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偽りの白薔薇王女と二つの魂  作者: 春夏秋冬
第一章『学園入学(侵入者)編』
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第六話『セルトヴィア=アリヴァス=シータ』

 ——場所は戻り、あいなはシラユリのところへ向かっているが、逆方向へ進んでいるところ。

「んー、誰も居ないなあ。こっちじゃなかったけな?それにしても……どこだろうここ。端っこまで来ちゃった?」

 周囲を見渡しながら歩いていると、ふいにな(・)に(・)か(・)にぶつかり尻餅をつく。

「痛ったぁ……。なに?」

 顔を見上げると、そこには大きな半透明な板のようなものが空高く続いており、まるでバリアのように張り巡らされていた。

「これは……バリア?」

 ――あの変なやつが言ってたのはこれか。壊せるのか……?

 バリアの前で考え立ちすくんでいると、背後から声をかけられる。

 「キミ……そんなところでなにしてるの?」

 「!!」

 驚いて振り返ると、そこにはこの世界にそぐわない……まるで現代のギャルのような格好をした女が立っていた。

 ――敵?それとも……?

「キミもしかして、アイナ・アリスト第三王女?」

「あの……あなたは?」

「失礼しました。あーし……あ、わたくしセルトヴィア=アリヴァス=シータと申します。この学園の三年で、学園長セルトヴィア=アリヴァス=セリファの孫娘になります。どうぞお見知りおきを」

 あいなが王族と分かると、先ほどのフランクな感じとは違って丁重に挨拶をする。

「それで王女で在らせられる貴方が、この緊急事態に何故お一人でここに?」

「実は妹のところに行こうと思ったんだけど、迷ってしまって……そしたらこのバリア?のところにまで辿り着いちゃったから壊せるのかなって」

「なるほど。そうで在らせられましたか。このバリアですが、かなり強力なものになっておりますので、恐らく単騎での破壊は不可かと」

「そっか……」

 あいなが少し残念そうに言うと、気を使ったのか、他の方法を提案をする。

「ただ……わたくしの魔法を使用すれば、もしかしたら破壊できるかもしれません。そのために学園長のところへ行く予定でしたが、王女が興味あられるようであれば一緒に試してみますか?」

「いいんですか?協力があっても、わたしの力で破壊できるか分からないですけど」

「大丈夫だと思います。わたくしの魔法は自分と他人の強化なので。それじゃあ行きますよ。強化魔法 神々の聖域《デウス・セント・テリトリー》」

 魔法を発動すると、足元が光り、魔法陣が浮き上がる。あいなの身体も光に包まれる。

 ――すごい。何この魔法。身体の底から力が漲ってくる。身体も羽根のように軽くて、魔力も溢れてくる感じ。いまならなんでも出来そう!

「さっ、息を合わせて行きますよ。全力で一撃畳み込みます」

 二人で息を合わせて拳をバリアへ叩き込む。

「はぁっ!!」

 バリアに細い亀裂がはいる。さらに押し込むように前に力を入れる。

「はああぁぁぁぁっっっ!!」

 細い亀裂が、一瞬で蜘蛛の巣のように広がっていく。

 ――あと一押し……?

片手だけでなく、もう一方の拳も添え、全身の力を込めてバリアに叩き込む。

「はあああああぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」

「いけぇぇぇぇ!!」

 遂にバリアが粉々に砕け、硝子のような破片が光に反射してキラキラと綺麗に光る。

「やった……?」

「やりましたね!」

 二人は拳を突き出すと軽くコツンと合わせる。

 バリアの崩れる音は、学園中で戦う者たちの耳にも届いていた。

 その様子を伺うように、学園の屋上に不穏な影があった。

「君さあ、何やってるの?あの程度の王女に負けちゃってさ……。まあ水人形だけどさ」

「申し訳ありません」

「まあいいや。程度は知れたからさ」

改めまして、春夏秋冬(ひととせ)です。

第六話ご覧いただきありがとうございます。

pcが壊れまして、最新話投稿が遅れて申し訳ないです。

今後とも応援等して頂けると嬉しいです!

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