第七話『一時閉幕』
学園に張られていたバリアを破壊した、あいなとシータはシラユリの元へと向かっていた。
――まさか向かっていた方向が反対だったとは。
「案内ありがとう」
「いえいえ。王女の為ですから。早くご家族と合流できたほうがいいでしょう。バリアが割れたからと言って侵入者が襲ってこないとは限らないですし」
――確かに。そうだよね。
「はい。それはそうと、わたしが王族だからと言って敬語じゃなくていいですよ。フランクなほうが話しやすいですし、そもそもシータさんの方が歳上ですから」
「そうですか……?それでは少しだけフランクにしますね。二人きりの時だけですが」
「あはは。うん。そうしてくれると嬉しいです」
――やっぱり、わたしが王族である以上、こういうところは気を遣わせちゃうんだな。
——中庭
一方、あいなが向かっている中庭では、逃げ遅れた生徒やシラユリ達も集まっていた。
「クランセラー!お姉様は?」
「申し訳ありません。現在近衛兵が探しておりますが、まだ見つかっておりません」
「魔の反応的には学園内には居るみたいですが……全く何をしているのでしょうか。お姉様は」
シラユリとクランセラーの会話を近くで聞いていたティティアとロベリアも心配をする。
「アイナちゃん無事かな……?」
「どうやら王族と一緒と思いましたが、そんなことはないようですわね」
心配する面々を他所に中庭の一画からひょこっとあいなが姿を見せる。
シラユリがいち早く気付き、あいなに駆け寄る。
「アイナお姉様!心配しましたわよ」
「シラユリちゃん……。無事そうでよかった」
「そういうお姉様……こ……そ……」
シラユリは、あいなの姿をじっと見つめる。
――服が少し汚れている。それに、この魔力の揺れは……。
違和感に気がついたシラユリはあいなに屈むように、目線で指示を出し、あいなの耳元で怒った口調で、周りに聞こえないよう囁く。
「お・ね・え・さ・ま・?わたくし言いましたよね?余計なことをするなって」
「ごめんなさい。でも、敵も急に来ちゃって……」
「はあ……。まあ、どのみち敵襲がなくても、なにか起こしてたとは思いますが……。なんにせよ、無事帰ってきて頂いてよかったです。大事なお姉様の身体ですから」
シラユリとの会話がひと段落したところで、ティティア達が寄ってくる。
「アイナちゃん無事そうでよかったよ〜!!」
「全く……一人で何をなさっていたんですの?」
「お、お姉ちゃんも、こう見えてアイナさんのこと心配していたんですよ」
「エリー?余計なことは言わなくて良くてよ?」
「ごめんなさい……」
――皆に心配かけちゃったな
「ごめん。心配かけちゃった」
あいなが謝ると、ティティア達は鳩が豆鉄砲を食ったように驚く。
「大丈夫だよ!謝らなくて……」
「でも……皆に心配かけたなって」
「ふん。王族なんですから、迷惑かけて当たり前っていう態度とっていればいいんですわ」
――わたしロベリアさんにはあんまりよく思われてないのかな?
「アイナお姉様!護衛と馬車の準備が出来ましたわ。帰りますわよ」
「あ、うん!分かった」
あいなはティティア達に別れを告げると、そのままシラユリと馬車に乗り込み帰宅する。
――入学初日から大変だったなぁ。これからどうなるんだろ……?
改めまして、春夏秋冬です。
第七話ご覧いただきありがとうございます。
まだ拙いところもございますが、頑張っていきますので応援のほどよろしくお願いします。




