

 そう。

 まさに、【自分のキャラクター】の行動が、【アニメーション】の展開を決めているのだ。

 つまり・・・

 正義を貫けば、【ヒーロー】に、

 悪の道に進めば、【ヴィラン】に、

 ちゃんとなっていくのである。

 【第1期アクター】達が、【アニメーションキャラクター】と共に筋書きの無いドラマを作る。

 それこそが、【リアル・アニメーション】と言う【他星】から上陸した新たな【ジャンル】なのである。

 【璃桜/キャロル】は、

「これっ・・・

 間違って買ったのであげます」

 と通行人の【キャラクター】に買ったばかりの【キュウリ】と【メロン】を渡す。

 通行人は、

「あ、ちょっと・・・」

 と言う当然の反応をするが無視して先に進んだ。

 【キュウリ】と【メロン】を持ったままだとこれからの【イベント】に支障が出る。

 だから、早々に手放したのだ。

 【璃桜/キャロル】は、とりあえず、【地下都市】につながってそうな怪しそうな場所を探した。

 もちろん、ある程度、推理しながらである。

 闇雲に従っても見つからない。

 だから、何かヒントの様な物が無いか、町中や人を観察した。

 すると、怪しいやりとりをしている2人を見つけた。

 自然なそぶりを装っているがどこかおかしい。

 プロではないから正確にどこがおかしいとか指定は出来ないが、予め、怪しい動きをしている人物を見つけようと思って見れば何となく違和感のある人物は見つかるものである。

 この中に怪しい人物が混ざっていると言う事がわかれば、観察眼が無くてもある程度はわかると言う事だ。

 【璃桜/キャロル】は、怪しい2人を尾行した。

 2人は路地裏に入った。

 そして、【違法薬物】の取引をしていた。

 どうやら、間違えだった様だ。

 怪しい動きをするものが必ずしも【地下都市】へ行く訳じゃない。

 【璃桜/キャロル】は早々にその2人から離れ、次の怪しい人物を見つけようとした。

 そしてまた、外した。

 それを3、4回ほど繰り返した後、ようやく【当たり】を引いた。

 怪しい【女】を見かけて、それを尾行した。

 女は、路地裏の小さな【ゴミ箱】を別の場所に移動させた。

 するとそれがスイッチの役目を果たしていたのか、ガコンと音がして隠し扉が出て来た。

 【璃桜/キャロル】は【女】の後をつけて隠し扉の中に入った。

 さぁ、ようやく【物語】がスタートする。

 そんな感じの展開だった。

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