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(ファーブラ・フィクタイズム3)【ウルティムス・ヴィクートリア】プロローグ編  作者: 羽絶 与鎮果


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11/15

プロローグ編011/【宗経/ムネツネ】の日常1

 【宗経/ムネツネ】は、

『はぁ・・・

 【嫁】ねぇ・・・

 あんまり実感ないなぁ・・・』

 とつぶやいた。

 彼は【芦柄 吟侍】の跡継ぎから一転、【ラスボス】の一角となった存在だ。

 そして、【クアンスティータ】の後継である【クアンシリーズ】の一角、【クアンフィオナ】の父親となるのを宿命づけられた存在でもある。

 【クアンフィオナ】の父親となると言う事は当然、【クアンフィオナ】の母親となる【女性】とツガイになると言う事も意味していた。

 【結婚】・・・

 両立させていた師匠と異なり、どちらかというと【愛】より【夢】を取るタイプの少年だった彼にとって、誰かと子供を作れと言われてもいまいちピンと来ないのである。

 彼が【ラスボス】だと公にすれば、引く手数多となり、求婚してくる女性が殺到するだろう。

 だが、そんな女性との結婚は想像が付かない。

 出来れば愛し合って結婚したい。

 彼はそう、思っていた。

 とは言っても何をどうすれば良いのか?

 彼には皆目見当が付かない。

 とりあえず、自分磨きかな?と思って、自分の趣味を頑張ろうと思っていた。

 まずは、【ラスボス】としての責務を果たそう。

 彼はそう思った。

 【24妃制】・・・妻を24名娶ると言う事を意味している。

 そのため、その【24妃】を擁立する24の【組織】が彼の配下となる。

 24の【組織】は一枚岩ではない。

 それぞれが、自分達の【組織】こそが、【宗経/ムネツネ】の第1の組織だとしのぎを削っている。

 出し抜き、出し抜かれ。

 追い落とし、追い落とされ。

 それを繰り返し勢力を拡大し続けている。

 つまり24の組織同士は仲良くない。

 お互いギスギスし過ぎている。

 【宗経/ムネツネ】はそれが苦手だった。

 仲間なんだから仲良くすれば良いのに・・・

 彼はそう思っている。

 だが、今は同じ場所にその24の組織を集める事は出来ない。

 そこで半年に24日間連続で、個別にその組織の【(おさ)/支配者】からの謁見を受ける事になっていた。

 今日はその第1日目。

 くじで一番を引いた【組織】の【長】から、順番に会うことになっている。

 【宗経/ムネツネ】は、

『はぁ・・・

 憂鬱だ。

 【ラスボス】なんざ、やるもんじゃないな・・・

 面倒臭いったらありゃしない・・・』

 とつぶやいた。

 とそこへ、

『そう申されるな。

 我らの忠誠は絶対でございますゆえ』

 と言う声が。

 【宗経/ムネツネ】は、慌てる風でもなく、

『・・・【禁稀禍(きんきか)】か?』

 とつぶやいた。

 声の主は、

『左様でございまする。

 【禁稀禍】の【当主】/【禁稀禍(きんきか) 源群(げんむ)】にございます。

 半年に一度の謁見。

 恐悦至極に存じます』

 と言った。

 【禁稀禍】とは・・・

 1から13種類の【異能】を極めし、【異能の戦闘狂怪物】達の事を指す。

 強さこそ正義。

 強さこそ正しい。

 だから、【長】である【禁稀禍 源群】よりも強い【宗経/ムネツネ】に従っている。

 だが、隙あらば、いつでも【宗経/ムネツネ】の寝首をかく。

 そう言う集団である。

 24の組織が【宗経/ムネツネ】に従っているのはあくまでも【宗経/ムネツネ】が上位にいる存在だからである。

 そのため、彼の妻を擁立し、彼に媚びを売るが、いつでも寝首をかく。

 そう言う油断のならない関係となっている。

 だからこそ、鬱陶しい。

 【宗経/ムネツネ】はそう思っていた。

 上辺だけの服従などいらない。

 そんなの無いのと一緒。

 いや、それよりも尚、悪い。

 こいつらの魂胆は見え見えだ。

 だが、表向き逆らわないのを糾弾する訳にも行かない。

 でも、出来るだけ会いたくはない。

 真の信頼関係などそこには無い。

 存在しない。

 如何に出し抜くか?

 24の組織はそればかり考えている。

 そこで半年に24日間だけ謁見を許すと言う関係になっていた。

 恐らく、謁見しない日にはこそこそ悪だくみでもしているのだろう。

 こいつらの事を考えると辟易する。

 【宗経/ムネツネ】は心底うんざりしていた。

 こんな奴らでも【宗経/ムネツネ】がトップになることで他の弱者への抑止力となる。

 理不尽な殺害を好まない彼の怒りを買うまいとこの24の組織は悪事を控えている。

 だから、弱者の盾として【宗経/ムネツネ】はこの理不尽な存在達のトップに立たなければならない。

 だから、【芦柄 吟侍】の後継者を捨て、彼は【ラスボス】になる事を選んでいた。

 彼が、24の組織の上に君臨している限り、度を超した悪事は働かせない。

 それが、彼の【ラスボス】としての矜持だった。

 だから、今日からの腹の探り合いをする。

 それが【宗経/ムネツネ】と言う【ラスボス】だった。

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